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【河内長野市】年越し前、コンポストで生ゴミを肥料に!美加の台近くで開催のセミナーに参加しました

奥河内から情報発信奥河内地域文筆家(河内長野市・富田林市)

2022年もあとわずか、「もういくつ寝るとお正月」という歌を思い出す時期になりました。とはいえ今年の汚れを今年のうちにということで大掃除やゴミの処分などまだまだ年内にはやるべきことがありますね。

世の中いろんなゴミがありますが、いちばん厄介なのは生ゴミではないでしょうか?その生ゴミが厄介なものから有意義なもの、たとえば農作物の肥料になるという仕組みがあります。

今回ご紹介するのは、LFCコンポストアドバイザーの森ゆみさん(外部リンク)で、河内長野を中心に関西でこのシステムの普及活動をされている方。

従来型のコンポストはバケツタイプのイメージですが、森さんの紹介するコンポストは持ち運びが容易なバッグタイプだというので、前から気になっていました。

そのコンポストを手に入れたのは、先月、寺ヶ池公園で行われた河内長野商工会ワンラブフェスタでのことです。

こちらにコンポストさんの販売ブースがあって、森さんがいました。手に持っているのがバック型のLFCコンポスト(外部リンク)です。

森さんは汐ノ宮に住んでおられて、河内長野をはじめ各地でこのコンポストバックの販売とノウハウをアドバイスしているのだそうです。

こちらがそのバック型のコンポストです。本当に手提げバックのような形をしていますが、この中に生ゴミを入れるとゴミが分解されて堆肥になるのいうのですから驚きです。

コンポストをする上でいちばん大きな問題が虫の発生でした。このバックなら、チャックでしっかり密閉できるので、虫が侵入できず卵を産みつけられる心配がないのです。

一生活者としてゴミの問題はずっと気にしていましたし、生ゴミが有効に活用できるというのは機会があればと思っていた矢先に、出逢ったこのバック型のコンポスト。今回は、地元河内長野の企業さんからの補助があり、定価の半額、ひとつ2500円で購入させていただきました。

森さんから詳しいお話を聞けば、定期的なコンポスト活用の方法を教えてくれる説明会を美加の台の近くにある里山わびすけさんで行うとのこと。どのようなものか、また使い方を勉強するために、さっそく申し込んで行ってきました。

というわけで当日、里山わびすけさんに向かいました。最寄りのバス停は美加の台バス停です。

この路線は美加の台口、美加の台駅、美加の台中とか同じような名前のバス停があるのでややこしいですが、ズバリ「美加の台」バス停です。

ということで、里山わびすけさんのところに行ってみましょう。

バス停から少し南に行くと下に向かって降りていく道があります。

この道はそのまま山を下って千早口駅方面に続いている道ですが、里山わびすけさんはその途中にあります。

やがて建物が見えてきました。あそこが里山わびすけさんの入り口です。

この道は何度か歩いたことがあるので知っていますが、「美加の台の真下にも人が住んでいるんだなぁ」と思っていました。後で話を聞けば、美加の台ができる前から住んでいたのだそうです。

門から先は私有地で普段は中に入れません。

里山わびすけさんの看板です。

敷地内を歩いていくと、やがて建物が見えてきました。

こちらが里山わびすけさんのミーティングルームです。ということで中に入ると、

すでに他の参加者の方が集まっておられました、自己紹介をうかがっていると、偶然にも全員が河内長野市民で、かつ移住組の人の割合が多かったです。

この中には以前紹介した天見小学校に子供を通わせるために、河内長野に引っ越した人もいらっしゃいました。

自己紹介でお話を聞いていると、みんな「自然にあふれた環境の河内長野に移住してよかった」とおっしゃっていました。

これを聞くと、河内長野への移住の良さが、まだまだ河内長野以外の人に知られていないのかなという気がしました。

自己紹介が終わってから、いよいよコンポストに関するセミナーが始まりました。セミナーは、コンポストを持っていなくても、ひとり2000円で参加できます。

セミナーを主催している森さんも河内長野移住組で、13年前に子育てのために引っ越しをされたそうです。森さんは去年の初めにこのコンポストバックに出逢い、簡単に生ゴミを減らすことができることに感動。そしてアドバイザー講習を受け、普及活動を始められたとのこと。

このように、バッグは見た目は普通の布製バッグで、左手に見える袋に入っている土を入れてそして生ゴミを入れると、分解が進んで良い堆肥となるそうです。

生ゴミは、すべてのゴミ焼却の50%を占め、かつ生ゴミは総量の90%が水分だということ。その水分を蒸発させて焼却する必要があるのですが、その経費が全国のゴミ焼却処理費の半分、毎年1兆円かかるそうです。それを聞いて本当に驚きました。

