【なぜゴジラはアメリカで愛された?】世界へ羽ばたく日本のキャラクター達!!
皆様、こんにちは!
文学博士の二重作昌満(ふたえさく まさみつ)です。
新年・2023年が始まって久しいですが、いかがお過ごしでしょうか?
私もなかなかお正月気分が抜けないですが、あっという間に子ども達は春休み。
中には、「春休みは家族で海外旅行に出掛けようと思っているの♪」という方も、
いらっしゃるのではないでしょうか?
コロナ禍の影響で自粛気味だった海外旅行も、一部の国々では規制が解禁され、
少しずつコロナ前の光景に戻りつつあります。
このように、需要の回復が期待される海外旅行ですが、今や日本で大人気のキャラクターが活躍している姿を、世界各国でたくさん見られる世の中になりました。
例えば、台湾のお祭りに遊びに行ったら、大きなジバニャンの提灯に子どもが大喜び♪
さらに、ハワイのツアーに参加したら、お店でドラえもんに遭遇♪
などなど、旅先で日本のキャラクターと意図せず再会?!なんてこともしばしば。
そこで今回は、世界で活躍する日本のキャラクター達・・・
その中でも特に、国際認知度の高い怪獣王「ゴジラ」に焦点を当てお話ししたいと思います。
(今回も概要的にお話をしますので、「私、ゴジラを観たことないの」という方もご安心ください。お好きな物を片手にくつろぎながら、当記事をご覧頂けますと幸いです。)
☆そもそも「ゴジラ」ってどんな怪獣?
皆さんは、怪獣ゴジラが登場する映画をご覧になったことはありますか?
映画を観ていなくても、「名前だけは知っている」、「有名な怪獣」という認識だけで全く差し支えございません。
ゴジラは、1954年11月に公開された東宝製作の怪獣映画「ゴジラ」に登場した怪獣のことです。本作は、ビキニ環礁の水爆実験によって眠っていた生物が怪獣ゴジラとなり、東京を破壊するというのが主な内容です。また核実験に対する警鐘や平和への祈り等、戦後の日本を想起するメッセージ性が強かったのも特徴でした。
さて、映画「ゴジラ(1954)」は観客動員数960万人の大ヒット。1作目の好評を得て、昭和、平成と時代を跨ぎながらシリーズ化されました。モスラやキングギドラ、メカゴジラ等、たくさんのライバル怪獣が登場したほか、宝田明さんや沢口靖子さん、高嶋政宏さんや長澤まさみさん等、数々のスター俳優の皆様もご出演なさいました。
近年では「シン・ゴジラ(2016)」の大ヒットが記憶に新しいですが、今年11月には、新たな国産ゴジラ映画が公開される予定です。
このように、ゴジラは日本が生み出した怪獣ですが、彼は日本だけでなくアメリカでも絶大な支持を得ており、これまでアメリカでは複数のゴジラ映画が製作されてきました。
今回のお話の舞台は、広大なアメリカ。私の体験談を交えながら、アメリカとゴジラの意外な関係について解説します。
☆ハワイにはゴジラの足跡がある?!クアロア・ランチの映画ロケ地ツアーに参加しよう♪
今も昔も、日本人観光客にとって定番の行き先であるアメリカ・ハワイ州。
特にオアフ島内・ワイキキでは、立ち並ぶ商業施設にてショッピングやお食事を楽しめる他、ダイアモンドヘッドに登って自然散策、広大な海を舞台にマリンアクティビティ♪などなど、たくさんのお楽しみに溢れています。
さて、ワイキキからレンタカーで約1時間。オアフ島内の北東に位置する「クアロア・ランチ(Kualoa Ranch)」という土地をご存知でしょうか?
もともとこの土地は、古代ハワイ王朝時代に王族しか立ち入りを許されなかった地なのだとか。(※Ranchは牧場を意味する英単語です。)
写真のとおり、大きな山を背景に、プライベートビーチを含め約4000エーカーの土地の広さを誇る当牧場は、乗馬や四輪バギー等の体験アクティビティのほか、数々の映画やテレビ番組の撮影地としても活用されてきました。
「ジュラシック・パーク(1993)」等の有名な大作映画がたくさん撮影された他、「ハワイに恋して(BS12)」や「有吉の夏休み(フジテレビ)」を筆頭に、日本のテレビ番組も数多く撮影されてきたクアロア・ランチでは、「映画ロケ地ツアー」が開催されています。
ツアー内容は、バスに乗って約1時間30分、牧場内各所のロケ地をまわる内容。
バスに揺られながら到着したのは、トカゲのような大きな足跡。
皆様、この足跡がなにかわかりますか?
そう、ゴジラです。
約30年前、クアロア・ランチではシリーズ初のアメリカ版ゴジラ映画「GODZILLA(1997)」の撮影が行なわれました。
ところで、「ゴジラの足跡にしては大して深くないんだけど、30年も経ったから自然に埋まっちゃったの?」という声が聞こえてきそうですが・・・。
実はゴジラの撮影終了後も、足跡はしばらく深い状態のままずっと残されていました。
ではなぜ足跡があんなに浅いのか?
