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35,271人を集めた『こけら落とし』に、ガンバ大阪3−1で快勝!

高村美砂フリーランス・スポーツライター

今シーズンより、ガンバ大阪のホームスタジアムとして使用する、市立吹田サッカースタジアム。同スタジアムのこけら落としとなる、パナソニックカップ『ガンバ大阪VS名古屋グランパス』戦が開催され、35271人の観衆が見守る中、ガンバ大阪が3−1で快勝した。試合後のガンバ大阪監督、選手のコメントをお届けする。

●長谷川健太監督

プレシーズンマッチでこんなに、いい意味での緊張感をもって試合をしたのは初めて。毎シーズン、スタートがあまり良くないので、選手たちには「公式戦のつもりでしっかり入ろう」という話をしていた中で、立ち上がりからしっかり締まった試合をしてくれた。新加入の選手が何人か出場しましたが、それぞれ持ち味を出してくれた。今後、ACLとJリーグの試合が交互にやってくる。そういう意味では今日、新加入選手が期待以上のプレーをしてくれたのは、非常に大きな結果だったと思う。ただ、後半の立ち上がり、連係ミスから失点したのは少しいただけない。試合の入りというところは昨年のスタートも良くなったところなので。ゼロックスで戦う広島は素晴らしいチームですし、しっかり改善して今シーズン初の公式戦で勝利を収められるようしっかりやっていきたい。

ー新スタジアムの感想をお願いします。

本当に素晴らしい声援をサポーターからいただき、非常に素晴らしい試合になった。本当に感謝しています。素晴らしいスタジアムでこれから試合を戦えることを、うれしく思います。ただ、非常に近いので後ろを向くのが怖いため(笑)、なるべくピッチのほうを向いていました。終わって、サポーターの皆さんが喜んでくれている姿を見て「本当に良かったな」と思ったし、選手も新スタジアムのこけら落としで「負けるわけにはいかない」という気持ちをもって、非常によくやってくれた。

─新加入のアデミウソンの評価と、彼により求めたいところとは?

彼には「行けるところまで行け」と指示をして65分くらいまでは、前線の起点になって、ボールを運んでと、非常によかった。もっともっと、ゴール前ではわがままに、個で勝負してもいいし、これからはより結果を求めてやっていってほしい。今後、よりスムーズにチームに溶け込んでいってくれると、期待しています。

─ACLとリーグ戦はある程度、分けて考えているのか?つまり、ターンオーバーを敷くのか。また、藤本淳吾選手について、セットプレーのバリエーションが増えたことについては?

淳吾は左足のキッカーということで、そういう意味では非常に大きい。今日、遠藤が少し右足の甲を痛めていたので、セットプレーは蹴らせなかった。今後は、ヤットと淳吾でバリエーションも増やせると思う。ACLとJリーグを並行して戦うことについては、非常に難しい問題ですが、選手の状態を見ながら、コンディションがいい選手を使っていきたい。初めは5連戦から始まって、また中4日で3連戦がある。中4日を連戦と考えれば、8連戦でスタートすることになる。そう意味でもメンバーを固定することは不可能。随時、コンディションを見ながら、メンバーを選んでいきたいと思う。

●今野泰幸

(ゴールについて)セットプレーからゴールできたのは大きいし、よかったけどシーズンはこれからなので。(芝はどうでした?)アップの時は濡らしていなかったからどうかなと思っていたけど、アップが終わって濡らしたからそんなに悪くなかったです。(練習試合4試合目、コンビネーション等は高まってきましたか?)そうですね。やっぱりこうして公式戦に近い形でやると気持ちも高まるし、アデミウソンや淳吾も違いをみせてくれたので。アデミウソンも、あそこでターンとかがおさまると一気にスピードアップできますからね。相手にとって怖いカウンターも効いていたなと思います。(前でおさまるポイントが増えたのは大きいですね)大きいですね。みんなで守備をしてボールを奪ったあとに早い攻撃というのはすごく精度高くできると思う。(守備については? 初瀬くんが初めて右に入りました)そうですね。でも守備はやることは変わらないし、ガンバは約束事がきっちりしているので、みんながしっかりポジショニングのミスがないようにしていけば失点は減ると思います。今日は1失点、与えてしまったけど90分を通して悪くない守備だったと思います。(これだけのお客さんが入った中で、このスタジアムに改めて感じた事は?)まあ声も結構、近くにいけば聞こえたし、やっていながら雰囲気いいなっていう感じもしたし、すごい良かったです。照明がついたときも全然違和感なくプレーできましたしね。サポーターも惜しかった時に「う〜」とかいうのもヨーロッパ的で良かったと思います。

