【レビュー】Netflixシリーズ「イカゲーム」シーズン2配信開始!“見逃しNG”5つの視聴ポイント
あれから約3年――。Netflixシリーズ「イカゲーム」のシーズン2が本日(12月26日)、ついに配信開始となりました。
早速、全7話を視聴した私(筆者)が、おさえておきたい「イカゲーム」シーズン2の視聴ポイントをお伝えします。(※内容に関するネタバレはありません)
その前に、シーズン1を簡単におさらいしましょう。
■世界的メガヒット!Netflixシリーズ「イカゲーム」について
「イカゲーム」は、膨大な借金や深刻なトラブルにより人生を諦めかけた人たちが、高額賞金を懸けて、「負けたら即死」のゲームに巻き込まれていく本格サバイバルスリラーです。
~世界で大ブームに~
2021年9月17日に配信が開始されると、約4週間で世界1億4200万世帯が視聴。現在でもなお、Netflix 史上最大のヒットシリーズに君臨し続けています。
日本では、2021年の「流行語大賞」にノミネートされたり、ハロウィンでピンク色のソルジャーや緑色のジャージ姿に仮装する人たちが現れたり、劇中に登場する“型抜き”のカルメ焼きレシピがSNS上を席巻したりと、社会現象となりました。
Netflixが日本で公式に実施した「イカゲーム」認知度調査では、71.6%の人が【「イカゲーム」を知っている、聞いたことがある】と回答したのだとか!
~アメリカで受賞の嵐~
“米テレビ界最高の栄誉”とされる「第74回エミー賞」で、非英語作品として初めて作品賞(ドラマ部門)にノミネートされました。そして、イ・ジョンジェは主演男優賞(ドラマシリーズ部門)をアジア人として初受賞し、ファン・ドンヒョク監督は監督賞(ドラマシリーズ部門)を受賞するという偉業を達成。さらには、同年に発表された「クリエイティブ・アーツ・エミー賞」でも、ドラマシリーズ部門においてゲスト女優賞(イ・ユミ)、スタント賞、視覚効果賞、美術賞にも輝きました。
~出演俳優もグローバルに躍進~
主人公ソン・ギフン役のイ・ジョンジェは、「イ・ジョンジェ」というワードの検索数が世界中で急上昇し、一躍時の人に。その後は「スター・ウォーズ:アコライト」へ出演するなど、グローバルな活躍を見せています。
ギフンの仲間セビョク役のチョン・ホヨンは、シーズン1でドラマデビューを果たしたモデル出身です。配信前は40万人程だったインスタグラムのフォロワー数も、2024年12月現在は1700万人を超えています。また、アメリカのエージェンシーと契約し、現地のドラマにも出演する予定です。
そのほか、刑事ジュノ役のウィ・ハジュンら出演者の話題が連日、芸能ニュースをにぎわせていたのを、私もよく覚えています。
~余韻と謎を残して終了~
参加者全456人の頂点に立ち大金を獲得したものの大切な何かを失っていくギフンのその後、プレイヤーをゲームへと誘うセールスマン(コン・ユ扮)の実体、その正体が世界中へ衝撃をもたらしたゲームの支配人フロントマン(イ・ビョンホン扮)の存在。彼らがシーズン2では、どう変化し活躍していくのか注目されます。
■「イカゲーム」シーズン2のレビュー&5つの視聴ポイント
~あらすじ~
イカゲームで優勝してから3年後。残酷なゲームに終止符を打つため、“プレイヤー456"ことソン・ギフンはゲームの黒幕を明らかにしようと決意していた。優勝賞金を使い、ギフンは地下鉄でめんこをするスーツの男“セールスマン”を探し始める。しかし、ギフンの努力が実を結ぼうとした時、運営組織を倒す道のりは想像をはるかに超えて危険であることが判明する。ゲームを終わらせるため、再びギフンはゲームに足を踏み入れることに――。
【1】俳優イ・ジョンジェVSイ・ビョンホンの心理戦は見もの
(※ここからは、役名ではなく俳優名で書かせていただきます)
唯一の体験者イ・ジョンジェの存在感は健在。正義のため、プレイヤーたちをリードします。そこに登場するイ・ビョンホンとの思わぬ戦い、心理戦は「圧巻!」の一言。韓国を代表する俳優2人の熱演に注目してほしいです。
