メカニカルキーボードより薄型ペチペチ系の方が使いやすく感じる理由
一般的に、キーボードをタイプ別にグレード分けすると「パンタグラフ式の薄型キーボード < メカニカルキーボード < 静電容量無接点方式」というイメージがあると思います。
大雑把な言い方ですが、キーボードにこだわり始めると、このような流れになるのではないでしょうか。少なくとも私は、このような順序でどんどんキーボードを増やしていきました。
そうやってキーボードを増やしていって、最終到達点だと思ってHHKB HYBRID Type-Sを購入したわけですが、まだまだ “最高のキーボード” 探しの旅は終わっていません。
そして現在地。
「巡り巡ってみると、品質のいいパンタグラフ式キーボードこそが、実はもっとも使いやすいのではないか」と感じ始めている私がいます。
なぜそう思うのか。その理由を考えてみました。
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薄型キーボードのメリットとは何か
薄型キーボードの一番の特徴であり、メリットとなっているのは、キーストロークが浅いところです。
キーの戻りが速く、キーからキーへの指の移動距離が少ない。これによりスピーディーなキー操作が可能になります。
その他には「持ち歩きしやすいポータビリティ」や「タイピングの静音性」などが挙げられますが、これらは「使いやすさ・タイピングのしやすさ」とは関係のない話。
タイピング性能という点で考えたときに、メカニカルキーボードとの明確な違いとなっているのが、このキーストロークの浅さです。
逆に、メカニカルキーボードの良さはストロークの深さであり、タイピングしたときのフィードバックの心地よさです。
これこそ、長時間のタイピングでも疲れづらく、ライターやブロガーなどの文章を書く仕事に適していると言われている理由です。
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薄型キーボードのほうが実は使いやすい?!
ですが実際に使い比べてみると、意外と薄型キーボードのほうが使いやすいと感じる場面が多いのです。
その理由は「文章を書いている時間ばかりじゃないから」だと思われます。
ライター・ブロガーとして文章を書いている時間もそこそこ多い認識ですが、それと同じぐらい画像編集・動画編集をしている時間があります。
また、サラリーマンとしての仕事ではExcel、PowerPoint、Figma、Miro、Asana、Notion、Canvaなどなど、さまざまなツールを使い回しています。
すると文章を書いている時間は意外と少ない。それよりも、短い言葉を繋いだり、ショートカットキーを使っている回数のほうが断然多いのです。
ホームポジションから手を動かさず、ひたすらに文章を書き続けるような状況なら、メカニカルキーボードのほうが適しているでしょう。
しかし私の使い方では、ホームポジションから手を離す回数が非常に多い。マウスとキーボードを行ったり来たりするし、ショートカットキーを押すためにポジションを外したりもする。
そうすると「タイピングの心地よさ」よりも「あっちこっちに指を動かせる/細かい操作がストレスなく行える」という点に強くメリットを感じる。
それこそがつまり、メカニカルキーボードよりも、薄型のパンタグラフ式キーボードのほうが自分には適していると感じる理由です。
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薄型なら何でもいいわけではない
ただ、薄型のペチペチ系キーボードであったとしても、打ち心地の良さを犠牲にはしたくありません。文章を書いている時間もそこそこに多いので、タイピングの楽しさも最大限に感じていたいのです。
そんな私の今の愛機がMX KEYS MINI。Logicool社が販売しているマスターシリーズの薄型キーボードです。
特徴はキーストロークの深さ。
約1.8mmあり、AppleのMagic Keyboardよりも打ち心地を強く感じます。「押した」というフィードバックを指先に感じることができ、タイピングの楽しさを損ないません。
普段からメカニカルキーボードを愛用している人にとっては、ちょっと物足りなさを感じるかもしれません。「音」というフィードバックもありませんしね。
ですが、一般的な薄型キーボードよりは確実に “快感” です。パチパチとリズムよく打ち続けている時間は、なんともいえない心地よさですよ。