【かつらぎ町】天野の里山で竹の有効活用 竹パウダー作りに潜入
天野の里で作られている楽ちん竹ぬか床は、竹パウダーに含まれる乳酸菌によって完成時間を半分に短縮し、かき混ぜる手間も減らせ、おいしいぬか漬けが作れる。そんな魔法のような竹パウダーの話しを以前伺い興味津々でした。昨年の11月、竹パウダー作りをするタイミングで現場にお邪魔することができました。
さっそく作業開始です。
まずは竹パウダーを作る機械に竹を入れていくところから作業が始まると思っていましたが、違いました。パウダー製造機を動かすためには、トラクターを動かさねばならず、登場したのがこの赤いトラクター。
そして、竹林から竹を伐採しに行きます。チェーンソーで切った竹を軽トラに載る長さに切って、荷台に積み込んでいきます。トラクターやチェーンソーを操る里山男たち、かっこいいです!「燃える男の 赤いトラクター」by小林旭
竹を放置していると、雑草のように増殖し、浅く根をはる竹は大雨によって土砂崩れを起こしやすくなります。また、イノシシなどの野生動物の住処になると、畑が荒らされるなどの農業被害にも繋がります。
里山暮らしは自然との共存が課題。放置していると害にもなるが、人の手によって暮らしに有効活用できるようにもなるのです。
さあ、いよいよ竹を作業場に運んで、粉砕機にかけていきます。
できたのが、こちら竹チップ。竹の爽やかな香りがします。チップは防草として、畑ではマルチのような役割をするそうです。
はい、お待ちかね。最初動かした赤いトラクターは、竹パウダー製造機の動力源として接続されます。電化製品のように電気スイッチ入れたら動くものではなかったです。
先ほどできた竹チップと笹が竹パウダーになります。
笹の部分はお茶のような感じです。
できた竹パウダーを袋詰めにしていきます。
竹は元々、乳酸菌を保有しており、密封して嫌気状態にすることで、発酵が始まります。乳酸菌は土壌の悪玉菌の活動や増殖を抑制します。この竹パウダーを畑に混ぜ込んだり、散布することで土壌を改善することができるそうです。生ゴミの分解、消臭といった使い方もあります。
現在、泉州なす、ブルーベリー農家などで竹パウダーが使われており、糖度・成長・収穫量アップ、エグ味・病気ダウン、連作障害を改善するなど、さまざまな効果が期待されています。
竹パウダーの製造は「天野の里づくりの会」メンバーで行われています。会では、楽チン竹ぬか床作りや、手打ちそば体験、天野の里史跡巡りの語り部案内など、年間を通して活動を行っています。
天野の里づくりに参加したい人は会員になることができます。私も参加したいと思いました。
<ご注文・お問い合わせ>
名称:天野の里づくりの会(谷口方)
住所:和歌山県伊都郡かつらぎ町下天野1072
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公式サイト:天野の里づくりの会