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日本代表にとって”鬼門”のW杯最終予選初戦。難敵・中国と対峙する今回は大丈夫か? #専門家のまとめ

元川悦子スポーツジャーナリスト
2021年9月のオマーン戦でまさかの苦杯を喫した日本代表(写真:森田直樹/アフロスポーツ)

9月5日から幕を開ける2026年北中米ワールドカップ(W杯)アジア最終予選。しかしながら、日本は毎回のように初戦で壁にぶつかっている。今回は難敵・中国と対峙するが、果たして白星発進できるのか。過去のW杯最終予選初戦の歴史を紐解きつつ、重要なポイントを探ってみた。

ココがポイント

▼2022年カタールW杯最終予選初戦・オマーン戦は終盤に一撃を浴び、まさかの0-1の敗戦。最悪のスタートを強いられた

▼2016年9月の2018年ロシアW杯最終予選初戦・UAE戦も本田圭佑が先制したものの、浅野拓磨のゴールが取り消される不運も重なって1-2で敗れた

・W杯最終予選、日本はまさかの黒星スタート 浅野の“ゴール”認められず、UAEに逆転負け(サッカーキング)

▼2006年ドイツW杯最終予選初戦だった2005年2月の北朝鮮戦も大苦戦。大黒将志の劇的弾が生まれて、辛くも2-1で勝ち切ることに成功した

・大黒が日本救った 残り1分劇的代表初ゴール/復刻(日刊スポーツ)

▼ドイツW杯のキャプテンである宮本恒靖・日本サッカー協会会長は「心身両面で全員がフィットすることの重要性」を強調

・「パリ五輪世代の突き上げ含め、質の高い競争が必要」 9月開幕のW杯最終予選、元代表主将・JFA宮本恒靖会長の注目ポイントとは?(スポーツナビ)

エキスパートの補足・見解

 9月5・10日の中国(埼玉)・バーレーン(リファー)2連戦は2026年W杯最終予選初陣ということで、どうしてもチーム全体が固くなりがちだ。加えて言うと、今回の日本代表メンバー27人中20人が欧州組。宮本会長も言うように、彼らはシーズンの立ち上げの時期で、試合に絡んでいる選手と出ていない選手の熱量やメンタル面にばらつきが出やすい。田中碧(リーズ)のように、合流直前に移籍が決まった選手もいるだけに、気持ちの切り替えは想像以上に難しいのだ。

 だからこそ、チームがより一体感を持って挑むことが肝心。関係者の努力もあって、選手たちが迅速に移動し、始動日の2日には早く集合して調整できる環境も整ったという。過去の反省を踏まえ、今回こそは確実に白星発進して、今後に弾みをつけるべき。遠藤航(リバプール)ら3年前の敗戦経験者には今一度、気合を入れて挑んでほしいものである。

スポーツジャーナリスト

1967年長野県松本市生まれ。千葉大学法経学部卒業後、業界紙、夕刊紙記者を経て、94年からフリーに。日本代表は非公開練習でもせっせと通って選手のコメントを取り、アウェー戦も全て現地取材している。ワールドカップは94年アメリカ大会から7回連続で現地へ赴いた。近年は他の競技や環境・インフラなどの取材も手掛ける。

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