都道府県別で長年にわたる節分の日の恵方巻きの購入性向の変化をさぐる(2022年公開版)
節分の日に恵方を向き、無言で食べ切るとよいことが起きるとして、風習化の傾向がある恵方巻き。家計調査の公開値を基に、節分の日における恵方巻きの購入性向の変化を総務省統計局の定点調査「家計調査」の公開値を用い、都道府県別に確認する。
今回精査する品目は「すし(弁当)」。飲食店以外の持ち帰りのすし類が該当し、冷凍品は含まない。具体的にはにぎりずし、まきずし、いなりずし、ちらしずし、折詰ずしが例に挙げられているが、恵方巻きはこの品目に該当すると考えられる。
次に示すのは日次での支出金額の動向を直近の2021年とデータが取得可能な最古の2000年とで比較したもの。グラフの縦軸(支出金額)は両グラフで揃えている。
2000年の時点ですでに節分の日に恵方巻きを食べる風習がそれなりに浸透していたことは確認できるが、同時に直近の2021年と比べると金額は約1/3。地域的な広まり方か、世帯の割合かまではこの値からだけでは分からないが、少なくとも昔と比べ今の方が節分の日に恵方巻きを食べる風習がより一層浸透していることは明らかなようだ。
そこで都道府県別にて2000年と2021年それぞれの2月におけるすし(弁当)の支出金額を確認したのが次のグラフ(日次では都道府県別の調査は行われていない)。
商業的な戦略で「節分の日には恵方巻きを食べよう」的な話が展開されコンビニなどで積極的なセールスが展開されたのは前世紀末からとの話があるが、本格的な展開がされたのは今世紀に入ってからとの説もある(【ついに全国区デビュー!2月3日は「恵方巻き」】 【食卓の縁起に関する研究 I -恵方巻の受容とその背景- 】)。2000年の時点では大阪府を中心とした近畿地方で値が比較的大きなものとなっているが、直近の2021年では近畿地方と他地域との差はそれほど大きなものではなくなっているのが実情ではある。
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(注)グラフ中の「ppt」とは%ポイントを意味します。
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