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グレッグ・ノーマンのツアーへの出場意思を正式に示したPGAツアー「第1号」選手が、ついに明かされた!

舩越園子ゴルフジャーナリスト/武蔵丘短期大学・客員教授
(写真:ロイター/アフロ)

 グレッグ・ノーマンによる新ツアー、「リブ・ゴルフ・インビテーショナル・シリーズ」への出場意思を正式に表明したPGAツアーの「最初の選手」が明らかになった。

 PGAツアー1勝、44歳の米国人選手、ロバート・ガリガスは、ノーマンが6月から開始を予定している「リブ・ゴルフ・インビテーショナル・シリーズ」の第1戦、ロンドンのセンチュリオンGCで開催される大会(6月9日~11日)への出場を希望し、そのための許可申請をPGAツアーに提出したことが米メディアによって報じられた。

 PGAツアー・メンバーの選手は、他のツアーに参加する際は事前にPGAツアーからのパーミッション(出場許可)を得る必要がある。

 しかし、かねてからPGAツアーのジェイ・モナハン会長は「あっち(ノーマン)のツアーに出た選手は即刻、出場停止処分を科す。メンバーシップ剥奪もありうる」と語っており、選手会の場で「あっちのツアーに出る者は、あそこ(出口)から出て行け」と声を荒げたこともあった。

 そのため、ノーマン側の大会への参加意思を表明した第1号となったガリガスに対し、モナハン会長がどんな姿勢を見せるのかが大いに注目される。

 「リブ・ゴルフ・インビテーショナル・シリーズ」は今年6月から開始され、年間8試合。個人戦とチーム戦の双方が行なわれ、個人戦は48人、チーム戦は1組4名、全12組。予選カット無しの54ホール3日間大会となり、ショットガン形式で一斉にスタートするという。

 賞金総額は255ミリオン(2億5500万ドル)。毎週、1試合の賞金総額は2000万ドル前後となり、チーム戦のトップ3には、さらに500万ドルが分配される。7試合終了後、個人戦のトップ3には、さらなる3000万ドルが分配される。8試合目となる最終戦は10月28日~30日。チーム戦のみとなり、総額5000万ドルが授けられる予定だ。

 初戦はロンドンのセンチュリオンCCだが、2戦目からは米国内でも開催予定。パンプキンリッジGC(オレゴン州)やトランプ・ナショナルGC(ニュージャージー州)、ジ・インターナショナル(マサチューセッツ州)など米国内の名門コースもその舞台とされている。

 ガリガスが出場を希望している初戦は、優勝賞金400万ドル、賞金総額2500万ドルと一層高額になることが、すでにノーマン側から発表されている。

 しかし、PGAツアーのスター選手たちは、ノーマン側への移籍が噂された選手も含め、今年2月から3月にかけての一時期にほぼ一斉にPGAツアーへの忠誠を誓う声明を出し、ノーマン側は選手集めに苦心しているとも見られている。アマチュアも招待するつもりだとノーマンが明かしたという情報もある。

 ガリガスは2006年からPGAツアーに参戦し、2010年にチルドレンズ・ミラクル・ネットワーク・クラシックで優勝しているが、勝利はこの1勝のみ。2013年以降はメジャー4大会への出場がなく、シーズンを通してフル出場できたのは2018年シーズンが最後。生涯獲得賞金は約1490万ドルとなっている。

 昨季は下部ツアーのコーンフェリーツアー20試合に出場したが、今週はPGAツアーのチーム戦、チューリッヒ・クラシックにトミー・ゲイニーとペアで出場する予定。

 今のところ、ガリガス本人、ガリガスのエージェント、PGAツアーのいずれもノーコメントだが、この一件で試合会場は騒々しくなる可能性が大になった。

 ノーマンのツアーの初戦へのエントリー締め切りは来週の25日(月曜)とされており、ここ数日でガリガスに続いて出場意思を示す選手がさらに出てくることが予想される。

 PGAツアーは提出された出場許可申請に対する返答を大会1か月前となる5月10日までに行なわなければならない規定があるとのこと。

 米ゴルフ界は、しばらくの間、大きく揺れ動きそうである。

ゴルフジャーナリスト/武蔵丘短期大学・客員教授

東京都出身。早稲田大学政経学部卒業。百貨店、広告代理店勤務を経て1989年に独立。1993年渡米後、25年間、在米ゴルフジャーナリストとして米ツアー選手と直に接しながら米国ゴルフの魅力を発信。選手のヒューマンな一面を独特の表現で綴る“舩越節”には根強いファンが多い。2019年からは日本が拠点。ゴルフジャーナリストとして多数の連載を持ち、執筆を続ける一方で、テレビ、ラジオ、講演、武蔵丘短期大学客員教授など活動範囲を広げている。ラジオ番組「舩越園子のゴルフコラム」四国放送、栃木放送、新潟放送、長崎放送などでネット中。GTPA(日本ゴルフトーナメント振興協会)理事。著書訳書多数。

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