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全米オープン5日目現地リポート:クルム伊達、復帰後初のグランドスラムダブルス3回戦へ

内田暁フリーランスライター
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クルム伊達公子の今大会のダブルスパートナーは、全仏、そしてウィンブルドンに続きザハロワ-ストリコワ。クルム伊達が「お互いに引き上げあい、良いところを引き出し合えるパートナー」と、全幅の信頼を寄せる相棒です。

2回戦の対戦相手であるチャン姉妹(台湾)は、今大会の第14シード。長身でネットプレーを得意とする妹と、強烈なストローク力を持つ姉のコンビネーションを武器に、初戦を勝ち上がって来ました。

その相手にクルム伊達たちは、リターンゲームでロブを効果的に用いて、序盤から主導権を握ります。ストロークでゲームを作らせるのではなく、ダブルポーチで空中戦に持ち込まんとするクルム伊達とストリコワ。そのプレーが最も生きたのが、第1セット3-3の相手ゲームでした。伊達とストリコワ両者共にロブリターンを用いて、相手のリズムを崩します。ブレークポイントでは、ストリコワがロブリターンからネットダッシュ。ネット際の攻防に持ち込むと、最後は伊達がボールに飛びつくアクロバティックなボレーで、ブレークをもぎ取りました。

第2セットでも、「ロブやダウンザラインを使いながら、前衛の動きを止める」という伊達たちの作戦が効果的に決まります。2-1からブレークで抜けだすと、4-2の伊達のサービスゲームではブレークポイントを凌いでキープ。ここで得た勢いを次のゲームに持ちこみ、速い展開でポイントを重ねてマッチポイントまで走ります。最後は、伊達がフォアのリターンを相手コート中央に豪快に叩きこんで、63,62で快勝を収めました。

今回の3回戦進出は、今季のグランドスラムでは最高成績。「全仏やウィンブルドンでは、自分たちはもっとできるはずという、悔しい思いをしてきた。今大会こそはという気持ちは強い」とクルム伊達。まだまだ、こんなところでは満足していません。

※テニス専門誌『スマッシュ』facebookより転載。

この他にも、伊藤竜馬らの試合の模様も。大会期間中は、毎日レポートを掲載しています

フリーランスライター

編集プロダクション勤務を経て、2004年にフリーランスのライターに。ロサンゼルス在住時代に、テニスや総合格闘技、アメリカンフットボール等の取材を開始。2008年に帰国後はテニスを中心に取材し、テニス専門誌『スマッシュ』や、『スポーツナビ』『スポルティーバ』等のネット媒体に寄稿。その他、科学情報の取材/執筆も行う。近著に、錦織圭の幼少期から2015年全米OPまでの足跡をつづった『錦織圭 リターンゲーム:世界に挑む9387日の軌跡』(学研プラス)や、アスリートのパフォーマンスを神経科学(脳科学)の見地から分析する『勝てる脳、負ける脳 一流アスリートの脳内で起きていること』(集英社)がある。

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