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静岡茶スイーツやティージャムが大人気のお店「お茶と、暮らしと」静岡の茶問屋二代目女性のチャレンジ

日本茶ナビゲーター Tomoko日本茶インストラクター
「お茶と、暮らしと」のオリジナル商品を手に笑顔の岩崎麻須美さん

なんだかんだ茶業界は男性が多い。

最近はジェンダーや多様性が問われる世の中で、茶業界も徐々に変わりつつある気がしますが、それでもまだまだ女性は少ないのが現状です。

そんな中、静岡の茶問屋を勢い(?)で二代目として後を継いだ「お茶と、暮らしと」の岩崎麻須美さん。

その行動力とアイディアは見ていて清々しく、応援したくなるものがあります!

「衰退していく茶業界をどうにかしたい!お茶を盛り上げたい!」という力強い言葉。

従来のありきたりなパッケージではなく、プレゼントにも喜ばれる可愛いパッケージを自らデザインもしたりと、若い世代のアイディアが取り入れられた新しいブランドを立ち上げ奮闘する姿を追いました!

コロナ禍のInstagramで日本茶を盛り上げる

私と岩崎さんの出会いはコロナ禍のInstagram。

お互いに日本茶をもっと広めたいという趣旨の投稿をしており、コメントやDMで交流していました。

お話しを伺ううちに、どうして茶業を継ぐ決意をしたのかという話題に。

元々茶業とは関係のない仕事をしていた岩崎さん。

お父様がコロナ禍で家業の茶問屋「岩崎恭三商店」を畳むという話を聞いた二代目の岩崎さんが「私が継ぐ!」と奮起

それまでの岩崎さんは家業を継ぐことはあまり考えていなかったそうですが、お茶に詳しくないからこそできることがあるのではと、先入観のない新しい感性と自由な発想でSNSで発信したりホームページやロゴを変えたりと工夫して見やすいものに。

さらに、仕事と子育てを両立する多忙な中コツコツと勉強し、広範囲の知識が必要な日本茶インストラクター試験に見事合格!

なかなかの気概と根性です!


静岡の牧之原の取材を依頼

岩崎さんとは「お茶をもっとバズらせたい!」「若い人にももっと日本茶を飲んでほしい」「日本茶はもっと自由でいい!」というところで意見が一致。

過去には静岡の牧之原のお茶について取材する際にも協力していただきました。

2021年3月のYahoo!に記事を書き始めて4本目の記事「【新茶直前!号外③】今年の新茶は早い?静岡の「朝比奈」と「牧之原」からレポート」では、岩崎さんに牧之原の新茶について写真やコメントをいただき完成させました。

その後も商品開発の際や茶葉についてご相談したりと、これまで交流を深めてきました。

2022年に自社ブランド「お茶と、暮らしと」をオープン

たくさんのタスクをこなしながら、2022年5月に自社ブランド「お茶と、暮らしと」のECサイトをオープン。

ホームページにはこのようなコンセプトが書いてあります。

『お茶と、暮らしと』 は『お茶屋さん』ではありません。
暮らしを提案するお店であり、その中にお茶があります。
暮らしと言っても人それぞれ。
更に言えば、1人の人の、1日の中でも目まぐるしく変わっていきます。
『お茶と、暮らしと』はあなたに寄り添い、暮らしをご提案していきます。

岩崎さんらしい暮らしに寄り添う目線で、優しい気持ちになれるようなパッケージデザインと内容の商品を扱っています。

渋谷スクランブルスクエアのイベントの「お茶と、暮らしと」ブースの前にて。商品を手にする岩崎さん。
渋谷スクランブルスクエアのイベントの「お茶と、暮らしと」ブースの前にて。商品を手にする岩崎さん。

現在は、オンラインショップを中心に、百貨店での催事やイベント、屋外フェスへの出店も積極的に行い、時々都内や大阪にも期間限定でポップアップ出店しています。

2024年6月の渋谷でのイベント出店

今年の6月には渋谷スクランブルスクエア内のイベントに出店。

久しぶりに岩崎さんにお会いして、いろいろお話を伺いました。

こちらでのイベントには複数の日本茶のお店が参加していました。正面の「茶」のディスプレイは「ティージック」さんによるもの。
こちらでのイベントには複数の日本茶のお店が参加していました。正面の「茶」のディスプレイは「ティージック」さんによるもの。