「規模はほんとうに小さいけれど、自分の食べたものをゴミにせずに、作物を植える肥料にできたら」と森さん。コンポストでできた肥料を使えば、土壌も改善され、その結果、土砂崩れなどの自然災害の防止にもつながるんだそうです。

森さんは、非公開のパネルで説明しながら、このように実際の様子を見せてくれました。

「昔は行動範囲も狭く、必要なものを必要なだけ消費していましたが、今は余計なものまでゴミとして焼却している」ということ。

全てを昔の生活には戻せませんが、自分の出来る範囲で無駄な消費をなくしていくことも考える必要があるのではということで、行動範囲が狭かったころの地産地消的な考えが大事なのだろうということでした。

「基本的に食べ物由来の生ゴミならほぼ分解してくれますが、例外なのは貝殻です。貝塚のように残ってしまうんです」言われてみれば確かにそうだなと思いました。

また公式的には袋に入った土を一度に全部入れるそうですが、森さんの経験上、半分残しておき後で少しずつ加えた方が、分解のタイミングなどの問題でいい状態になりやすいとのこと。

さらに一時的に悪臭が出たとしても最終的に分解するので、その際にはきちんとチャックを閉じておくとよい、多少の虫の侵入もチャックがあるので恐れる必要はないということでした。

大きいゴミは分解も時間がかかるから、ある程度細かくした方が良いとのことでしたが、細かくしすぎる必要もないそうです。

森さんの経験とノウハウは一次情報なので、いずれも貴重なお話だと思いました。

「別に中にゴミを入れたらと言って、すぐには分解しません」ということも。初心者の多くがすぐに分解すると思い込んで、バックを開けるとまだゴミの原型が残っており「失敗した」と嘆くそうです。

森さんによればそうではなく、1か月ほど待ってみると大抵の生ゴミは分解し、悪臭も消滅するそうです。稀にカビが発生することもありますが、それも全く恐れる必要がないとのこと。

ただ花や草、落ち葉は入れないでほしい、乾燥させると分解が止まる恐れがあるのでそれは注意してほしいと言われました。

セミナーが終わってから、参加者の皆さんで里山わびすけさんの敷地を少し散歩しました。そこには大きな池がありました。

里山わびすけさんはこれからこの広い敷地を活かして、いろんなことをしてみたいとのこと。コンポストで出来た堆肥を使って多くの人がこの場所で農作物を育てたら、土壌も良くなり、一石二鳥だろうということでした。

微生物が相手なので状況がいろいろ変わるから情報を共有しましょうということで、LINEのグループを作り、参加者のみなさんと情報共有することになりました。

これで何か芳しくないことが起こってもすぐに相談でき、それがひとつの事例となってコンポストを続けて行く情報共有ができるということになります。

帰ってから実際に実践してみました。最初にコンポストバックに土を入れます。

あらかじめ用意しておいた生ゴミを入れます。

このように混ぜました。果たしてこのあとどうなるのでしょうか?ドキドキします。

これからも定期的に里山わびすけさんでセミナーを行うそうなので、興味のあるかたは直接、森さんに連絡してみてください。

コンポストによる生ゴミを減らす活動が広まって、河内長野の生ゴミが少なくなることで、余った税金を福祉にまわせることができたら素晴らしいなぁと、美加の台から見える山々を眺めながらそう思いました。

里山わびすけ(セミナー会場)
住所:大阪府河内長野市岩瀬377
アクセス:南海美加の台駅からバス 美加の台バス停下車徒歩5分
森さんのinstagram(連絡先)

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奥河内地域文筆家(河内長野市・富田林市)

河内長野市の別名「奥河内」は、周囲を山に囲まれ3種類の日本遺産に登録されるほど、歴史文化的スポットがたくさんある地域です。それに加えて、都心である大阪市中心部に乗り換えなしで行ける複数の大手私鉄(南海・近鉄)と直結していることから、新興住宅団地が多数造成されており、地元にはおしゃれな名店や評判の良い店なども数多くあります。そして隣接する富田林市もまた、歴史文化が色濃く残る地域。また南河内地区の中核都市として、行政系施設が集まっています。これを機会に、奥河内(一部南河内含む)地域に住んでいる人たちのお役に立つ情報を提供していければと考えています。どうぞよろしくお願いします。

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