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【土浦市】わざわざ秋に食べたいかき氷の名は「ぶどうまみれ」。その名にふさわしくぶどうがどっさり

コイケケイコ土浦在住ライター(土浦市)

かき氷は夏の食べ物だと思っていたけれど、今回の取材でそれが勘違いであったことを思い知らされました。訪れたのは「土浦冷蔵(株)」。製氷会社が営む小さなかき氷専門店です。

製氷会社が母体。だから氷も当然おいしい

まず先にごめんなさいをしなければいけませんが、こちらの「土浦冷蔵(株)」は、土浦と名乗っていますがお隣の阿見町にあります。土浦駅から車で約15分。土浦竜ヶ崎線沿いで、土浦と阿見のちょうど境目にあります。土浦駅から向かうと「阿見町」の看板が目印。その看板の裏手の道沿いに「土浦冷蔵(株)」がありました。千葉にある東京の名を冠した施設ような存在と思ってご容赦くださいませ。

言い訳が長くなりすみませんが、ようやく「土浦冷蔵(株)」レポートです。

「土浦冷蔵(株)」は、「蔵元 純氷」の垂れ幕が目印。小さいながらインパクトのある佇まいです。

「土浦冷蔵(株)」の主体は市場や氷屋さんに氷を卸す製氷会社。お店の隣には大きな冷凍庫があり、かき氷の命ともいえる氷はこの冷凍庫で作られる純氷を使っています。ちなみに、氷は一般の人にも小売りしていて購入することもできます(ご希望の方はお店のスタッフまで)

店内には4つのテーブルが配され、外にもテラス席が2つあります。

店内の随所に飾られた絵は、店主である長谷川由香さんが描いたもの。一時期チョークアートにどっぷりとはまって教室に通いながら学んだそう。素人さんとは思えない画力です。

かき氷のメニューの絵も由香さんが描いています。見ているだけで楽しくなるし、ワクワクしてきました。取材に訪れたのは9月中旬でまだ夏メニューもたくさん。「土浦冷蔵(株)」は季節ごとにメニューが変わるので、シーズンごとに訪れるのも楽しいのです。

いくつかあるメニューの中で今回目に止まったのが「ぶどうまみれ」というかき氷。ネーミングがナイスすぎてどんな味か確認もせずにオーダーすることにしました。

ふわふわの氷・・・いったいどこまで削る気なの?

今回は特別に作っているところを覗かせてもらいました。かき氷を削る器械は粗めに削るタイプと薄く柔らかく削るタイプの2種類があって、好みで選ぶこともできますがメニューの特性も考えるとお任せで削ってもらうのが一番です。「ぶどうまみれはぶどうの食感を楽しんでほしいので、氷はふわっとしたほうがおいしいですよ」と由香さん。しゃりしゃりというよりもサラサラという表現がふさわしいような氷が器を覆い始めます。

氷を丸く調えたら、特性のミルクをまんべんなくかけます。

ミルクの上にこれまた手作りのカスタードクリームをトッピング。うぅ、これだけでもかなりおいしそう!

「ぶどうまみれ」のぶどうは、時期や日によって種類が異なります。訪れたその日はシャインマスカットと雄宝(ゆうほう)、天晴(あっぱれ)。写真にはありませんが、涼香(すずか)、クインニーナも加えた5種類のぶどうを使っています。

ブドウは阿見町に果物農園を構える「タケダファーム」から取り寄せているもの。1粒1粒がとても大きくてジューシーです。どうやったら大きさを分かってもらえるかなーと考えた末、店主の由香さんに持っていただくことにしました。どうですか、とっても大きいですよね。

かき氷の上にぶどうを惜しみなく載せていきます。

あれ? ぶどうの上にまた氷を載せている・・・しかも尋常じゃない山盛り・・・

山盛りを通り越して鬼盛り・・・由香さーん! ぶどうが遭難してしまってますよー!

わた飴を作るように丸く氷を調えていますが、もはやかき氷ではなくボウリングの球状態です。

またもやお手製ミルク登場! ボウリングの球から今度はミラーボールの様相に・・・

そうですよね、カスタードミルクもかけますよね。「ぶどうおいしそう!」と感動していたあの時間はいったいどこへ・・・

ひとり叫んでいるうちに、お皿が見えなくなるくらいのボリュームたっぷりの「ぶどうまみれ」が運ばれてきました。これだけ見ると「ちょいぶどう」ですが、あの行程を見てなぜにこの名が付いたのか分かりました。これは間違いなく「ぶどうまみれ」です。

またもや由香さんを基準に大きさを紹介するとこんな感じです。これで1400円(税込)はかなりお得です。「これでも小さい方なんですよ、うちのかき氷は700円くらいのメニューがメインで、大きさもこれよりもっと大きいです」と由香さん。え・・・これでも十分大きいですけど・・・。肝心の味はというと、あの特性のミルクとカスタードクリームがとてつもなくおいしく、表面はさくっとした氷はなかはふわふわでミルクとクリーム、ぶどうと合わさることでさらに格別な味わいに。

由香さんはもともとデザート作りが大好きで、かき氷を作るというよりもデザートを作るようにクリームなどにこだわっているそうです。

こちらの写真は秋メニューの一部。秋は、焦がしたメレンゲで表面を覆った「温氷(おんごおり)」という一番人気のメニューのほかに、やきいもやリンゴなども登場します。

かき氷愛好家のことを「ゴーラー」と言いますが、広告を出しているわけでもないのに全国各地からゴーラーが訪れているそうで、1日に7種類のかき氷を食べた強者ゴーラーもいたそう。

ゴーラーも認める製氷屋さんが営むかき氷屋さんは、秋も冬もオープンしています。温かいお茶と氷のマリアージュをお試しあれ。

店舗情報
住所:茨城県稲敷郡阿見町住吉2-2-1
電話番号:029-841-0025
営業時間:9:00~18:00
定休日:日曜・祝日(7~10月中旬までは無休)
ホームページ:なし
Instagram:tsuchiurareizou

土浦在住ライター(土浦市)

土浦市在住のフリーランスの編集・ライター。海外・国内の旅行関連のガイドブックや書籍制作をはじめ、ブライダル情報誌の編集にも携わる。食べること・飲むことが好きで、趣味が興じて最近では食を中心にWEB、紙媒体などで取材執筆活動中。地元土浦の飲食パトロール、歴史やカルチャー学習も積極的に行っています。

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