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【岸和田市】公諷庵の良さは大阪最古の能舞台だけでなく日本文化の美しさのコンセプトで食事が楽しめる所

Rainbowmommyライター・デザイナー(岸和田市)

岸和田城と岸和田市役所を背に、自泉会館の横の道を中に入っていくと

突き当り左側に、「杉江能楽堂」と書かれた看板が上がっており、その下には

「公諷庵」の木の表札がかかっております。

こちらは、大阪最古の能楽堂である「杉江能楽堂」を利活用し、能舞台を見ながらお食事が楽しめると人気のスポット「公諷庵 こうふうあん」。

中に入ると、見事な能の舞台を囲んで、ぐるりと客席が作られており、初めて入ると「おお!すごい」と、思わず声が出てしまう見事なロケーション。

大阪最古を謳う圧巻の能舞台の見応えはもちろん最高で、こちらの檜舞台で岸和田出身のアーティストのMV撮っていたねと、ローカルな話題も盛り上がります。

公諷庵の良さは檜舞台だけに非ず、大きな窓から見える庭の緑や

飾られた提灯や能面など、雰囲気もコンセプトにバッチリで、とても良い。ほかのお客様が多数いらっしゃったので写真には収められていない場所がたくさんありますが、木造の年季の入った建物の雰囲気に、様々な日本的装飾が日本の文化の根底にある「侘び寂び」の良さを感じます。

お昼のメニューは、

・ぶりしゃぶ御膳 2,000円
・黒毛和牛の豆乳しゃぶしゃぶ御膳 2,000円
・うなぎの柳川風御膳 2,000円
・杉江ポークの豆乳しゃぶしゃぶ御膳 1,800円
・天鴨せいろ御膳 1,800円
・手作り豆腐の湯豆腐御膳 1,500円

などがあり、5月からは「あんかけハンバーグ御膳」が始まるそうです。

こちらのランチ、なんとご飯のおかわりは自由との事で、たくさん食べる男性の方にも良いですね。

悩みながら、私は、ぶりしゃぶ御膳を注文。到着した御膳がこちら。良いですね。

ぶりしゃぶの出汁には、既に豆腐が入っており、お豆腐を楽しみながらぶりしゃぶも楽しめるとは、うれしさ2倍。

ぐつぐつ煮え立つ出汁の中に具材を入れて、煮えるのを待つ。

出来上がったぶりしゃぶ、身が柔らかく、ほろほろで美味しい。

そしてお豆腐も柔らかく口当たりまろやかでちゃんと美味しい。見た目だけ・なんてよくありますが、こちらはロケーション負けしていない味に満足です。

御膳には揚げ出し豆腐や湯葉なども一緒についていて、こちらもいわずもがなで美味しく、湯葉など単品で食べたいと思ってしまう程。メニュー構成がヘルシーで女性も嬉しいラインナップで感動します。

一緒に行った友人と子ども達は、「天鴨せいろ御膳」を注文。こちらも負けず劣らず美味しそうで目移りします。

頂きます!と言って入れたつゆの色の

こっくりとした濃い陰影のある色合いにうっとりしてしまいます。良い色艶していますね。

食事を堪能した後は、デザートでもと、メニューを見ると、「七輪で焼くぜんざいセット 1,000円」というものもあり、注文してみる。

ランチの注文の際は、300円でドリンクを付ける事もできるそうで、こちらも注文。

ホットコーヒーは、琥珀色のガラスのコーヒーカップに入って出てきて、こちらも店の雰囲気に合っていてとても良い。良いお料理屋さんは、味ももちろんですが、雰囲気に合った器の魅力というものもわかっていると思うのです。

そして、こういうレトロな雰囲気の場所は、やっぱり瓶のコーラが良く合う。日本家屋に瓶コーラの組み合わせは、なんて美しいんだろうと、自分的な美的感覚にマッチして嬉しい。

谷崎潤一郎の「陰翳礼讃」の世界観とでもいうのでしょうか。

コーヒーとかコーラなどの濃い焦茶色の半透明の液体とガラス素材の組み合わせが、ほの暗い日本家屋の中に差し込む外からの光を受けてうっすら光る様はとても美しい。

カフェタイムじゃなかったので頼みませんでしたが、レトロなクリームソーダなんかもあるようなので、ここでどんな風に輝くのか見てみたくて、今度注文してみたいと思ってしまいます。

そうこうしている内に、「七輪で焼くぜんざいセット」も到着。うん!七輪の感じも雰囲気良いです。

七輪でこんがり焼いたお餅をひっくり返すと、美味しそうな焦げ目が現れます。表面が少し割れてしまいましたが、この美しさ伝わりますでしょうか。香ばしい香りもたまりません。

一緒についているわらび餅の黒蜜も、こっくりとした濃い色が艶やかに光って美味しそうです。

たっぷり食事と会話を楽しんだ後、お会計のカウンターに行くと、カフェタイムの看板メニューのタルトやプリン、シフォンケーキがショーケースに並んでいます。持ち帰りも出来るようです。まずますカフェタイムに訪れてみたいと思ってしまいます。

それらのお菓子に合うような紅茶なんかも販売されています。自分たちで楽しんだ後、家族へのお土産にいいですね。

豆乳わらび餅や抹茶のニュードリンクを知らせるPOPもあり、昼と夜だけでない時間帯の利用も是非してみたいという欲求がぐんぐん高まりました。

はいからさん柄(矢絣)の袴の制服のお姉さんたちも可愛くて、檜舞台がある杉江能楽堂という歴史的建造物を有効活用した店全体のコンセプト造りは、とても素敵で楽しいです。

岸和田には、実はこういった場所がまだまだあると思うので、是非こういう素敵なお店創りをして頂くオーナーさんが増え、だんじり以外にも観光名所として栄えていってほしいと思います。

公諷庵
lunch 11:00~14:00 (13:30last order)
cafe 14:00~17:30(eat in ~16:30)
[定休日]5月より定休日廃止し月曜日も営業
※能イベント時は飲食停止
所在地: 〒596-0073 大阪府岸和田市岸城町6−10
電話番号: 072-447-6209
ご予約はお電話かInstagramのDMで承ります。

ライター・デザイナー(岸和田市)

2人目の子どもの出産と共に、梅田・心斎橋界隈より地元の大阪府岸和田市にUターン就職した事で、子供の目線から、世間一般の岸和田のイメージとは違う虹のように七色に輝く柔らかい岸和田を見つける事に楽しみを見出す日々。企業のインハウスデザイナーをしながら、デザインや写真撮影などを副業としています。

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