【八王子市】トラックいっぱい荷物を積んでお得意さんのいる場所へ。昭和的移動販売システムは今も健在です
八王子市小比企町の湯殿川沿いをお散歩していたら、トラックの八百屋さんに出会いました。
場所は八王子市立由井第三小学校の近く。
昭和40年から平成に年号が変わる頃までは、八王子市内のあちこちで見かけた、八百屋さんの移動販売です。
現在、八王子市内で野菜などの移動販売を行っている方は10名ほどまで減ってしまったそう。
近年は大手スーパーマーケットなどが、買い物に行きにくい人たちが住んでいる地域を中心に移動販売車を出していたりしますが、私が出会ったのは八百屋さんがやっている、昔ながらのトラックです。
このトラックの持ち主は、青果の卸しもしている八百屋さんを営む、心優しく気さくなおじさん。移動販売だけでは生活できないけど、本業があるから続けられるのだそう。
八百屋さんが品物を選んでトラックに載せているのですが、野菜の種類はちょっとしたスーパーにも負けないくらいあります。そしてどれも新鮮です。
大根やじゃがいも・玉ねぎやカボチャなど、重さのある野菜や瓶詰めなどを家の近くで販売してくれるのは嬉しいですね。
おじさんのところに買いに来るお客さんは、40年以上前からの付き合いのお得意さんが多いそう。
この日も二人の常連のご婦人が、楽しそうに品選びをしていました。
野菜だけではなく、佃煮や干物、塩鮭なども並んでいます。これらの商品は八王子北野の市場から、その日の朝におじさんが自分の目で見て仕入れるそう。
常連さんの好みは全て頭の中にインプットされているので、間違いのない品揃えです。
缶詰や梅干し、中華調味料、漬物など毎日の食卓に必要なものはほとんど手に入ります。
もし欲しいものがない時には、次回に持ってきてもらうようにお願いすればいいのです。
「今日はこれだけ頂くわ。もう40年以上の付き合いだから親戚みたいな感じなの。品物に間違いはないし、この移動販売がなくなったら困っちゃうわ。」とA子さん。
「私は買い物するときに品物を見て買いたいのよ。生協とかネットスーパーは届けられるまでどんな品が来るかわからないから、この移動販売車は助かるのよ。なにより、こうやっておしゃべりしながら選んで買うと楽しいでしょ。」とB子さん。
お二人とも、買い物をしながらのちょっとしたおしゃべりも楽しいようです。
今日もおじさんは市内のあちこちを廻っています。
昔からのお客さんが待っていてくれるから。
最近はガソリンなども高騰し、お客さんも少なくなってしまったので、このトラック販売では利益はほとんど出ないそうなのですが、おじさんは自分の体が動くうちは続けたいと。
みなさんも近くにこんな移動販売のトラックがお店を開いていたら、ぜひ寄ってみてくださいね。
JAやスーパーの移動販売車はこちらから販売場所・時間などがわかります。
八王子市では買い物支援対策事業に取組んでいます。