現地のガイドさんによれば、撮影時の深さのまま残したところ、牧場内の牛が落下してしまったことから、意図的に足跡が浅く埋められることになったのだとか。
ツアー中は他にも、ゴジラと対決したライバル怪獣・コングを主役にした映画「キングコング:髑髏島の巨神」のロケ地(巨大なコングの頭蓋骨等を配置)も見学できます。少しスリリングな体験に思いを馳せながら、現地に訪れてみるのはいかがでしょうか?
(Kualoa Ranch Hawaii)
・住所:49-560 Kamehameha Hwy. Kaneohe, HI 96744
・電話: (808) 237-7321
・URL:https://www.kualoa.jp/(外部リンク)
☆ゴジラのアメリカデビューはいつ?
このように、ハワイでは観光資源としても重宝されるゴジラですが、彼がアメリカでデビューしたのは1956年4月のこと。先述したシリーズ第1作「ゴジラ」は“ゴジラ・キング・オブ・モンスターズ”と題してアメリカで公開され、大ヒットしました。その後アメリカでは、ゴジラのような東宝製作の怪獣映画のほか、「ガメラ(1965)」シリーズ等の他社が製作した怪獣映画も次々に輸入されるようになります。
「なんでこんなに怪獣映画がたくさんアメリカに入ってきたの?」。
「ゴジラがヒットしたから」なのも勿論ですが、当時日本政府が外貨獲得の手段として、邦画の輸出奨励を行なっていたことも背景にあります。財政投融資は20億円という仰天価格。つまり、広大なアメリカでヒットする怪獣映画が各社でつくれるよう、国も経済的な面で支援体制を整えていたというわけです。
☆アメリカではマニアも行動的!!自分達で怪獣イベントをつくっちゃった?!
その後も次々に日本から怪獣映画がアメリカへと輸入され続け、時代は1990年代へと入ります。家庭用テレビやビデオはあっても、今のようなネットやスマホなんてない当時、アメリカやカナダでは日本の怪獣についての情報入手が難しい時代でもありました。
そんな状況の中、立ち上がったのはなんとアメリカやカナダのマニア達。彼らは「ファンの集い」と題して、20人ほどの小規模開催で1994年に「Gフェス(G-FEST)」と題した日本の怪獣イベントを初開催しました(Gは、ゴジラやガメラのGですね♪)。当イベントはその後、毎年夏にシカゴ等の大都市で開催されていくようになり、ホテルをまるまる1つ貸し切る形で、現在まで5000人規模を収容する大規模イベントとして成長しました。
催事内容は、「日本の怪獣」を題材とした映画上映やサイン会、物販やコスプレショー等。なんと会場のホテルに宿泊すると、部屋のテレビは24時間、怪獣映画が流れているという徹底ぶりなのだとか。
パンデミックを経た現在も、“G-FEST”は開催が続けられています。2023年夏にも開催が予定されていますので、アメリカ旅行の思い出に訪れてみてはいかがでしょうか?
(G-FEST XXVIII)※イベントサイト
・URL:https://g-festcon.com/(外部リンク)
(Hyatt Regency O’Hare)※会場
・住所:9300 Bryn Mawr Avenue, IL 60018
・URL:https://www.guestreservations.com/hyatt-regency-ohare/booking?msclkid=0a00b560c05812ebbc1bd6a7b48c9cee(外部リンク)
いかがでしたか?今回はゴジラをテーマに、世界で愛される日本のキャラクターの活躍についてお話をしました。
アメリカやカナダのファンが、自らイベントを立ち上げて開催する行動力の根底には、ゴジラという日本が生み出したキャラクターへの情熱と愛情があってこそだと思うと、日本人としても嬉しくなってしまいます♪
海外旅行を通じて旅先へ訪れた際は、よくまわりを見渡してみてください。
もしかしたら、私達が慣れ親しんできた日本のキャラクター達が、思わぬ形で活躍しているかもしれません。
最後までご覧頂きまして誠にありがとうございました。
それでは、またの機会まで、ALOHA♪
(参考文献)
・歌代沙也香・中島有里子・中澤浩明(セブンオークス・パブリシング)、「pen+ 完全保存版 ゴジラ、再び」、CCCメディアハウス
・菅野正美、「MAGAZINEHOUSE HOUSE MOOK ゴジラ徹底研究 GODZILLA」、株式会社マガジンハウス
・拝二刀、「特撮ゼロ 2014 WINTER 01 創刊・冬の号」、株式会社アオ・パブリッシング
この記事を読んで頂き、「海外での日本特撮やアニメ作品の展開に興味を持った」という皆様、私の過去の記事やTwitterにて、海外現地での様子や商品展開についてもお話をさせて頂いております。宜しければ、ご覧ください。
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・Masamitsu Futaesaku Ph.D(Twitter)(外部リンク)