マスターズ優勝候補の筆頭、世界一のダスティン・ジョンソン、開幕前日に階段から転落!出場可否は不明。
「これはジョークではありません」
そんな断り書きが世界各国のウエブサイトで踊り始めた。世界が一斉に報じた驚きのニュース。
「マスターズ開幕を明日に控えた水曜日、世界ナンバー1のダスティン・ジョンソンが階段から滑って転落。背中から落ちて腰を痛め、医師の手当てを受け、痛み止めを処方されて今は安静にしている。明日、ティオフできるかどうかは未定」
何が起こるかわからないのがゴルフだと言われる。とりわけマスターズでは、オーガスタに棲む魔女が悪戯を仕掛けてくると言われる。
だが、それは往々にして試合中の話だ。まさか宿舎で、しかも「ゴルフの祭典」マスターズの前日に、しかも世界ランキング1位で優勝候補筆頭のジョンソンが、こんな事故に遭うなどということを誰が想像できたであろうか。
ジョンソンはまさに絶好調だった。今年2月のジェネシス・オープンを制して自身初の世界ランキング1位に輝き、次に出場したメキシコ選手権でも優勝。さらにはマッチプレー選手権でも優勝し、出場3試合連続優勝と世界選手権シリーズの4大会すべてを制して“WGCスラム”を達成したばかりだ。
「今、ドライバーショットはとてもいい。パッティングもとてもいい。僕のこのゴルフが続く限り、僕を倒すのは至難の業だ」
自分でそこまで言ってのけるほど、ジョンソンは絶好調だった。
昨年の全米オープンでルール上の珍事に遭遇しながらも勝利を掴み、メジャー初優勝を遂げた。
マスターズでは昨年4位、一昨年6位。今、ジョンソンが一番欲しいと思っているものはマスターズの勝者が羽織るグリーンジャケットだ。
そんなときに、よりによって階段から転落とは、運が悪いのか、オーガスタの魔女の悪戯が過ぎるのか、それとも何かの前兆か。
すでに、世界中から、あらゆる種類の情報と噂がSNS上を猛スピードで飛び交っている。
ジョンソンが滑った階段はオーガスタの近くで借りている民家の中の「たった3段しかない小さな階段だった」という話もある。
そのわずか3段を「ソックスを履いて歩いていて滑った」という話もある。
それらは「すべてジョークだ」という話もある。
それゆえ、真面目な確かなニュースの冒頭に、逆に「これはジョークではありません」「No Joke」と付される状況だ。
ジョンソンのマネジメント側から出された声明には「医師からの手当てを受けた」「痛み止めを処方され、安静にしている」「プレー可能かどうかは今はわからない」とだけ書かれており、転落した際の詳細は明かされていない。
どうやって滑ったかは、大きな問題ではないようにも思えるが、プロとして不注意だったかどうかを問うのであれば「問題があった」と言われる部分もあるのかもしれない。
だが、今はその詳細より、ジョンソンが明日からプレーできるかどうかが一番の問題だ。
どうせ想像もしなかったことが起こるのなら、ジョンソンの腰が一晩で奇跡のように回復することを祈るばかりだ。