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【韓国雑学】JIN(BTS)除隊で改めて話題!兵役義務の基礎知識|免除されるのはどんな人?

西嶋広美翻訳者(韓国語)/フリーライター
軍隊のイメージ画像

去る6月12日、K-POPボーイズグループBTS(防弾少年団)のメンバー、JIN(ジン/31/本名:キム・ソクジン)さんが兵役義務を終え、除隊しました。兵役中の他メンバーも休暇を取ってJINさんを出迎えたシーンが話題にもなりました。

BTSは、兵役免除もささやかれていましたが、現在は全メンバー(上記のとおり、JINさんは除隊済み)が兵役に就いています。
※SUGA(シュガ/31/本名:ミン・ユンギ)さんは社会服務要員(公益ともいう)として入隊

今回は芸能人の軍隊事情を含め、韓国の徴兵制に関する基礎をお伝えします。

■そもそも兵役はなぜあるの?対象は?

韓国で兵役があるのは、1950年6月25日に始まった朝鮮戦争が休戦状態にあるからだといわれます。つまり、戦争が終わっているわけではないのです。

兵役法によると、原則、満18歳(徴兵検査対象者)~28歳の健康な男性に兵役義務が課されます。軍の種類には「陸軍」、「海軍」、「空軍」、「海兵隊」があり、基本的にはいずれかに入隊することになります。入隊期間は、陸軍と海兵隊が18カ月(1年6カ月)、海軍が20カ月(1年8カ月)、空軍が21カ月(1年9カ月)です(※2024年6月現在)。

徴兵検査(現 兵役判定検査)対象者は、健康状態や精神状態を診る検査を受け、1~7級の等級に分類されます。そこで1~3級が現役兵として入隊します。

軍隊のイメージ画像
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入隊する年齢は一般的には満20歳からですが、特に大衆芸術の優秀者やスポーツ選手などは、入隊する期限を30歳になる年の年末まで延長することが可能です。芸能人であれば人気絶頂に値する時期であり、スポーツ選手においては選手生命に関わるわけですから、延長するケースは多い印象です。

→海兵隊と陸軍の特殊部隊は英雄

「海兵隊」は韓国の軍隊のなかでも訓練が厳しいことで有名で、そこに所属すると“英雄視”されることがあるようです。芸能人では俳優のヒョンビンさんが代表的な海兵隊出身者として知られています。また、陸軍の特殊部隊「特殊戦司令部」も、優秀な現役兵=エリートぞろいだそうで、芸能人では俳優のイ・スンギさんが属していました。

■芸能人入隊のニュースでたまに聞く「社会服務要員」とは

社会服務要員(しゃかいふくむよういん)」は代替服務の一部で、徴兵検査で補充役処分(4級等級)を受けた人が対象となります。

芸能人の入隊のニュースなどで耳にしたことがあるかもしれませんが、けがや持病などが理由で現役兵としては任務が難しい場合に社会福祉施設や医療機関、教育機関、交通機関、行政などの公共機関で働くことになります。

■「兵役免除」について

オリンピックなどの国際大会でメダルを獲得したスポーツ選手(アジア大会は1位のみ)やピアノなどの音楽における国際コンクールで入賞した音楽家は、入隊が免除されます。2002年に開催されたサッカーW杯(日韓開催)でベスト4入りしたメンバーも兵役が免除され、注目された特例です。

→BTSの兵役問題騒動

BTSの入隊延期(免除)をめぐっては、たびたび議論が起こりました。世界的な人気と業績から兵役特例や代替服務を望む声と、兵役は誰もが公平でなければならないとする意見が飛び交い、国会でも兵役法改定が論議されていたことは記憶に新しいところです。

BTSが世界的に活躍したと見られるのには、米ビルボードのメインチャートで1位を獲得、音盤販売数やミュージックビデオ(MV)の閲覧数、SNS活動、米グラミー賞にアジア人歌手として初のノミネート(最優秀ポップ・デュオ/グループ・パフォーマンス部門)、国際連合総会での演説など、さまざまな功績が挙げられています。

BTSの7人が除隊し、再び全メンバーがそろうのは2025年6月21日の予定で、その後の活躍にも期待は高まるばかりです。

18億回以上再生されたBTS(防弾少年団)の大ヒット曲「Dynamite」Official MV

日本にはない制度(義務)なので、私(筆者)も学生時代、大学の同級生の男子が入隊すると聞いたときは、慣れない感覚がありました。大学時代に入隊する場合は休学することになるので、女子大生にとって、同級生の男子が年上であることは珍しくありません。入隊した友人と手紙のやり取りをしていたことも懐かしく感じます。

翻訳者(韓国語)/フリーライター

小学生の頃から韓国が大好き!“韓国歴”は30年以上。神田外語大学韓国語学科卒(在学中「韓国外国語大学校」に交換留学)。大学卒業後は約18年間に渡り、韓流ポータルサイトのニュース記事(芸能・政治・経済・社会・スポーツ・北朝鮮)翻訳&コンテンツ企画業務に従事。インタビューや取材記事なども多数執筆。現在はフリーランスの翻訳者&執筆家(writer)として活動しています。

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