横浜で世界最高峰ラグビー。NZが南アフリカ下す。ラグビーW杯日本大会
ラグビー世界最高峰の美技、肉弾戦が繰り広げられた。
9月20日(金)に開幕した第9回ラグビー・ワールドカップ(W杯)日本大会。
21日(土)は、プールB組初戦のニュージーランド(世界ランキング2位)×南アフリカ(同ランク4位)が、神奈川・横浜国際総合競技場で行われ、NZが23-13で勝利。プール上位2チームによる決勝トーナメント進出へ大きく前進した。
今回で99度目の対戦となる南半球のライバル同士。過去はNZが58勝4分36敗で勝ち越し。
世界の注目を集めるビッグマッチでは、NZが試合前に伝統舞踊「ハカ」を披露。通常リードと呼ばれる先導役は1人だが、今回は序盤のみTJペレナラとキアラン・リード主将が2人で務めた。
「リーダーとして何ができるかを話して、選手で決め、試合前に2人でリードすることを決めました」(NZ・NO8リード主将)
NZ代表“オールブラックス”の美技が炸裂したのは、お互いにPG(ペナルティーゴール)を1本ずつ決め、3-3で迎えた前半23分。
キックパスから右サイドで防御ラインを突破すると、絶妙なフォローランで追走していたSHアーロン・スミスへリターンパス。最後はWTBジョージ・ブリッジが豪快にトライを決めた。
NZは7点リード(10-3)の前半26分、CTBアントン・レイナートブラウンが防御を切り裂き、LOスコット・バレットへラストパス。17-3とリードを広げて後半へ向かった。
しかし後半は、W杯前の南半球4か国対抗戦「TRC」(ザ・ラグビーチャンピオンシップ)で初優勝するなど、上り調子の南アフリカも反撃。
後半7分、世界屈指のハードワーカー、FLピーター・ステフ・デュトイが抜け出してトライ。
“スプリングボクス”の愛称を持つ伝統国は、同19分にはSOポラードがドロップゴール(DG)成功。過去大会でもDGを武器にしてきた南アフリカが大一番で“伝統芸”を見せ、ついに4点差(13-17)に。
ところが試合巧者のNZは後半26、31分にPG追加でリードを10点(23-13)に広げる。
南アフリカは“ポケットロケット”の異名を持つ身長170センチのウイング、チェスリン・コルビが再三チャンスメイク。
しかし最後はNZが逃げ切り大会1勝目。マン・オブ・ザ・マッチはNZのFBボーデン・バリットが輝いた。
NZは南アフリカ戦通算59勝目を挙げると共に、W杯3連覇へ白星発進。神奈川・横浜で、観客6万3649人が世界最高峰の美技に酔いしれた。
【南アフリカ ラシー・エラスマスHC(ヘッドコーチ)】
「最後まで戦ったが、相手ゴール22mライン内のチャンスを生かせなかった。10もペナルティーを取られたら、ニュージーランドに完全にやられる」
「規律の部分で上手くいきませんでした。ここからファイトバックして、決勝へ向かってまた勝ち進むだけです」
【NZ NO8キアラン・リード主将】
「ペナルティ(Pk)を与えないことは念を押していて、そこは上手くいったと思います」
「(試合後のお辞儀について)できるだけ日本の皆さんと繋がりたいと感じていました。私たちをとても愛してくれていましたし、これまでも、そして今日も非常によくしてくれました。オールブラックスのジャージーを着ている人もたくさんいました」