この日は初日で、朝早くに静岡を出て渋谷の会場で荷解きからディスプレイまでを完了。

一つ一つに思い入れのある商品が並びます。

静岡・牧之原産の茶葉を中心に飲み比べができる茶葉のセットもあります。
静岡・牧之原産の茶葉を中心に飲み比べができる茶葉のセットもあります。

こちらは飲み比べのできる茶葉のセット。

プレゼントにも喜ばれるパッケージと茶葉ごとの淹れ方の説明が書いているリーフレットも付いています。

ティーバッグの小さいパッケージには一言メッセージが付いているので、ちょっとしたプレゼントに最適!
ティーバッグの小さいパッケージには一言メッセージが付いているので、ちょっとしたプレゼントに最適!

こちらの小さいパッケージにはティーバッグが入っていて、一言メッセージがプリントされているので、ちょっとしたお礼や卒入学のプレゼントなどにに重宝しそうです。

メッセージカードのように贈り物や花束に添えても良さそうですね!

メディアにも取り上げられた「ティージャム」

鎌倉・熱海にお店がある日本茶セレクトショップ「CHABAKKA」とのコラボ商品「ティージャム」はテレビでも取り上げられたりと大人気。下の段にはオリジナルデザインの缶に入った茶葉が。
鎌倉・熱海にお店がある日本茶セレクトショップ「CHABAKKA」とのコラボ商品「ティージャム」はテレビでも取り上げられたりと大人気。下の段にはオリジナルデザインの缶に入った茶葉が。

こちらの上の段は「お茶と、暮らしと」と鎌倉と熱海にお店のある「CHABAKKA TEA PARKS」とのコラボ商品の「ティージャム」。

日本テレビ「ZIP!」でも取り上げられたことのある人気商品です!

抹茶、ほうじ茶、紅ほうじ茶の3種類ですが、この日は抹茶のティージャムは通常タイプと数量限定の特別仕様のものの2種類がありました。

通常のものはバターのこくがあり、数量限定のものはミルク感が多めとのこと。

左から限定版の抹茶のティージャム、中央はほうじ茶、右は紅ほうじ茶のティージャム。
左から限定版の抹茶のティージャム、中央はほうじ茶、右は紅ほうじ茶のティージャム。

せっかくなので限定版の抹茶のティージャムとほうじ茶と紅ほうじ茶の3種類のティージャムを購入。

限定版の抹茶のティージャムを食べてみました!

トーストに載せて。お茶の味と香りがしっかりと感じられてとてもおいしいです!
トーストに載せて。お茶の味と香りがしっかりと感じられてとてもおいしいです!

トーストに載せて食べてみると、しっかりとお茶の香りとほろ苦い味が感じられてとてもおいしいです。

ティージャムのシリーズは人気商品だそうで、かわいい瓶に入っていて日持ちもするのでプレゼントにも良いですね。

静岡のお茶を使った焼き菓子も

抹茶フロランタンとほうじ茶フロランタン
抹茶フロランタンとほうじ茶フロランタン

スイーツも静岡のパティスリーとコラボして、オリジナルのものを販売しています。

上がほうじ茶フロランタン、下が抹茶フロランタン。アーモンドの香ばしさの中にお茶の味が加わって、こちらもおいしい!
上がほうじ茶フロランタン、下が抹茶フロランタン。アーモンドの香ばしさの中にお茶の味が加わって、こちらもおいしい!

抹茶フロランタンとほうじ茶フロランタンは、アーモンドの香ばしさの中にそれぞれのお茶の味が加わってお茶請けにぴったりの味。

ほうじ茶と煎茶のクッキーは飽きの来ない味!
ほうじ茶と煎茶のクッキーは飽きの来ない味!

ほうじ茶クッキーと煎茶クッキーは少し塩が入っていて甘すぎず、後を引くおいしさです。

この他にも静岡茶を使ったカヌレやスティックタイプのバスクチーズケーキなど、スイーツの種類も豊富!

贈り物にも、自宅で楽しむためにも、バリエーションが幅広いのは嬉しいですね。

最近は新商品「米粉のお茶フィナンシェ」も登場したそうで、いつか食べてみたいです!