●藤春廣輝

芝がちょっと長くて足が疲れるなという感じはしました。まだ今は慣れていないのもあって万博の方がやりやすかったですね。慣れていくしかないと思います。(練習試合をいれて4試合目でした。コンビネーションは良くなってきましたか?)得点がとれたのもよかったし、試合に勝てたのも良かった。新加入の選手攻撃に関われたのでよかったと思います。とはいえ、まだうまくいってないところもあるし、サイド攻撃も思うようにいかないところもありましたけど、そこはこれからどんどん積み上げていければいいと思う。(初瀬くんが右に入った中で、左右のバランスについてはどういうことを意識していましたか?)バランスを考えながら初瀬には思い切りやれといっていたので、いい感じでやれたと思います。失点はしたけど危ないところもしっかり体は張れていたので良かった。

●アデミウソン

素晴らしいスタジアムで、芝生もいいコンディションだったので良かった。キャンプ後の最初のゲームというところで、チームとして今年やろうとしていることはある程度で始めたのかなと思います。(コンビネーションについての手応えは?)ゲームもすごく大事ですが、ゲームは日々のトレーニングの確認で、自分たちがやっていることを出す場ですから。日々のトレーニングの中であわせてきたことが出来始めてきたので、これから足りない部分を更に練習で補ってm次のゲームでもう少しいいパフォーマンスが魅せられたらなと思います。(1点目、結果的にオウンゴールになりましたが、左でいい起点になりました)すべてがチームに順応しているかと言えば、まだまだだと思いますが、日々、チームに更に適応できるように努力していきたいと思っています。(前線からの守備のところもかなり意識的にやっていたように思います)やはり監督が一番要求されているのは切り替えのところで守備にいくときだと思うんですが、その中でいま自分にできることをゲームの中でやっていたので、そのクオリティをもっとあげれたらなと思います。

●初瀬亮

最初はベンチに入れるか分からいくらいでしたが、オ・ジェソクがあまり足の状態がよくなくて、練習が終わって健太さんにいくぞ、といわれました。急遽でしたが、こけら落としの場でデビューできてよかったです。緊張もそこそこありましたけど、(丹羽)大輝くんを筆頭にみんなが声をかけてくれたのでなんとか試合に馴染めたかなと思います。(マッチアップ、大変でしたね?)そうですね。日本一速い選手とデビュー戦でマッチアップで…すごい速かったですし、でも自分の課題もでたので、これから毎日の練習で1:1の対応なり頑張っていきたいです。(一番の課題に感じたのは?)やっぱり守備ですね。守備ができないとこのチームで使ってもらえないので。守備ができて、かつ攻撃の部分で自分の特徴であるキックを出していけたらと思います。左右サイドバックをできることを特徴にしていきたいし、両方のサイドで守備の対応をこれから頑張って行きたい。(ワンプレーワンプレーに歓声があがりましたが)4万人スタジアムであんな歓声をうけるのは初めてですからね。でも試合中はあまり聞こえなかったというか。集中しすぎてあまり耳に入ってこなかったんですが、最後交代する時には「ああ、ここでやっていたんだな」と思いました。(しっかり勝利で終われてよかったですね)このあとゼロックスもあるしACLもあって試合数は多くなるので、どこかでチャンスがあると信じて、試合に出た時に結果だせるように、今日の試合で課題でたことを毎日の練習で頑張ってまたもっといいプレーができるように頑張っていきたいです。今日はまだ自分の特徴をだせていなかったので。

ー(明神が偶然、隣に…)明神選手と同じピッチでプレーできたことについては?

