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マイカー、マイホーム、リタイア…新社会人の人生設計を探る

不破雷蔵「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者
↑ マイホーム所有は夢であり人生の節目ではあるが……

人生にはさまざま節目があるが、その一つが新社会人としての企業への就業。その後経るであろう住宅の購入や結婚、さらにはリタイア(生活)などの人生の節目にも大きな影響を与える、重要なポイントに他ならない。それでは就業を果たしたばかりの新社会人たちは、今後やってくるであろう人生の節目を、何歳ぐらいで果たしたいと考えているのだろうか。ソニー生命保険が2015年4月に発表した、新社会人に対して行った意識調査「社会人1年目と2年目の意識調査2015」から、マイカー、マイホーム、リタイア生活の3つに絞り、確認していくことにする。

まずはマイカー、自家用車。「若者の自動車離れ」なる言葉が語られる昨今、どれほどの人たちが自動車購入を望んでいるのか。

↑ マイカー購入を何歳頃までにしたいと考え、計画を立てているか(単一)(2015年)
↑ マイカー購入を何歳頃までにしたいと考え、計画を立てているか(単一)(2015年)

具体的な年齢計画をしていない人まで含め、自動車購入を考えている人・すでに持っている人は男性8割強、女性8割近く。あくまでも全体としての値となるが、必要性を考慮すれば大体この程度だろう。

すでに購入している人は女性の方が多いが、非購入者で購入希望者は全部を合わせると男性の方が多い。特に25歳から29歳までの間に欲しいと考えている人は、男女間で10.6%ポイントもの差を示している。20代のうちに購入したい人は男性で4割、女性で3割強。一方で「何歳までに購入」との具体的指針を持たないものの、自動車は欲しいと考えている人は男女ともに2割近くに達している。

次いでマイホーム。

↑ マイホーム購入を何歳頃までにしたいと考え、計画を立てているか(単一)(2015年)
↑ マイホーム購入を何歳頃までにしたいと考え、計画を立てているか(単一)(2015年)

自動車とは額面のケタが違う買い物なので、購入派もボリュームゾーンの世代はずれこんで30代となっている。全般的な動きとしては、女性は若いうちに、男性はある程度歳を取ってから住宅を購入したいと考えるようだ。また具体的な時期を定めずに「マイホームが欲しい」と思う割合は女性の方が多い。男性が3割足らずなのに対し、女性は3割を超えている。

最後にリタイア計画。これは単純な定年退職後の「第二の人生」の他、早期退職による若年寄的なライフスタイルへのシフトをも指している。

↑ リタイア生活を何歳頃までにしたいと考え、計画を立てているか(単一)(2015年)
↑ リタイア生活を何歳頃までにしたいと考え、計画を立てているか(単一)(2015年)

現在就業中の新社会人を対象とした調査なので、論理的に「既にリタイアしている」の回答はありえず、当然ゼロ。しかしその一方で、24歳までにリタイア生活に入りたい、そのための計画を立てている人が男性で2.6%、女性では1.0%もいるのには驚く。ただし大勢としてはやはり定年退職を迎える時期、60代に入ってからで、回答率はグンと伸びる。またリタイアはしたいがいつかは分からず計画を立てているわけでは無いとする、憧れ的なリタイヤ生活希望者は男女とも3割強に登る。

他方、リタイア生活はしたくない、一生職に就きたいとする人も1割強ほどいる。生活の上で働き続ける必要があると考えているのか、やりがいのある仕事なので一生働き続けたいと思っているのか、今件の回答からのみでは判断できないものの、男女とも一定数「生涯現役」を望む人がいることは間違いない。

今回の3項目について具体的に計画を立てている人に絞り、その平均値を算出したのが次のグラフ。男女差がほとんど出ない結果となった。

↑ マイカー購入/マイホーム購入/リタイア生活を何歳頃までにしたいと考え、計画を立てているか(計画を立てている人の平均、歳)(2015年)
↑ マイカー購入/マイホーム購入/リタイア生活を何歳頃までにしたいと考え、計画を立てているか(計画を立てている人の平均、歳)(2015年)

マイカーは30歳位、マイホームは36~37歳位、そしてリタイア生活は60歳位。今件はあくまでも新社会人によるプランの平均値だが、一つの参考値として覚えておいて損はあるまい。

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「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

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