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NY原油13日:続落、IEAが16年も過剰供給は続くと予想

小菅努マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト
(写真:アフロ)

NYMEX原油11月限 前日比0.44ドル安

始値 47.46ドル

高値 48.43ドル

安値 46.60ドル

終値 46.66ドル

国際エネルギー期間(IEA)が供給過剰の長期化見通しを示したことが嫌気され、続落した。

アジアタイムは47ドル台中盤で揉み合う展開になったが、欧州タイム入り後に下値切り下げ圧力が強まり、46ドル台にコアレンジがシフトしている。IEAは、2016年の世界石油需要の伸び鈍化とイランの市場復帰を受けて、2016年中の過剰供給解消は困難との見方を示した。2015年の世界石油需要見通しは前年比で日量+180万バレルとされ、前月から10万バレルの上方修正になった。しかし、16年に関しては+140万バレルから+120万バレルまで逆に下方修正が行われており、需要サイドからの需給引き締め圧力は大きく後退することになる。マーケットではシェールオイルの生産調整が進んでいることで需給均衡化への期待感が高まっていたが、IEAがなお需給リバランスの実現に慎重な見方を示したことが、戻り圧力に強力なブレーキを掛けている。

一方、明日発表される米原油在庫が増加するとの見方もネガティブに。米国内産油量は抑制されてきているが、需要の端境期とあって、過剰在庫傾向が更に進むリスクが警戒されている。シェールオイル分野で生産調整の動きが活発化していることは間違いなく原油相場に対してポジティブだが、それが本格的な原油高を正当化できるレベルなのか疑問視されていることが、改めて原油相場に対する売り圧力を強めている。

シェールオイルの減産傾向が続いているのは事実のため、40ドル割れから更に急落するような必要性は薄れている。しかし、価格上昇でシェールオイルの生産環境が安定化するような動きを許容することはできず、それ以上に戻り圧力は限定されることになる。OPECサイドの過剰供給が再びクローズアップされていることもあり、なお安値低迷相場を継続するとみている。世界の石油在庫は潤沢であり、OPEC非加盟国の生産調整を十分に進展させるためには、少なくとも本格的な原油高は許容できない。

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マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト

1976年千葉県生まれ。筑波大学社会学類卒。商品先物会社の営業本部、ニューヨーク事務所駐在、調査部門責任者を経て、2016年にマーケットエッジ株式会社を設立、代表に就任。金融機関、商社、事業法人、メディア向けのレポート配信、講演、執筆などを行う。商品アナリスト。コモディティレポートの配信、寄稿、講演等のお問合せは、下記Official Siteより。

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