日本茶のティーバッグもオリジナル

ティーバッグが入っているパッケージはジップ付きのスタンドパック
ティーバッグが入っているパッケージはジップ付きのスタンドパック

ティーバッグはプレゼントにも、自宅用にも良いサイズ感です。

スタンドパックは自立するので、場所を取らず使いやすくて便利です。

深蒸し茶の他に、棒茶(茎茶)、ほうじ茶、抹茶入り玄米茶もあります。

岩崎さんはパッケージのデザインも自前で作成しているものも多く、パッケージの梱包も手作業だそう。

多くの商品を扱うため大変なこともあるそうですが、一つ一つに想いが込められているのが感じられます。

対面で販売のお店もオープン

2024年5月15日には静岡市葵区に対面販売のお店もオープン!

内装もなんと手作業!

ここからスタート!
ここからスタート!

がらんとした空間の壁を塗り床を張り、少しずつ仕上げていく様子をInstagramで投稿していて、私もワクワクしながら応援していました。

中の家具はアンティークがほとんどだそう。

カーテンには静岡の遠州麻を使っているそうで、地元の伝統的な素材も使い素敵な内装に仕上げています。

レジのあるカウンター
レジのあるカウンター

パッケージと同様のふんわりと優しい雰囲気のお店ですね。

棚に並ぶ茶葉やティージャムなどの商品の数々
棚に並ぶ茶葉やティージャムなどの商品の数々

ずらりと並んだ商品も、いろいろ見て選ぶ楽しみがあります。

水出し茶に便利なハリオのフィルターインボトルも、お店の雰囲気に合うやわらかな色合いがセレクトされ素敵です。

静岡で作られる遠州麻の織物を使ったカーテンも手作業で作ったそう。
静岡で作られる遠州麻の織物を使ったカーテンも手作業で作ったそう。

これだけのものを一から作り上げるのは大変だったことと思いますが、そんなことを微塵も感じさせないパワフルさと明るさが岩崎さんの良いところ。

お話ししていてこちらが元気をもらいました!

お店の所在地はこちら。

「お茶と、暮らしと」
アクセス:静岡市葵区1-3-54
電話番号:054-271-2798
営業日:月〜金 10:00-16:00
駐車場:有(6台)
HP:https://ochatokurashito.com/

「お茶と、暮らしと」Instagram(外部サイト)では、ポップアップ出店などの案内もあるのでぜひチェックしてみてくださいね。

【「お茶と、暮らしと」イベント情報】

10/6(日) 静岡 浅間通りにて「長政まつり」(屋外)

10/12-14(土日月)  静岡伊勢丹地下ふるさと村にてポップアップ出店

10/26-27(土日) 静岡 西草深公園にて「サケフェス」(屋外)

※屋外イベントでは普段お店では販売しないドリンクメニューの抹茶ラテなどの販売も

さらに新たな挑戦も!

岩崎さんからは、さらに新たな挑戦についてもお話を伺いました!

現在、実はまた新しい挑戦をしています。

自然の循環と自然との調和】を軸に、耕作放棄地や捨てられてしまうものなど、未利用資源を活用した商品開発をしています

お茶と、暮らしとや、お茶のマルキョウ商店とはまた一味違う、パワーを感じられるブランドを立ち上げ中です。

また、会社として、個人として、女性のライフイベントに合わせた働き方について考えることが多い今日この頃。

理想と現実の差異に悩む時もありますが、"今"の小さい事の積み重ねは"キラキラの未来"へ繋がっている!と思って、日々挑戦しています

私の活動やブランドが皆さんの励みになるよう、精進してまいります!

またしてもこちらが励まされるようなパワフルなコメント!

詳細はしばらく後に発表されるとのことなので、どんな内容なのか今から楽しみです。

これからも岩崎さんのアイディアあふれる展開を応援しています!

取材協力:「お茶と、暮らしと」岩崎麻須美さん

日本茶インストラクター

【お茶の世界の扉を開く日本茶ナビゲーター】 日本茶専門店で7年勤務、茶道歴25年の経験を活かし、大手百貨店や外国の大学等でのワークショップで国内外2,000名以上の方に日本茶の魅力を伝える。 美味しい日本茶とそれにまつわる伝統工芸品を後世にも繋いでいきたい、日本茶への愛と想いで日本茶情報を発信中。 日本茶の商品開発、カフェ・飲食店での日本茶コーディネートや淹れ方指導も行う。 NPO法人日本茶インストラクター協会認定日本茶インストラクター(2004年取得)。 日本語教師(外国人対象)。

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