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ゴルフ界の混迷は、いつまで続く?PGAツアーはリブゴルフ対策の大改革を2024年は「さらに改革!」

舩越園子ゴルフジャーナリスト/武蔵丘短期大学・客員教授
(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 今季から大改革を敢行しているPGAツアーが、2024年からの「さらなる大改革」実施を決めたことが、米ゴルフウィーク誌によって一早く報じられ、選手や関係者をざわつかせている。

 今週のPGAツアーの大会は3月2日から5日に米フロリダ州オーランドのベイヒルクラブ&リゾートで開催されるアーノルド・パーマー招待だ。

 同大会は今季から開始されている賞金総額2000万ドル級の「格上げ大会」の1つだが、開幕前の2月28日に現地で開かれたPGAツアーの理事会では、2024年からの「格上げ大会」の大幅な見直し策が承認されたという。

 同誌によると、来年はメジャー4大会、プレーヤーズ選手権、プレーオフ・シリーズ以外の「格上げ大会」の出場人数が大幅に絞られ、予選落ちのない4日間72ホールの形式になる。

 新たな「格上げ大会」のエリート・フィールドは、70~78人ほどのスモール・フィールドとなる見込みで、2024年の出場資格は、前年(2023年)のBMW選手権に出場した50名とその大会開催時(2024年)のフェデックスカップ・ランキング上位者、その年(2024年)の「格上げ大会」以外の通常大会の優勝者、さらには、世界ランキングのトップ30以内でこれらの条件に該当していない選手も出場させる予定とされている。

 今年から開始されている「格上げ大会」は、リブゴルフへの対抗策として生み出されたもの。破格の賞金を用意することで「トッププレーヤーが必ず一堂に会する大会になる」ことが期待されており、発案者はタイガー・ウッズとローリー・マキロイだ。

 しかし、そのマキロイが「格上げ大会」の第1戦となったセントリー・トーナメント・オブ・チャンピオンズをいきなり欠場し、物議を醸すといった経緯があったことから、PGAツアーは早々に「格上げ大会」の見直しをはかったと見るのが妥当である。

 そして2024年からは、「通常大会」を3試合開催後に「格上げ大会」を2試合開催するという「3-2」パターンで年間のスケジュールが組まれ、通常大会の優勝者は全員、その後に続く「格上げ大会」に出場できることになる。

 同誌には「格上げ大会に求められているのはトッププレーヤーとホットプレーヤーだ」というPGAツアー関係者の肉声が記されており、「3-2」パターンを作った上で、勝利を挙げたホットな選手をタイムリーに「格上げ大会」へ導いていく作戦のようだ。

 ただし、気になる点もある。出場人数を半数に絞り、前述したように新たな出場資格を細かく規定しているというのに、「スポンサー推薦」の枠は依然、残されるという点だ。

 すでに米メディアからは「スポンサー推薦枠はタイガー・ウッズが出場したいと言ったときに使うためのものだ」という声が上がっており、他選手たちの今後の反応が少々気になる。

 そして、今年開始した改革を来年さらに改革することが、選手たちの混乱を招くのではないかという懸念もあるが、改革に次ぐ改革が選手たちのモチベーションをアップさせることに繋がってくれる可能性もある。

 だが、どちらに転ぶかは蓋を開けてみるまで誰にもわからず、PGAツアーの混迷は当分、続きそうである。

【この記事は、Yahoo!ニュース個人のテーマ支援記事です。オーサーが発案した記事テーマについて、一部執筆費用を負担しているものです。この活動は個人の発信者をサポート・応援する目的で行っています。】

ゴルフジャーナリスト/武蔵丘短期大学・客員教授

東京都出身。早稲田大学政経学部卒業。百貨店、広告代理店勤務を経て1989年に独立。1993年渡米後、25年間、在米ゴルフジャーナリストとして米ツアー選手と直に接しながら米国ゴルフの魅力を発信。選手のヒューマンな一面を独特の表現で綴る“舩越節”には根強いファンが多い。2019年からは日本が拠点。ゴルフジャーナリストとして多数の連載を持ち、執筆を続ける一方で、テレビ、ラジオ、講演、武蔵丘短期大学客員教授など活動範囲を広げている。ラジオ番組「舩越園子のゴルフコラム」四国放送、栃木放送、新潟放送、長崎放送などでネット中。GTPA(日本ゴルフトーナメント振興協会)理事。著書訳書多数。

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