前任期2年間で「三ツ星」を獲得した全24国会議員の名前
前任期最後の187臨時国会は、自民、公明に加え民主も「三ツ星議員」がゼロ
いよいよ、総選挙後初の通常国会が始まった。
NPO法人 万年野党では、2013年1月から6月の第182・183国会から国会ごとに国会議員の国会での活動データをまとめ、『国会議員三ツ星データブック』を発行してきた。
前回の第46回衆議院総選挙が行われたのが2012年12月であり、今回2014年12月に行われた第47回衆議院総選挙が行われるまで、衆議院の任期中のデータが国会ごとにまとまった事になる。
こうして積み重ねてきた三ツ星国会議員のデータを見ていく事で、今国会についても考えるきっかけにしてもらえればと思う。
図表1: 政党別三ツ星国会議員数の国会ごとの政党割合の推移
NPO法人 万年野党では、昨年末の解散まで行っていた187国会版の『国会議員三ツ星データブック』を発行する。
187国会版では、三ツ星議員がこれまでの4回で最も少なく衆参合わせてたったの6人となってしまった。
政党別に見ると最も多かったのが生活の2人(33.3%)、次いで維新、みんな、次世代、社民の1人(16.7%)となっている。特徴の一つは、これまで大きく占めていた最大野党の民主からはじめて一人も入らなかった事などが挙げられる。
三ツ星議員数の政党割合は、毎国会ごとに大きく異なるというのも面白い。
三ツ星国会議員経験者は、国会内に24人だけ
こうした中、NPO法人 万年野党が国会議員三ツ星評価を始めた182・183国会版から今回の187国会までの各回で、三ツ星を獲得した事のある国会議員は、衆議院20人、参議院4人の計24人しかいない。
これまでの4回の評価で、最も多い3回も三ツ星議員に輝いた議員が3人もいる。
大熊利昭 元衆議院議員(維新・東京2区・落)☆☆☆・☆☆☆・☆☆☆・-、畑浩治 元衆議院議員(生活・岩手2区・落)☆☆☆・☆☆・☆☆☆・☆☆☆、福島みずほ 参議院議員(社民・比例・現)-・☆☆☆・☆☆☆・☆☆☆
しかし、残念な事にこのうち2人の衆議院議員は、今回の総選挙で落選という結果になってしまった。
次いで、4回中2度三ツ星議員になったのが、次の7人だ。
小池政就 元衆議院議員(維新・静岡1区・落)☆☆☆・☆☆・☆☆☆・☆☆、重徳和彦 衆議院議員(維新・愛知12区・当)☆☆☆・☆☆☆・☆☆・☆、玉木雄一郎 衆議院議員(民主・香川2区・当)☆・☆☆☆・☆☆☆・☆、中島克仁 衆議院議員(民主・山梨1区・当)☆☆・☆☆・☆☆☆・☆☆☆、中根康浩 衆議院議員(民主・比東海・比例)☆☆・☆☆☆・☆☆☆・☆、柚木道義 衆議院議員(民主・岡山4区・比例)☆☆☆・☆☆☆・☆☆☆・☆、吉川元 衆議院議員(社民・大分2区・比例)☆・☆☆☆・☆☆☆・☆☆。
この他に、1回だが三ツ星議員に輝いた事があるのは以下の14人である。
赤嶺政賢 衆議院議員(共産・沖縄1区・当)☆☆☆・☆☆・☆☆・-、井坂信彦 衆議院議員(維新・兵庫1区・当)☆☆・-・☆☆☆・☆☆、今井雅人 衆議院議員(維新・岐阜4区・比例)☆☆☆・-・☆☆・☆☆、柿沢未途 衆議院議員(維新・東京15区・当)☆☆☆・-・☆・☆、後藤祐一 衆議院議員(民主・神奈川16区・当)☆☆・☆☆☆・☆☆・☆☆、桜内文城 元衆議院議員(次世代・愛媛4区・落)☆・☆☆・-・☆☆☆、篠原孝 衆議院議員(民主・長野1区・当)☆☆☆・-・☆・-、鈴木克昌 衆議院議員(民主・愛知14区・比例)☆☆・☆☆・-・☆☆☆、辻元清美 衆議院議員(民主・大阪10区・当)☆☆☆・-・☆・-、長妻昭 衆議院議員(民主・東京7区・当)☆☆・☆☆☆・☆☆・☆、村岡敏英 衆議院議員(維新・秋田3区・比例)☆・-・☆・☆☆☆、荒井広幸 参議院議員(改革・比例・現)☆☆☆・-・-・-、谷岡郁子 元参議院議員(み風・愛知・前)☆☆☆・-・-・-、中西健治 参議院議員(無所属・神奈川・現)☆☆☆・-・-・-。
この間、約2年に渡ってNPO法人 万年野党で調査をしてきた訳だが、是非、こうした国会の中で地道に活動をしている議員には、国民の皆さんからもスポットライトを当ててもらいたいと思う。
三ツ星議員は選挙にも強い?
