東京にもあった禁足地。大田区・新田神社の「御塚」に行ってみた
禁足地。一般人の立ち入りが禁止されている場所……。恐ろしいけれど、なんとも神秘的な響きです。
千葉県の「八幡の藪知らず」をはじめ全国各地に禁足地はありますが、東京近隣にあるという噂はあまり聞きません。
「東京都内ですぐ行ける禁足地はないものか?」
興味本位で検索してみると、「御塚(おつか)」という場所がヒットしました。なんと、私が住んでいる場所の数駅先です。こんなに身近に禁足地があったなんて。行ってみるしかありません。
※禁足地には立ち入っていません。あくまで目の前まで見に行ったレポートです。
禁足地「御塚」とは
御塚があるのは大田区の矢口というエリア。武蔵新田駅が最寄りの、このあたりを代表する神社「新田神社」のなかにあります。
この御塚は簡単に言えば「お墓」です。新田神社が祀っている「新田義興」が眠っているそうです。新田義興は鎌倉時代、騙し討ちにあって死んでしまった武将。その祟りが現代にも伝わり、このお墓には入ることができません。
御塚のある新田神社へ
さあ御塚のある新田神社に向かいましょう。
最寄りは東急多摩川線、武蔵新田駅。とても禁足地があるとは思えない、平和でのどかな住宅街が広がるエリアです。
商店街を道なりに進むと、こんもりとした森のようなものが現れます。これが新田神社です。
ここまでは普通の神社。しかし、新田神社はこれだけではありません。御塚をはじめとした歴史的な場所から、現代チックな映えスポットまでが揃います。
いかがでしょうか。かなり「イマドキ」でユニークな神社になっていることが分かると思います。こんなに活気があって、明るく、若さのある神社に、ほんとうに禁足地なんてあるのでしょうか……。
禁足地に向かう
先ほど見た卓球台、その奥にあるうっそうとした暗い森……こちらに御塚があります。
もう少し奥に進んでみましょう。
「中に入ると必ず祟りがある」だそうです。恐ろしい。まあ、現代でも人のお墓の敷地内に勝手に入ったらいけませんし、新田さんが怒るのも当然のことでしょう。そう考えるとそんなに怖くない……ような気もします。
雑木林は奥の方まで続いています。
よくよく見ると、写真右端に石造りの柵があるので、その範囲内までは禁足地で、この黒いフェンスの先は禁足地ではないことが分かります。
神社の方が管理されているのか、禁足地の外は広々とした広場のようになっていました。
黒フェンスの上から手を伸ばして一枚。みっちりと竹藪が広がります。「手つかず」ではないのかもしれないけど、ほとんど人が立ち入らない自然の森って素敵だなあ。
破魔矢伝説を探る
御塚を見ていて、気になることがありました。それは、「御塚の後ろには決して神域を越えることのない伝説の竹がある」ということ。
「伝説の竹」が今もあるかは分からないけれど、御塚を後ろから見てみたい!と思い、ぐるっと新田神社の後ろ側に回り込んで、御塚の裏を覗きました。
近寄ってみましょう。「決して神域を越えることのない伝説の竹」が見れるでしょうか。
竹は…神域を……
越え…?
越えてない!ですね!!うん!!!
神域のなかで、まっすぐ青々と伸びていました。縁起がいいです。
駅近で、思い立ったらすぐに行ける東京の禁足地。
神社という場所だからか、怖いというより神聖な、どこか安心感まであるような、不思議な場所に感じました。そして新田神社は「禁足地」という要素抜きにしても、十分楽しめる素敵な神社なので、誰にでもおすすめです。
他の禁足地も、実は怖くない場所なのかもしれません(もちろん本当に怖い場所もあると思いますが)。その場所のもつ歴史やパワーを感じに、他の禁足地も見に行ってみたいと思うのでした。
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