“青汁王子”が森友事件舞台の国有地でシングルマザーに100万円をサプライズ贈呈
“青汁王子”が森友事件の震源地に見参
青汁通販で巨額の財を築き“青汁王子”の異名でもてはやされた三崎優太さん(30)。1億8000万円の脱税で逮捕・起訴され人生が暗転します。彼は有罪判決を受けた後、森友事件と佐川宣寿元国税庁長官の責任を追及する動画を公開。抽選で180人に100万円ずつ、総額1億8000万円を“贖罪寄付”するという奇想天外の行動でネット上の注目を集めています。
その彼が、事件の発端となった大阪・豊中市内の国有地を訪れました。因縁の土地で起きたハプニングをご紹介します。
国有地に真っ先に駆けつけた応募者に100万円!
国が8億円も値引きして森友学園に売り払った豊中市内の国有地。ここに森友学園の小学校が開設されるはずでした。初めて訪れた“青汁王子”は「立派な校舎が建っているじゃないですか。ここが森友問題の原点ですよね」と、しばし感慨にふけります。
彼はここで、100万円の当選者の一人に直接現金を手渡し、その様子を撮影してユーチューブで配信しようと考えていました。そのために動画で姿を出してもいいという当選者をあらかじめ探していたのですが、いざ撮影となると、当選者の男性は顔を出すことにためらいを示しました。両者は結局折り合わず、この男性への贈呈は見送られました。では、王子が持ってきた100万円の札束はどうなる?
ここで“青汁王子”はネット上の超有名人ならではの行動を見せました。いきなり自分のスマホを取り出し、ライブ配信を始めて呼びかけたのです。
「今、問題になった豊中市の国有地の前にいます。ここで当選者に100万円を手渡そうと思ったんだけど、顔が出せないということで、彼は落選になりました。代わりにこの100万円を受け取る人を募集します。応募条件を満たしている人で、今すぐにここに来られる方に、この場で100万円お渡しします!」
“青汁王子”の圧倒的な拡散力
100万円の応募方法は、“青汁王子”のツイッターをフォローし、メッセージ動画を見て、リツイートして拡散に協力する、それだけが条件です。インスタグラムからも同じようにして応募できました。ただし、いずれもすでに締め切られています。
“青汁王子”のツイッターはフォロワーが126万人、インスタのフォロワーも100万人に達しています。ものすごい拡散力。これも今回の1億8000万円の提供表明後にフォロワーが激増したためです。ライブ配信の呼びかけはすぐさま成果を見せ、若者を中心に次々に駆けつけてきました。
真っ先に駆けつけたのはラウンジ経営の23歳男性
真っ先に車で駆けつけたのは豊中市在住のマサト(23)。2か所でラウンジを経営しているといいます。
「俺、三崎さんをフォローしてますよ」とアピールするマサトに“青汁王子”こと三崎さんは「ツイッターを見せて。リツイートしてる?」
ところが残念。マサトは確かに“青汁王子”をフォローしてたけど、リツイートしていませんでした。応募条件をよくわかっていなかったようです。
「え~、俺、一番に駆けつけたのに」とこぼすマサトに「確かに一番だけど、応募条件を満たしていないから。そこは公平にきちんとやりたいから」と王子。
するとマサトはあっさり引き下がり、代わりに「じゃあ配信で店の宣伝してもいいっすか?」
一連の状況を後日ユーチューブで配信するため、王子の仲間が動画で撮影していたのです。マサトの願いに「いいよ」と気前よく応じる王子。そこでマサト「江坂(大阪府吹田市)のクラブ・ジョーカー、ぜひみんな遊びに来て下さい。あと系列で豊中にクラブ・ジャスティスあるんで、そちらの方も来て下さい。お願いします!」
100万円をもらいそびれても、あくまで明るいマサトでした。
100万円当選者は1歳児を育てるシングルマザー
王子とマサトがやり取りしているさなかに自転車で1人の女性が駆けつけてきました。
王子)応募者の方ですか?
女性)はい。ライブ配信を見て大急ぎで来ました。
王子)ツイッターでリツイートか、インスタでタグ付けしてます?
女性)両方やってます!
スマホの画面で、どちらもしていることが確認できました。
王子)ほんとだ、してる。素晴らしい。おめでとうございます。あなたが当選者です!
女性)ほんとに~!?
当選者の名前はマキさん。国有地に建つ小学校の校舎をバックに、帯封が付いたままの100万円の札束をマキさんに手渡す“青汁王子”。記念撮影が終わったところでインタビューです。
相澤)100万円、どんな感じですか?
マキ)いやもう、初めて触りました。もう、めっちゃ手ふるえて感動です。こんなリアルと思ってなかったので、感謝の気持ちでいっぱいです。
相澤)ライブ配信見て飛んできたの?
マキ)はい、もうすぐ飛んできました。
相澤)自転車ですよね?すぐ近くなんですか?
マキ)いや、15分くらい。弾丸で来ました。
王子)すごい。ライブ配信してから5分くらいで来た。
マキ)いや、もうほんとに。
相澤)このお金は何のために使います?
マキ)わたし離婚してるんで、1歳の娘と実家に暮らしてるんで、自立するために、家族のために使いたいと思います。
“青汁王子”は図らずもシングルマザーの自立支援のために100万円を渡す形になりました。
子どもでもわかる森友事件のおかしさ
森友事件とは何でしょう?単純です。9億円の価値がある土地を国が8億円も値引きして、たった1億3400万円で森友学園に売り払ったこと。値引きの根拠がないことはほぼ明らかになっています。こんなこと、誰がどう考えたって、小学生だって「おかしい」とわかります。なのに政府はいまだに「おかしくない」と言い張っています。
さらに、この土地に建つ予定だった小学校の名誉校長は、安倍昭恵さんでした。そう、安倍首相の妻です。これが値引きと無関係だなんて、信じられますか?
そして、土地取引のいきさつを記した文書を国会で「ない」と言い張り、その裏で都合の悪い部分を書き換えさせる、つまり「公文書の改ざん」をさせていたのが、当時財務省の理財局長だった佐川宣寿氏です。彼はその後国税庁長官になり、彼が長官の時に“青汁王子”は脱税で摘発されました。
自分は脱税で有罪に。なのに佐川氏は何の罪にも問われない。そして10月から消費税が10%に増税。「そんなのおかしいだろう!」と世の中に訴えるため、“青汁王子”は動画を公開し、見て応募した人180人に100万円ずつ、総額1億8000万円の私財を配ることにしたのです。
彼の訴えは確実に若い世代に広がりつつあるようです。
【執筆・相澤冬樹】