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ウクライナ軍、自国製「バンパイア攻撃ドローン」最前線で早速ロシア軍の倉庫と装甲戦闘車両に爆弾投下

佐藤仁学術研究員・著述家
(写真:ロイター/アフロ)

2023年8月18日にウクライナの副首相のミハイロ・フェドロフは自身のSNSでウクライナ製の「Vampire attack drones[バンパイア(吸血鬼)攻撃ドローン]」270機を最前線に送ることをショート動画で紹介していた。

そして8月21日には早速ミハイロ・フェドロフ副首相はバフムトの最前線に送った「バンパイア攻撃ドローン」がロシア軍の倉庫と装甲戦闘車両に爆弾を投下して破壊する動画を公開。また副首相によるとロシア軍が電磁波でドローンを停止しようとしてきたが迎撃されることなく無事に帰還してきた。副首相は「これからもウクライナでドローンの製造を続けていきます!これに続け!」と伝えていた。

▼「バンパイア攻撃ドローン」でロシア軍の倉庫と装甲戦闘車両を破壊したことを伝えるミハイロ・フェドロフ副首相

「バンパイア攻撃ドローン」は15キログラムまでの爆弾を搭載することが可能でロシア軍の戦車などを破壊できる。サーマルカメラが搭載されているので夜中でも精確に攻撃を行うことができる。真っ黒なボディと夜間でも精確に攻撃を行うことができる夜行性なところから「vampire(吸血鬼)」に例えられているようだ。

「バンパイア攻撃ドローン」を最前線に送る前に副首相は「効率的に攻撃を行うことができますので、近いうちにこの"鳥たち"の爆発による結果をお見せすることができるでしょう。ウクライナ軍に栄光あれ!」と語っていたが早速結果を出した動画を公開したことになった。

2022年2月にロシア軍がウクライナに侵攻。ロシア軍によるウクライナへの攻撃やウクライナ軍によるロシア軍侵攻阻止のために、攻撃用の軍事ドローンが多く活用されている。また民生用ドローンも監視・偵察のために両軍によって多く使用されている。ウクライナ軍では監視・偵察目的で導入した民生品ドローンに爆弾や手りゅう弾を搭載してロシア軍の上空から落下させてダメージを与えている。小型民生品ドローンに爆弾を搭載して標的に突っ込んでいく、いわゆる神風ドローンによる攻撃もよく行われている。

デジタル推進も担当しているミハイロ・フェドロフ副首相は、ロシア軍がウクライナに侵攻した直後から、ドローンの開発と調達を積極的に進めてきた。今回、最前線に送られる攻撃ドローンはウクライナ製だが、ウクライナ国内でのドローン製造だけでなく、世界中の政府や団体などにもドローン提供をよびかけており、多くのドローンがウクライナ軍に提供されている。

▼最前線に270機の「バンパイア攻撃ドローン」を送ることを伝えるミハイロ・フェドロフ副首相

学術研究員・著述家

グローバルガバナンスにおけるデジタルやメディアの果たす役割に関して研究。科学技術の発展とメディアの多様化によって世界は大きく進化してきました。それらが国際秩序をどう変化させたのか、また人間の行動と文化現象はどのように変容してきたのかを解明していきたいです。国際政治学(科学技術と戦争/平和・国家と人間の安全保障)歴史情報学(ホロコーストの記憶と表象のデジタル化)。修士(国際政治学)修士(社会デザイン学)。近著「情報通信アウトルック:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)「情報通信アウトルック:ビッグデータが社会を変える」(同)「徹底研究!GAFA」(洋泉社・共著)など多数。

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