宿題でも、スポーツでも、パソコンが必要に。米国子どものスポーツ事情
小学生でも宿題をするためにパソコンが必要
先月、舞田敏彦氏が若者のデジタル端末の所有率の国際比較表を作成し、ブログ上で発表された。
舞田氏作成の国際比較表によると米国の13~15歳のデジタル端末所有率は、タブレット端末が38.7%、ノートパソコン64.7%、デスクトップパソコンが47.2%。
携帯・スマホは日本のほうが所有率は高いが、それ以外の端末では米国のほうが日本よりも所有率が高いことが分かる。
米国では、なぜ、日本よりもノートパソコン、デスクトップの所有率が高いのか。それは学校の宿題をするのに必要であるからだろう。
小学1年生でも、担任の先生から指定されたソフトウェアにアクセスし、宿題をすることがある。小学生が多読したり、読解力を養ったりする宿題の一部もパソコンを使用する。
自宅にコンピューターやネット環境がない場合は、公共図書館や学校のパソコンを利用するが、一般的な中流家庭では、宿題で必要となれば家計からねん出して子どもの学習用にパソコンを購入することになるのではないか。
子どものスポーツでも
コンピューターやスマホといったスクリーン漬けにならないように、子どもにスポーツをさせたいと考える大人も多いはず。
しかし、米国では子どものスポーツの場でもパソコンやデジタル端末を技術習得に活かそうという動きが盛んだ。
USAホッケーでは、ゲームでの状況判断力を養うためにソフトウェアを使ったトレーニングを導入している。パイロット養成用のソフトウェアなどを製作していた会社とUSAホッケーのコラボレーションによって作られた。
アイスホッケーでは、スピードある試合の流れのなかで、どのタイミングで誰にパスを出すか、それともシュートをするのかといった判断を瞬時に行わなければならない。このソフトウェアはアローキーを操作して(左利き設定もある)、パスやシュートをするなど、テレビゲームと同じように楽しむことができる。USA Hockey
USAホッケーでは、2009年からU-18、U-17の米国代表選手が使用。8週間ほどで効果が出てきて、前年度に比べて選手の得点数、アシスト数が平均で42%増えたという。有料のソフトウェアではあるが、指導者講習でも紹介されており、現在では1万人以上のユーザーがいるそうだ。
指導者側のメリットとして、ソフトウェアによるトレーニングは選手が個人の自宅でできるため、付き添わなくてもよいことも挙げられている。
バスケットボールでも
アイスホッケーだけでなく、バスケットボールでも同様のソフトウェアが開発されている。
IntelliGymというもので、06年から強豪大学バスケットボール部が取り入れるようになった。当初は大学生用に作られていたが、今では12歳から使えるようになっている。料金は月に9ドルから。
指導者の負担が少なく、デジタル端末を使い慣れた若い選手たちにはよいトレーニング法のひとつであるかもしれない。ソフトウェアを使った学校の宿題と同様に、指導者が選手たちのトレーニング結果を一元管理することもできる。
米国の学校内に学習ソフトウェアが入ってきているのと同様に、子どものスポーツもテクノロジーの大きな市場とみなされているようだ。