「濡れ雑巾のような服のニオイ」は洗濯で解消!スメハラを予防する洗濯の5ステップ
洗濯研究家の平島 利恵です。
最近は「スメルハラスメント(スメハラ)」という言葉もよく耳にしますが、汗をかく季節になると気になるのが、体臭・汗臭ではないでしょうか。
花王の調査によると、回答者の69.4%が「汗のニオイが気になる」と答えており、最も臭いが気になる部分は「ワキ」という結果が出ています。
※出典:花王株式会社「汗・ニオイに対する意識とケアの実態」https://www.kao.co.jp/8x4/lab/survey0
雑巾のようなニオイの原因は雑菌の繁殖
朝、服を着た時は気にならないのに、汗をかくと服から濡れた雑巾のような嫌な臭いがするのは何故でしょうか?
それは、汗をかくことで、衣類の湿度・温度が上がり、衣類に残った皮脂などの汚れをエサに雑菌が繁殖を始めるからです。
かきたての汗は、ほぼ臭わない
汗のニオイも同様です。
身体から出る汗そのものは、ほぼ無臭ですが、皮膚の表面で皮脂などと混ざり、皮膚の常在菌がそれをエサに繁殖することでニオイが発生します。
「臭いにくい汗」にするためには、汗をかく習慣をつけたり、身体を清潔に保ったり、生活習慣の改善が欠かせません。
生活習慣の改善は一朝一夕には結果が出せませんが、服の臭いを落とすのは、洗濯で今日からでもすぐに改善できます。
これから汗をかく夏に向け、生活習慣の改善とともに、洗濯の仕方を見直してみませんか?
服の雑巾臭を落とす正しい洗濯 5ステップ
臭いの元である、雑菌を繁殖させないため、清潔な洗濯を意識しましょう。
1.洗剤選び
雑菌のエサとなる、汗・皮脂の汚れを落とすため、洗浄力の高いアルカリ性洗剤を選びましょう。液体と粉末がありますが、粉末洗剤の方がより洗浄力が高い特徴があります。
2.洗濯前に雑菌を増やさない
汗をかいて濡れた服や、臭いがする服は、なるべく早く洗いましょう。
時間が経つほど空気に触れ、汚れが酸化し、よりニオイを発するようになります。
すぐに洗えないときは、干して乾かしながら保管します。
洗濯槽の中に脱いだ服を溜めていくと、洗濯前に雑菌繁殖の温床となり、洗濯槽の黒カビも繁殖するので絶対にやめましょう。
3.よく洗い、よくすすぐ
臭いがする服を洗濯するときは、洗濯槽に入れる衣類量を5割程まで減らし、たっぷりの水でよく洗います。
このとき、お風呂のお湯取りホースを使える場合は、温水洗いが◎繊維の奥に染み込んだ頑固なニオイまで溶かし出します。
おふろの残り湯は使わず、バケツなどに綺麗なお湯を溜めて給水し、洗いましょう。
すすぎは必ず2回以上行い、臭いと汚れを衣類からしっかり洗い流します。
4.早く乾かす
衣類は濡れている時間が長いほど、雑菌が繁殖しやすくなります。
洗濯後はすぐに洗濯槽から出し、干しましょう。
衣類同士の間隔を空け、風の通り道を作り、早く乾くように干します。
5.洗濯槽を清潔に
服の臭いの原因は、身体から出る汗だけではありません。
洗濯槽の雑菌・黒カビが衣類に戻っている可能性も。特にこれからはカビが繁殖しやすいシーズンになるので、月に一度洗濯槽を掃除しましょう。
スメハラは体臭だけではない!
最近よく耳にする、「スメルハラスメント(スメハラ)」とは、臭いに関して周囲の人に不快感を与える行為のことを呼びます。
このニオイは体臭だけでなく、タバコ・香水・柔軟剤も含まれます。
柔軟剤の適切な使用を
柔軟剤も使い方を誤ると香害やスメハラの原因となってしまいます。
最近はフレグランス効果を謳った製品も増え、香りづけのために柔軟剤を使う方もいると思いますが、香りの強さには注意が必要です。
柔軟剤を使用する際は、必ず計量し、規定量を入れます。
多く入れすぎると、スメハラ・香害を招くだけでなく、洗濯槽の黒カビ繁殖、衣類の雑巾臭・黒ずみの原因にもなってしまいます。
服の臭いを落とすのは、洗剤の役割
服が臭う時に、柔軟剤を増やすのは絶対にやめましょう。
柔軟剤の本来の役割は、衣類を柔らかく、着心地良く仕上げることです。
頭を洗う時、リンスやトリートメントでは汚れを落とせないように、柔軟剤では衣類についたニオイの元(汚れ・雑菌・皮脂)を落とすことはできません。
雑巾のような嫌なニオイは清潔な洗濯で、ニオイの元からしっかり洗い流しましょう。