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W杯3大会主将が日本代表コーチに。長谷部誠のサプライズ人事は何をもたらす? #専門家のまとめ

元川悦子スポーツジャーナリスト
ユーロ2024の会場で密談する日本代表の森保一監督と長谷部誠氏(写真:アフロ)

昨季限りで現役を引退し、フランクフルトU-21コーチとして指導者としての一歩を踏み出した長谷部誠氏。9月からスタートする2026年北中米W杯アジア最終予選から彼が日本代表コーチを兼務することになった。長谷部コーチはいかにして誕生したのか?今後、どのような効果をもたらすのか?それを深掘りしてみた。

ココがポイント

▼8月29日の記者会見で山本昌邦NDがサプライズ人事を説明

▼2022年カタールW杯直前の9月の欧州遠征でも臨時コーチとして参加。森保監督は今回の”青田買い”の布石を打っていた

2年前の長谷部合流効果は絶大。今後も選手目線を持って1人1人に寄り添いながら自身の高度な経験を伝えてくれるはずだ

日本代表DF長友が長谷部との再開に感激「うれしくて抱きついた」(スポニチアネックス)

▼現役を退いた元日本代表選手をいち早く代表スタッフに登用するという試みは、反町康治前技術委員長時代に設けられた「ロールモデルコーチ」が始まりだった

エキスパートの補足・見解

現役を退いたばかりの長谷部誠氏がフランクフルトと日本代表を行き来しながら、選手の指導に携わるというのは非常に大きなメリットがあるだろう。実際、日本代表は2018年ロシア・2022年カタールの両W杯最終予選初戦で苦杯を喫し、そこから紆余曲折を強いられた。選手たちは凄まじい重圧を感じながら戦い、本大会切符をつかんでいる。その修羅場を実際に経験した長谷部氏がいることで、キャプテン・遠藤航(リバプール)ら主要選手たちは安心感を覚えるだろうし、いざという時に相談もできるはず。長谷部コーチ自身も代表に携われることで高度な指導経験を蓄積できる。将来の代表監督候補には大きな飛躍を遂げてほしいものである。

スポーツジャーナリスト

1967年長野県松本市生まれ。千葉大学法経学部卒業後、業界紙、夕刊紙記者を経て、94年からフリーに。日本代表は非公開練習でもせっせと通って選手のコメントを取り、アウェー戦も全て現地取材している。ワールドカップは94年アメリカ大会から7回連続で現地へ赴いた。近年は他の競技や環境・インフラなどの取材も手掛ける。

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