【沼津市】沼津鳶職組合の新年梯子乗り 市内で挨拶廻り
2025年1月6日(月)、沼津鳶職組合による「新年梯子乗り 挨拶廻り」が、沼津市内の各所で行われました。この行事は、鳶職人たちが新年の挨拶とともに梯子乗りを披露するもので、沼津鳶職組合では昭和44年(1969年)から毎年行っています。
長谷寺から始まる挨拶廻り
最初の訪問先は千本緑町の長谷寺です。技の披露の前に本堂での法要と、全員揃っての安全祈願が行われました。天気予報に反して朝から降り出した小雨の中、21尺(約6.3メートル)の梯子が12本の鳶口で支えられる中、職人たちが技を披露しました。
沼津市役所での梯子乗り披露
沼津市役所では、仕事始めを迎えた頼重秀一市長や職員、市役所を訪れた人々が技の披露を見守りました。
一般公募から参加した高校2年生の菅野さんは、親子で技の披露を行いました。「伝統芸能を次の世代に伝えていきたい」との思いで参加しているそうです。
また、今回初めて梯子乗りに挑戦した白岩沙恵さんは、「鳶職になったことで、伝統芸能を後世に伝え、より多くの人に知ってもらいたいと感じるようになりました。今日は今の自分の力を出し切れたと思うので、これからも技を磨いていきたいです」と話しました。二十歳の力強い言葉が、とても頼もしく感じられました。
梯子乗りの由来
梯子乗りは、鳶職人が作業前の準備運動として梯子にのったことに由来します。最初に行ったのは江戸にいた「加賀鳶」だといわれています。ある時、上野・池之端付近で火災が発生したとの報せを受けて出動しましたが、火の手が見えず、持参した梯子を立てて火の見櫓の代わりとしました。このとき、遠くを見渡すために小手をかざした姿勢が、後に「高見」と呼ばれる芸の原点になったとされています。(報道機関に配布された参考資料「鳶伝統文化教本」の一節を要約』「自分たちの姿を格好良く見せたいという思いから、いろんな技が生まれたんだと思いますよ」と、組合長の西山さんが教えてくれました。
新年の安全を願って
鳶職人は、高所作業の専門職として建設現場でも重要な役割を担っています。新年の梯子乗りは、そうした彼らの技術を披露するとともに、安全を祈願する場とも言えます。2025年もまた、無事な一年になるよう願いを込められた1日でした。
法要と梯子乗りが行われた長谷寺
沼津市千本緑町1-5
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