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<ガンバ大阪>大分トリニータに逆転勝ち。2連勝を飾る。

高村美砂フリーランス・スポーツライター

久しぶりに4395人のサポーターを迎え、その『拍手』に背中を押されてキックオフを迎えた大分トリニータ戦。ガンバ大阪は、立ち上がりから攻撃が躍動。お互いの距離感もよく、テンポのある攻撃で大分ゴールに迫る。だが、先制したのは大分。それまでも何度か右サイドのMF田中達也に裏のスペースを狙われていたが、33分にも一瞬の隙を突かれてクロスボールをあげられ、それを頭であわせたFW渡大生にゴールを許してしまう。だがその4分後、MF小野瀬康介のプレーが相手ファウルを誘い、PKを獲得。それをエースFW宇佐美がきっちりと決めて、すぐさま試合を振り出しに戻す。後半も立ち上がりからガンバが攻勢に。48分には前線からのハイプレスによってFW宇佐美が右サイドでボールを奪うとすぐさま攻撃に転じて中央のFWアデミウソンへ絶妙なパス。それをFWアデミウソンが確実に決めて逆転に成功する。その後も追加点を目指したものの得点は生まれず、やや押し込まれた終盤もしっかりと耐え切って2-1で勝利した。試合後の選手コメントをお届けする。

●FW宇佐美貴史

(PKもらった瞬間にすぐにキッカーに立ちました。自分が打つと決めていたのでしょうか)そうですね。とりあえず、自分に1つ目のゴールが生まれないと、流れがなかなか生まれてこないタイプだし、大阪ダービーの時にアデ(アデミウソン)に蹴っていいよ、という感じで譲っていたので、今回は逆にアデに蹴らせてとって言ったら、いいよって言ってくれたので蹴りました。(ゴールの右上、ボールスピード、コースともに素晴らしい弾道のシュートでしたが、あそこを狙うことは決めていましたか)よくシュート練習の流れで、ああいうPK練習をした時にあそこに蹴っているし、GKに動けばまた違う方を、いう感じで、自分がイニシアチブをとって蹴ることを意識していて、うまく決められたかなと思います。(前線からのハイプレスからボールを奪ってアデミウソンにつなげたアシストのシーンについては?)試合前からあまりプレスにいきすぎると、相手の狙いとしているサッカーがやりやすくなってしまうということはみんなで話していたし、基本的にはボールをもたせても怖くなかったので、持たせても大丈夫なところまでは持たせて、自分たちが守っているゾーンまできたときにしっかり潰すという意識でやっていましたし、それはうまくはまっていた中で「ボールを奪って早く攻める」という今年のテーマにしているところが出て、PKを譲ってくれたアデに対してアシストができたのはよかったのかなと思います。(前線からのハイプレスは狙っていたと思いますが)そうですね。前から守備をするというのはFWに凄く求められているところだし、ただ、まずは自分がスイッチになるというか…2トップでなかなか奪い切るというのはできないからこそ、後ろが奪いやすいように限定する守備を凄く求められていたし、あの場面に関しては…大分のあのポジションに経験が浅い選手が出るということは情報としてもっていたので、なるべくそういう経験が浅い選手の方からビルドアップさせるように、と狙いを持っていました。その中で、チームとしての狙いがうまくハマり、それがたまたま自分の守備のところから形になったという感じだと思います。(これまでの戦いを踏まえて、アデミウソン選手との関係性で意識したこと、修正できた点は?)なるべく近くで、遠くに離れすぎないようにプレーしようというのはいつも意識しているし、基本的にはアデに真はん中にいてもらって、自分は降りすぎずに彼の周りをシャドーとして動くということをイメージしていました。今日は裕二(小野)がアデの近くに行ったり、裕二とのポジションチェンジだったり、そこに陽介(井手口)も絡んできて常にアデを孤立させないような動きをしてくれていたので、攻撃にいくときにすごくボールに触りやすかった。ボールを触りながらリズムを作りながら、しっかり前で仕留めるプレーをもっともっと、できるようになっていければと思います。単純にアデとの関係だけでもまだまだゴールシーンを作っていくことはできると思うのでもっともっと良くしていきたいと思います。

●FWアデミウソン

(ご自身のゴールが決勝点になりました。振り返ってください)チーム全体でプレスをかける意識があって、1点目のPKもらったシーンもそうでしたが、前がかりにプレスをかけていた中で、僕のゴールシーンもチーム全体で前線でプレスをかけ、貴史がスライディングでいい形でボールを奪っていいボールを入れてくれた。そういう意味では、チームみんなでとれたゴールだと思っています。(攻撃についてよかったところは?)今日の試合は、前線も、チーム全体としても、運動量が上がったゲームだったと思います。それによってボールが動くようになり貴史(宇佐美)や僕のいる前線にボールがたくさん入って来たのはよかったと思います。(大分の堅い守備の相手をこじあけるにあたっては、FWの個人の力がポイントになったと思います)今日の勝利は、僕たち前線、FWの僕と貴史の二人の力だけじゃないと思います。ゴールシーンもですが、PKをとったシーンも、大分はすごく中をがっちりしめてスペースがない中で、そこに僕たちがいるだけではなかなかチャンスはなかったと思います。ですが中盤の選手…康介(小野瀬)だったり、陽介(井手口)だったりが、あそこにいい距離感で入ってきてくれたのでああいうチャンスにつながったと思います。

フリーランス・スポーツライター

雑誌社勤務を経て、98年よりフリーライターに。現在は、関西サッカー界を中心に活動する。ガンバ大阪やヴィッセル神戸の取材がメイン。著書『ガンバ大阪30年のものがたり』。

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