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NY金7日:小幅続伸、米早期利上げ観測の後退が下値サポート

小菅努マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト
(写真:アフロ)

NY金7日:小幅続伸、米早期利上げ観測の後退が下値サポート

COMEX金12月限 前日比2.30ドル高

始値 1,146.50ドル

高値 1,153.60ドル

安値 1,141.30ドル

終値 1,148.70ドル

特に目新しい材料は見当たらなかったが、米国の早期利上げ観測の後退が下値をサポートする展開が続いており、小幅続伸した。

アジアタイムからじり高の展開になり、前日高値1,151.00ドルを上抜いている。サンフランシスコ連銀のウィリアムズ総裁は改めて年内利上げを支持する考えを示したが、マーケットでは改めて早期利上げ観測を織り込むことに消極姿勢が目立ち、金相場は堅調地合を維持している。1,150ドル台では短期的な目標達成感から利食い売りが上値を圧迫し、ニューヨークタイム入り後には急落する場面も見られた。ただ、押し目での物色意欲も旺盛であり、小幅ながらプラス圏を維持して引けている。

国際通貨基金(IMF)は国際金融安定性報告書(GFSR)において、米国が利上げに踏み切る前提条件は「ほぼ整っている」との評価を下した。ただその一方で、その衝撃や政策ミスによっては世界経済が脱線するリスクも指摘しているが、マーケットの反応は限定的。同報告書は利上げ方針の伝達に際して「明確さと一貫性」が必要と訴えているが、特に米金融政策見通しに影響を及ぼす内容とは評価されていない。

引き続き利上げ着手時期の不透明感が強く、米金融当局者の発言や経済指標などから利上げ時期の特定を進めるための仕切り直しが迫られている。特に金相場が急伸するような必要性は見出せないが、これまで一方的に利上げ着手観測を織り込んできた地合が小休止状態に陥る中、売りポジション整理の動きが下値をサポートしている。現行の1,150ドル水準は、9月下旬に改めて年内利上げ観測を織り込み始めた当時の価格水準になる。

目先は8日引け後に公表される9月開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録が注目されるが、9月米雇用統計発表前の議論とあって、参考程度の評価に留まる可能性が高い。米金融政策見通しの不確実性を縮小していくための材料収集期間となる中、方向性に乏しい展開が続き易くなっている。

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マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト

1976年千葉県生まれ。筑波大学社会学類卒。商品先物会社の営業本部、ニューヨーク事務所駐在、調査部門責任者を経て、2016年にマーケットエッジ株式会社を設立、代表に就任。金融機関、商社、事業法人、メディア向けのレポート配信、講演、執筆などを行う。商品アナリスト。コモディティレポートの配信、寄稿、講演等のお問合せは、下記Official Siteより。

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