【高野町(高野山エリア)】普段見れない薬草に関するお仕事。貴重な大深当帰の湯もみ作業を見学
先日、貴重な大深当帰の昔ながらの湯もみ作業を見学させていただきました。
※大深当帰に関する過去の記事はコチラ
【高野町(高野山エリア)】和歌山の優れた薬草「大深当帰(トウキ)」にもっと光を
当帰とは
薬用植物。日本薬局方に収載されている生薬で根が漢方原料になります。
生薬の国産化を推し進めていた徳川吉宗に栽培を奨励されたり、同じく江戸時代の医聖「華岡青洲」が創って現在でも販売・使用されている漢方医薬品「紫雲膏」の素材でもあり、和歌山と縁の深い薬草でもあります。
漢方では、補血、強壮、鎮痛、鎮静などの目的で処方に配剤され、四物湯、当帰芍薬散、当帰建中湯、補中益気湯、紫雲膏、当帰湯などの漢方方剤に使われます。日本各地のご当地当帰の中でも寒い当地で育つ大深当帰は最高品質と言われる一方、生産者数はほぼ居ません、絶滅寸前です。よく間違えられますが大和当帰とは異なります。
去年末にはぜ架けして干しておいた株を下ろし、高めのお湯をかけて先に根をある程度柔らかくし、中程度の温度のお湯に浸しながらシンプルな機械で揉んで泥を落としながら絡まった根をほぐし、お湯から上げて根の持つ有効成分を高めるために手で最後の揉み仕上げを行う。そしてまたはぜ架けしなおしてしばらく干す。
ほんの数日間だけ行われる、なかなか目にすることのない薬草に関する作業。
湯もみ作業後の乾燥は、根の甘味も引き出すようで、湯もみ作業すぐの根はかじっても全然甘くありませんでしたが、干されて乾燥させたものは十分な甘みがあり、湯もみ作業の必要性を実感できました。
また、取材日の外気温はとても冷たかったものの、現場では非常に良い爽やかな香りが湯気と共に立ち込め、お湯からの蒸気に含まれる当帰成分のおかげで作業しているお母さんの手は、良く働く昔ながらのお母さんにもかかわらずスベスベツヤツヤな手、そして色が白い!
「夏場は農作業で日に当たるから黒くなるよー」と言われていたけれど、春から秋にかけての毎年の強い紫外線を浴びているにもかかわらず肌が黒くなったままにならず、冬には美肌に戻っているのがスゴイ。
見たら分かる大深当帰の効果。
大和当帰は既にブランド化されていますが、大深当帰も長年の栽培の歴史と共に産業として残ることを願っています。