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NY原油30日:反発、四半期末で買い戻しが膨らむ

小菅努マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト

NYMEX原油7月限 前日比1.14ドル高

始値 58.27ドル

高値 59.69ドル

安値 57.94ドル

終値 59.47ドル

月末、四半期末を控える中、短期的な下げ過ぎ感を背景に安値是正の動きが優勢になった。

特に目立った買い材料は見当たらなかったが、期末要因に加えて明日に米週間需給統計の発表を控えていることもあり、売りポジションの整理が優勢になった。米原油在庫は前週比250万バレルの減少が予測されており、米国内での在庫取り崩し傾向が維持される可能性が高いことが警戒された模様。

もっとも、イラン核協議の合意が近いと見られる中、本格的に戻りを試すような動きは限定されている。6月30日の期限までの最終合意には至らなかったが、早ければ今週から来週にかけて合意が形成される可能性もあり、イラン産原油の市場復帰リスクが警戒されている。Bloombergによると、6月の石油輸出国機構(OPEC)産油量は前月の日量3,139万バレルから3,213万バレルまで増加しているが、これに対応する十分な規模の需要が存在する訳ではない。こうした中でイランの市場復帰を受け入れる余地は多くない。そのギャップは世界で在庫積み増しの動きを加速させる可能性が高い、需給要因からは、原油相場を買い進むのは難しい状況にある。

引き続き60ドルの節目を挟んで膠着気味のボックス相場が続いているが、国際原油需給の緩和状態を背景に、改めて売り込むことができるのかが問われることになる。ギリシャ情勢で大きく値下がりする必要性は見出せないが、完全な膠着相場が続いているだけに、レンジブレイクとなれば下値切り下げ傾向が本格化する可能性はある。

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マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト

1976年千葉県生まれ。筑波大学社会学類卒。商品先物会社の営業本部、ニューヨーク事務所駐在、調査部門責任者を経て、2016年にマーケットエッジ株式会社を設立、代表に就任。金融機関、商社、事業法人、メディア向けのレポート配信、講演、執筆などを行う。商品アナリスト。コモディティレポートの配信、寄稿、講演等のお問合せは、下記Official Siteより。

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