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低圧部に伴う大雨に警戒、沖縄の南にも熱帯低気圧が発生する予想で、ダブル熱帯低気圧に

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
雲の様子(ウェザーマップ)

低圧部の暖湿気が日本付近へ

雨雲の様子(気象庁発表に筆者加工あり)
雨雲の様子(気象庁発表に筆者加工あり)

小笠原付近から西進し、日本の南を進んでいた熱帯低気圧は、きょう22日(火)午前9時の解析から低圧部となりました。低圧部とは中心付近がハッキリとしない熱帯擾乱(ねったいじょうらん)のことで、中心付近がハッキリとする熱帯低気圧と比べると、やや衰弱しているとみることも出来ますが、伴う暖湿気にはほとんど変化はなく、この暖湿気が本州付近に流れ込んでいるため、局地的ながらも広範囲で活発な雨雲が発生し、雷を伴った激しい雨が降っています。

東京都心でもきょう昼前には、短い時間ですが、瞬間降水強度が50ミリ以上となるような非常に激しい雨を観測しました。(1時間雨量は午前11時9分までに10.5ミリ)

低圧部の位相が西日本へ

雨と風の予想(ウェザーマップ)
雨と風の予想(ウェザーマップ)

日本の南の低圧部は今後北西方向へ進み、あす23日(水)日中にかけて、不明瞭になりながらも四国から九州付近を北上する見込みです。暴風を伴うような大荒れの天気となるようなことはまずありませんが、それでも熱帯由来の暖湿気がたっぷりと持ち込まれるため、より一層雨雲が発達しやすくなるでしょう。

西日本や東海以西の太平洋側を中心に、雷を伴った非常に激しい雨が降り、大雨となるおそれがありますので、土砂災害、低い土地の浸水、河川の増水などに、十分な注意、警戒が必要です。(気象庁の気象情報

新たな熱帯低気圧が沖縄の南に発生し、ダブル熱帯低気圧に

天気図の変化(ウェザーマップ)
天気図の変化(ウェザーマップ)

タイトル画像をみると、日本のはるか南東の海上の赤い丸の中には、きのう21日(月)午後3時に発生した熱帯低気圧があり、これとは別に、沖縄の南にある赤い丸の中でも、あす23日(水)午前9時までに、新たな熱帯低気圧が発生する見込みです。

これら2つの熱帯低気圧ともに、すぐに北上してくるような上空の流れではありませんが、熱帯低気圧周辺の海水温は30度前後あるため、台風へ発達してもおかしくない状況です。

今後も最新の情報にご注意ください。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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