高校生はパソコンやスマホで何をしているのだろうか
パソコンにしてもスマートフォンにしても実質的にはインターネットの利用端末としての使われ方がメインとなっている。それらの端末に触れ、好奇心を存分に充足している高校生たちは、具体的には一体何を堪能しているのだろうか。内閣府が2015年3月に確定報を発表した「平成26年度青少年のインターネット利用環境実態調査結果」の公開値から確認していく。
次に示すのはデスクトップパソコン、ノートパソコン、従来型携帯電話、スマートフォンそれぞれでインターネットを利用している高校生における、その端末での利用内容を示したもの。普段からその目的で利用していると回答者自身が認識した項目に答えてもらっている。「コミュニケーション」とは電子メールやメッセンジャー、ソーシャルメディアなど、他人との意思疎通が出来るサービス全般を指す。
パソコンで情報検索や動画視聴、ニュースの取得など積極的なアクセスが求められる項目で、パソコンの利用率の高さが確認できる。ただしゲームの項目は低めで、パソコンのゲームへの興味は、小中学生はともかく、高校生では鎮静化しているように見える。
他方スマートフォンではパソコンで高い値が出ている項目に加え、コミュニケーション、音楽視聴、ゲームでも高値が出ている。利用頻度は今調査からは判断できないが、高校生は少なくともパソコンよりスマートフォンを、より多機能を有する端末として認識し、利用している事が分かる。
従来型携帯電話は本体機能の限定感に加え、対応しているサービスも限られている事から、コミュニケーションや情報検索、音楽視聴などいくつかの項目でのみ、しかもそこそこの比率程度で使われている。見方を変えると、高校生にとって従来型携帯電話は、シンプルな意志疎通ツールとして認識されているようだ。
これを高校生全体比で見たのが次のグラフ。元々スマートフォンの所有率は高く、パソコンは低めなため、当然全体比ではスマートフォンの値が高く出ることになる。端末自身を利用していない、利用していてもインターネットへアクセスしていなければ、「該当端末を用いてインターネットで何をしているか」の設問では回答のしようが無い。
高校生全体の8割強はスマートフォンでコミュニケーションを取り合い、2/3は音楽や動画視聴をし、6割はゲームや情報検索をし、3割はニュースの取得をしている。電子書籍の閲読やショッピングも1割強が実施している。パソコンは精々情報検索で2割、動画視聴で2割近く程度。そのまま社会人となり、あるいは大学に進学する、成人間近な高校生たちが、少なくとも現状ではこのような状況にあることを、再認識させられる次第ではある。
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