回転寿司店を選ぶ時の重視点は何だろうか
・回転寿司店利用者が店を選ぶ時にもっとも重視しているのは「ネタが新鮮」(2018年)。
・重視点は次いで「値段が安い」「ネタの種類が豊富」「タッチパネルで注文」。
・サイドメニューの存在は回転寿司店の選択の際には重要な要素では無いように見える。
居住地域や通勤環境次第では複数チェーン店の回転寿司店へ足を運ぶことができる幸運な人もいる。その場合、どの店を訪れるべきか、色々と考えをめぐらすことになる。最終的に決断し、店の選択をする際に、どのような観点を判断基準にするのだろうか。マルハニチロが2018年3月に発表した「回転寿司に関する消費者実態調査2018」(※)を基に確認する。
該当調査対象母集団(月一以上で回転寿司に行く人)に対し、回転寿司店を選ぶ基準、重視している点を尋ねた結果が次のグラフ。これらは見方を変えると、回転寿司店がお客やお客になるかもしれない人から求められているポイントでもある。
最多回答の選択肢は「ネタが新鮮」で5割近く。回転寿司店での寿司との言葉からは新鮮味は二の次的な寿司が頭に思い浮かぶ人もいるだろう。カウンター越しに注文する、ちょっと高めの寿司屋での寿司を「回らない寿司」と表現するほどで、回転寿司店の寿司はそれこそハンバーガーや牛丼などのファストフード的な印象が強い。しかしそれに該当しそうな選択肢は「値段が安い」で第2番目。まずは「ネタが新鮮」で美味しいものか否か、寿司そのものの実力が求められている。
なお前年調査までは選択肢に「美味い」がありトップの回答率を示していたが、今回調査では除かれている。寿司の多くは新鮮味と美味さが密接に関わるため(何しろ生ものばかりである)、「ネタが新鮮」とほぼ同義と判断し、選択肢からは除外されたのだろう。代わりに「シャリが美味しい」が新たに選択肢として加わっているが、こちらは26.8%に留まっている。
「ネタの種類が豊富」は第3位で39.2%。ネタが新鮮で値段が安くても、多様な種類のネタが楽しめなければ、回転寿司店に来た意義は半減してしまう。今調査の平均値では一度の回転寿司店利用による平均利用皿数は9.5皿(寿司のみでサイドメニューは含まず)。全種類を網羅するわけでは無いのだから、それほど多種類で無くともと考える人もいるだろう。しかし実際に繰り返し利用していく、利用しやすい回転寿司店の条件を考えると、選択肢は多い方がよい。「たくさんの種類から好みを選ぶ」のもまた、回転寿司店の魅力の一つに他ならない。
「タッチパネルで注文」「店内に清潔感」「テーブル席」など店舗内環境の整備を求める声も多い。一人で回転寿司を堪能するにしても、家族で憩いのひとときを楽しむにしても、単に料理そのものの味を手頃な価格で堪能するだけで無く、雰囲気も満喫したいとの需要が大きいのが分かる。
「家や外出先などの近所」は26.8%。手間暇をできるだけかけたくないからか、あるいは単に遠出してまで回転寿司を選ぶ必要が無いとの認識なのか。似たような選択肢としては「駐車場がある」で26.0%。家族で来店する場合が多々あること、そして回転寿司店は駅前などの公共交通機関を使って容易に足を運べる場所にあるとは限らないことから、納得ができるというものだ。
なお上位陣の選択肢を見返すと、「値段が安い」以外は直接にサイドメニューと関わり合いのありそうなものが見当たらない。回転寿司店の選択の際には、サイドメニューの充実は大きな問題では無いと解釈できるのかもしれない。
■関連記事:
※回転寿司に関する消費者実態調査2018
2018年2月27日から2月28日にかけて、関東(東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県・栃木県・茨城県・群馬県)・関西(大阪府・京都府・兵庫県・奈良県・和歌山県・滋賀県)それぞれの在住の15歳から50代の男女に対しインターネット経由で実施したもので、予備調査時点では5067人が調査対象母集団。本調査ではそのうち、月1回以上で回転寿司店を利用している人1000人を対象としている。本調査の男女比・地域比率はそれぞれ1対1。調査協力会社はネットエイジア。
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