Yahoo!ニュース

「機内に耳を刺すような爆音」「全員泣き叫び」 アシアナ便非常口開放事件 容疑者は「100キロ巨漢」

(写真:Lee Jae-Won/アフロ)

韓国で26日12時45分頃に起きた「アシアナ航空機非常口開放事件」。

済州発大邱行きのOZ8124便の着陸直前、上空200メートルの段階で非常ドアが開き、一部の乗客が心理的ショックなどで緊急搬送された件だ。ここまで死者は出ていないものの、韓国国内最大のポータルサイト「NAVER」には約6時間で100本以上の記事が掲載されており、次々と続報が報じられるなど大きな関心を集めている。

「強風で機内が修羅場」 韓国国内便で着陸直前に非常口が開く 33歳男性乗客の回復待って取り調べへ

当時の機内の様子やドアを開いた男性の情報(航空法違反などで逮捕)など、新たな情報が明らかになってきている。

韓国各紙は、非常口近くに座り、ドアを開いた男性を「身長180センチ、体重100キロ級」「済州島在住」「33歳」と報じている。

同機の乗客の証言も次々と明らかになってきた。中央日報」はこう伝えた。

機内乗務員・乗客全員が安全ベルトを着用した状態で着陸を待っていた中、突然、3番の非常口の隣に座っていた身長180センチ、体重100キロほどの大柄な30代の男性が安全ベルトを着用したまま座り、ドアの開閉装置のリングを引っ張った。突然非常口が開き、機内に耳を刺すような音と共に強い風が吹き込み、乗務員たちは叫び声を上げ、乗客たちは悲鳴をあげた。ほこりが機内に舞い込んだ。旅客機は扉が開いたまま5分以上下降し、着陸した。

機体の整備不良説も飛び交ったが、どうやら大柄な男性が扉を開けた模様だ。アシアナ側は「非常口は上空250m以上では簡単には開かないが、事件発生当時は200mだった」と述べている。

聯合ニュースは非常口が開いた瞬間の様子をこう伝えている。

突然、ドアが開いて耳が裂けるような痛みが襲いかかり、その後強風が機内に吹き込み、体が後ろに押され、叫び声があちこちで響き渡った。同時に飛行機は高速で着陸を試みたため『ゴン』という大きな音がした

非常口付近に座っていた学生たちは全員が泣き叫んでいたという。

その後、ドアを開けた男性は非常口から外に出ようとしたという。「中央日報」は機内で男性が取り押さえられる様子も報じている。

アシアナ航空の関係者は、「着陸時、乗務員たちは反対側に座っており、男性がドアの開閉装置のリングに触れたときすぐに制圧できなかった」と述べ、「乗務員は安全ベルトをしたまま全員が座った状態で滑走路に着陸した。地上に到着後、乗務員たちはすぐに男性を制圧し、警察に引き渡した」と続けた。

飛行機に搭乗していた乗客(学校教師)は、「着陸後、乗務員が『力を貸してください』と叫ぶ声を聞いて見に行くと、非常口を開けた男性を乗務員と乗客が力を合わせて取り押さえている状態だった」と語った。

身柄を拘束されている大柄な男性は現時点で証言を行っていないという。また韓国メディアは警察の発表として、搭乗当時の飲酒は「なし」、また心理的な疾病歴やインターネット掲示板での活動(愉快犯の可能性)については「未確認」と報じている。

吉崎エイジーニョ ニュースコラム&ノンフィクション。専門は「朝鮮半島地域研究」。よって時事問題からK-POP、スポーツまで幅広く書きます。大阪外大(現阪大外国語学部)地域文化学科朝鮮語専攻卒。20代より日韓両国の媒体で「日韓サッカーニュースコラム」を執筆。「どのジャンルよりも正面衝突する日韓関係」を見てきました。サッカー専門のつもりが人生ままならず。ペンネームはそのままでやっています。本名英治。「Yahoo! 個人」月間MVAを2度受賞。北九州市小倉北区出身。仕事ご依頼はXのDMまでお願いいたします。

吉崎エイジーニョの最近の記事