NPO法人 万年野党が、国会議員の活動データから毎議会ごとにこうして三ツ星評価を行う様になって、今回、12月に初めて衆議院総選挙が行われた。
先に紹介した、この間2年間の間に行った三ツ星議員経験者の衆議院議員20人のうち、50%に当たる10人がこの今回の総選挙で選挙区当選した。比例当選も合わせると6人も増えその数は16人、全体の80%を占める。こうして考えると、国会内で活躍している議員が政治的には逆風の中でも選挙で評価される様になってきているとも言えるかもしれない。
こうした国会での活動データと選挙の関係についてもう少し見ていく事にしよう。
図表2: 三ツ星評価による☆獲得議員の総選挙結果
来月発行する『187国会版 国会議員三ツ星データブック』では、187国会での国会議員の活動データのみならず、衆議院に限ってだが、『総選挙版 国会議員三ツ星評価』も掲載する。前回の総選挙が行われてからの約2年間の任期の間、182国会から187国会までの国会での活動データについてもまとめ、三ツ星で評価したものをつけた。
この総選挙版の活動データを元に、今回の総選挙の結果を見ていこう。
まず現職だった全議員の選挙結果だが、もともと圧倒的に多かった自民の現職議員が圧勝した事も大きいが、今回の総選挙で現職議員の選挙結果を見ると、59.4%が選挙区で当選、さらに25.4%が比例当選と84.8%が当選している。
比較対象の一つとして、野党の現職議員の選挙結果についても見てみると、小選挙区で当選したのはわずか36.9%だった。
が、比例と合わせれば、あの逆風にも関わらず65.6%は現職が当選している。あらためて新規参入の難しさを感じる。この野党の選挙結果と☆獲得の結果は、極めて近い結果になっているのだが、そんな中、三ツ星国会議員だけは、とくに選挙区当選で自民・公明も含めた全議員の選挙結果59.4%と近い、58.3%と極めて高い小選挙区での当選確率になっている。
残念ながら、今回の選挙では、この任期中での評価で三ツ星だった議員12人のうち3人が落選となってしまった。
しかし一方で、NPO法人 万年野党のこの『国会議員三ツ星評価』で「三ツ星議員」に選ばれた事を大々的に選挙で使っている議員もいた。こうした国会の中で活躍しながらもメディアに取り上げられる事がないとなかなか国民の皆さんに知ってもらう機会がない。その意味でもこうして三ツ星評価をする事で、人知れず国民のためにと地道に活動している国会議員にスポットライトを当てると共に、少しでも多くの方に関心を持っていただくキッカケになればと思っている。
今国会でも、こうした「三ツ星国会議員」経験議員にも注目してもらうと共に、新たな「三ツ星国会議員」が生まれてくる事にも期待したい。