スマートフォン8割強、ノートパソコン5割近く…小中高校生の保護者のデジタル機器利用実情をさぐる
・小~高校生の保護者で一番利用率の高いデジタル機器はスマートフォン。84.8%の利用率(2017年)。
・スマートフォンに続きノートパソコンが47.8%、タブレット型端末が31.8%。
・若い子供の保護者ほどスマートフォン、ノートパソコン、タブレット型端末、携帯ゲーム機、据置型ゲーム機の利用率が高い。
学校の先生や参考書同様、保護者もまた、子供にインターネットの正しい利用の仕方を教える教師的な立場にある。その保護者におけるインターネットへのアクセスが可能なデジタル機器の利用状況を、内閣府が2018年3月に確定報を発表した「平成29年度青少年のインターネット利用環境実態調査結果」(※)から確認する。
今件では保護者の回答を対象に精査を行っているが、その保護者の年齢に関する明確な区分は無い。ただし子供の学校種類別の区分により、大よその保護者の年齢階層区分は可能と考えられる。具体的には小学生の保護者ほど年下、高校生の保護者ほど年上となる傾向があるというもの。
次に示すのは調査対象母集団全体の利用率。インターネット利用の有無は問わない。
スマートフォンは8割強で利用率が最上位の端末。インターネットへのアクセスに使われる可能性がある端末として、もっとも利用率が高いのはパソコンでは無くスマートフォンとなっている。ついでノートパソコンが5割近く、タブレット型端末が3割強、デスクトップパソコンが2割強、従来型携帯電話が1割強。他方、大人であることから、ゲーム機系の利用率は低い。インターネットテレビが「その他」区分ではもっとも高い値で12.6%。
これを子供の学校種類別に仕切り直したのが次のグラフ。上記説明にある通り、小学生の保護者≒若い、高校生の保護者≒年配的な形で見るのが望ましい。
順位的にはスマートフォン、ノートパソコン、タブレット型端末、デスクトップパソコンで、どの学校種類でも変わり無し。むしろ注目すべきは、実質的な保護者の年齢階層区分による値の変化にある。
大雑把な形となるが、
・若年層ほど利用率が高い…スマートフォン、ノートパソコン、タブレット型端末、携帯ゲーム機、据置型ゲーム機
・年配層ほど利用率が高い…従来型携帯電話、デスクトップパソコン、携帯音楽プレイヤー
の動きを示している。類似ジャンルの端末における利用シフト、例えば従来型携帯電話からスマートフォン、がよくわかる動きとなっている。
この流れは子供を有する保護者に限らず、市場全体の動きに違いないが、改めてその実情を再確認させられる次第ではある。
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※平成29年度青少年のインターネット利用環境実態調査結果
2017年11月3日から12月3日にかけて2017年11月1日時点で満10歳から満17歳までの青少年とその同居保護者それぞれ5000人に対し、調査員による個別面接聴取法(保護者は訪問配布訪問回収法)で行われたもの。時間の調整ができない場合のみウェブ調査法(保護者は加えて郵送回収法)を併用している。有効回答数は青少年が3288人(うちウェブ経由は122人)、保護者は3469人(うちウェブ経由は44人、郵送回収法は26人)。過去の調査もほぼ同じ形式で実施されている。
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