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長崎県(五島、対馬)に大雨特別警報。線状降水帯発生で最大級の警戒を。

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
五島や対馬に線状降水帯発生中(午前8時、気象庁より)

五島や対馬に線状降水帯

気象レーダー(気象庁)
気象レーダー(気象庁)

長崎県の西側の島で記録的な大雨となっており、きょう午前10時過ぎに五島と対馬に大雨特別警報が発表されました。(大雨特別警報発表により午前11時追記)

これは台風5号に伴う活発な雨雲が南北に連なるような線状降水帯となり、五島列島や対馬付近にかかり続けているからです。

線状降水帯とは、集中的に非常に強い雨や猛烈な雨をもたらす線状に連なった積乱雲の集団のことです。

きょう未明からけさにかけて、長崎地方気象台から4度にわたり(五島市西海市(江島・平島)新上五島町小値賀町、佐世保市(宇久地域))、50年に一度の記録的な大雨となっている旨の情報が発表されました。

おととい午前1時からきょう午前7時までの総雨量(アメダス速報値)は、五島市木場町270.5ミリ、新上五島町有川郷269.0ミリ、対馬市厳原262.5ミリ、対馬市鰐浦247.0ミリ、福江空港242.0ミリなどに達しています。

また午前8時30分までの6時間解析雨量では、新上五島町、西海市平島などで250~300ミリ近い雨量となっている所があります。

さらに午前8時40分までの1時間に対馬市美津島付近で約110ミリの猛烈な雨が降ったとみられ、記録的短時間大雨情報も出されました。

土砂災害危険度は極めて危険

土砂災害危険度(気象庁)
土砂災害危険度(気象庁)

気象庁が発表している土砂災害の危険度分布では、最も危険度の高い濃い紫色が新上五島町などに出現しており、極めて危険な状態となっています。土砂災害には最大級の警戒が必要と言えます。

また同じような地域で浸水中小河川の洪水の危険度も非常に高くなっています。

すでに土砂災害などが発生している可能性がありますが、今後も猛烈な雨が数時間降り続くおそれがあり、周辺の安全や状況を十分に確認しつつ、早めの避難行動を行って下さい。すでに周りをみて危険だと感じたら、なるべく崖の近くからは離れた部屋、あるいは2階など高い部屋へ移動することも重要です。

もし大雨が降っている地域に家族や知り合いの方がいましたら、ぜひとも電話などで避難を呼びかけて頂きたいと思います。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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