そして、もうひとり再登場するのが、謎のセールスマン=コン・ユ。イ・ジョンジェとのやり取りも緊迫感があるのですが、何といっても、笑みを浮かべながらの怪演がすごい! 謎の行動が今後の展開への興味をそそります。そして、彼の悲壮な過去となぜセールスマンになったのかも紐解かれていきます。
【2】自然と引き込まれた女優3人の演技力
クムジャ役=カン・エシム、脱北者ノウル役=パク・ギュヨン、ジュニ役=チョ・ユリ、女優3人の演技に魅了されました。
とくにパク・ギュヨンと元IZ*ONEのチョ・ユリは、「第2のチョン・ホヨンなるか?」といわれています。チョ・ユリも元アイドルとは思えない演技力を見せてくれていますが、私個人的には、パク・ギュヨンのクールな演技により引きつけられてしまいました。
【3】イム・シワンやカン・ハヌルら豪華俳優陣のカリスマ性
ミョンギ役=イム・シワンは演技力に定評のある元アイドルですよね。劇中では、チョ・ユリとの関係も見どころのひとつです。
そして、ヒョンジュ役=パク・ソンフンの存在も大きなインパクトを残します。彼が女装したポスターを見た韓ドラファンの間でも、配信前から期待感が高まっていたそう! 彼の演じられる役柄の幅が広がったと感じるほど、好演、大活躍しています。
また、デホ役=カン・ハヌルやヨンシク役=ヤン・ドングンの画面を支配するカリスマ性も要チェックです。
【4】T.O.P(元BIGBANG)=俳優チェ・スンヒョンの出演
BIGBANGファン注目の出演者が、T.O.Pことチェ・スンヒョンです。劇中、元ラッパーのサノス(thanos)を演じています。チェ・スンヒョンは、BIGBANG時代にも多くの作品に出演し、その演技力が高い評価を受けていました。
しかし、彼に関しては、過去の犯罪歴から賛否の声が上がっています。それもあってか、制作発表会やアメリカでのプレミアイベントにも登壇していません。
ファン・ドンヒョク監督はチェ・スンヒョンのキャスティングについて、「私が正しいのかは分からないが、あの事件は昔に起こったことで、執行猶予期間も終えた。復帰してもよいのではないかと個人的に判断した」と説明しています。
チェ・スンヒョン演じるサノスは、ドラマのアクセントとなる重要な役どころです。そのキャラクターはかなり“ぶっ飛んでいる”という印象。そして、思い切りのある演出に度肝を抜かれました!
【5】見せ方/子どもの遊びを使いながら、とても深い内容
子どもの遊びを基にしたゲームに対し、プレイヤーたちは命懸けで勝利を目指します。そのなかで、裏切りや葛藤(かっとう)も生じます。
シーズン1にも通じますが、親子関係、ジェンダーレス、未婚の妊娠、洗脳、詐欺被害、脱北といったさまざまなものを抱えた登場人物たちの人間模様が描かれ、そこに韓国社会の歪みや格差問題も提起されています。せりふの隅々にそれを垣間見ることができるでしょう。
一方、ファン監督はシーズン1と差別化された部分のひとつに「投票」を挙げています。世界で起こっている衝突や対立を「○×」投票で象徴したということなのですが、「紛争がまん延した社会や世界をかえりみる機会になってほしい」と言及しました。シーズン1よりも訴えかけるものの意図や意味が大きいといえます。
ゲームはシリアスで恐怖感満載なのに、会場の造りや色、音楽がポップなところに一層、不気味さや残酷さを抱かせる……。そのコントラストが現実と欲(理想)の差なのかもしれないと思い知らされたような気もします。もちろん、それは悪い意味ではなく。
私はしばらく、「ムグンファ コ~チ ピオッスムニダ~」に浸ります……。
Netflixシリーズ「イカゲーム」シーズン1~2:独占配信中
“韓国歴” 30年以上の翻訳者兼ライターです。
長年の翻訳・取材経験などを生かし、さまざまな視点から韓国の記事を執筆中!
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