すごい嬉しかったです。(明神:思ってないやろ!)いや思っています(笑)。天皇杯の時からみょうさんにはずっと声を掛けてもらっていたので、みょうさんがでてきたからこっちみてくれるかなと思ったんですけど…こっち向いてくれないなと思っていました(笑)。

●井手口陽介

芝であったり、雰囲気はすごくよかったので、これからここで出られるように頑張っていきたい。(休みがなかった分体は動けてると思いますが、チームに戻ってのコンビネーション、試合感は?)コンビネーションは問題ないんですけど、もっと攻撃の部分で関わっていくことができればというのは感じました。(守備ではしっかり存在感示していたね)そうですね。守備のところでは絶対に負けたくないと思っていたので、ボールをいっぱいとれるようにということは意識してやっていました。

●倉田秋

公式戦と同じイメージで戦おうということで試合に入ったので、勝てたのは良かった。(スタジアムは?)雰囲気は最高だったから、あとは、ここでいい結果を残して優勝するだけですね。今日は出場時間が短かったけど、誰にも負けていない自信はあるので、次、公式戦はしっかりスタメンがとれるようにアピールを続けたい。(初めてのピッチで確認できたことは?)思ったより芝が長くて万博とは違う感覚だったので、まあ、そこはすぐに慣れると思うんで。今日で感覚的なことは掴めたのでそういう意味でも今日できて良かったです。

●遠藤保仁

(サポーターの方に提案していた「う〜」の声援は耳に届きましたか?)届きました。先週サポーターの皆さんにお話ししたんですけど、今日はまださぐりさぐりで慣れない感じもありましたが、あれがもっともっと大きな塊になるといいなと感じました。嬉しかったです。

●東口順昭

GKとしては声の通り具合とか意識していましたけど、全然通らなかったです。万博でやっていたときは声でポジションの修正ができたところが、ここはできないのでそういう難しさはありました。(照明が途中でついたのは?)照明は全く気にならなかったです。いきなり一度についたのでびっくりしました。すごかったです。(コンビネーションについて)前線は、うまくいくときはうまくいくし、それまでは何かしら工夫してやればいい攻撃ができるタレントが揃っているので。守備に関しては特に問題はなかったと思いますが、コーチングでカバーできるようなマークの受け渡しは考えないといけないですね。

●宇佐美貴史

(アデミウソンが持ち味出したが、攻撃力の部分は向上しましたか?)宮崎で2試合やって、まったく形が作れなかったなかで、今日もどうなるかなって思いましたけど、実戦の雰囲気のおかげで向上していたな、と。ただ、まだあの布陣でやるのは1試合目だと考えても、僕自身のコンディションもそうですし、チームの状態もそうですけど、個々がまだまだ伸びていく段階なので。今はまだ伸びてき始めたかなっていうぐらいの時期なので。それでも、その時期にしっかり勝てたのは良かったと思います。(アデミウソンも宮崎キャンプより、攻撃に絡む機会が増えたように思いますが。)そうですね。でも、今日はアデと僕というより、そこに淳悟さんも絡んできていたし、更にパトのところでもうちょっと絡めたら僕らも助かりますけど、そうなればもっといい絡みができるかなと思います。敵陣に押し込んだ中での連係ももっと深めていきたいし、深める質や回数も、これから伸びていくと思います。(スタジアムはどうでした?)良かったですよ。(サポーターの声も大きかったですね)見ての通りです。近いところで、この人数がいれば、こうなるんだろうなっていうのがすべてだと思いますし、見ている人が感じていたことを、僕らも中で感じていたので。サポーターの声がダイレクトで入ってくる環境なので、やっていてすごく楽しかったです。(ここと似た感じのスタジアムはこれまでありました?¥)ホッフェンハイムのスタジアムには似ていたけど、その規模を上げたような感覚で、もっと近いし、もっと人数も多いですし、本当にすごくやっていて楽しかったです。(レフティの選手が中盤にいなかった中で、藤本選手が右サイドでポイントを作れると、左サイドの選手にとってはチャンス増えるのでは?)ガンバにはいないタイプの選手で一回、僕の動きたい方向と淳悟さんの出したい方向がずれてチャンスにならかなったんですけど、そういうところを合わせていければ、もっともっと楽しくなると思いますし、まさにこれからが楽しみだなって思います。(相手チームに明神選手がいましたが)赤が似合わへんなと思って見ていました(笑)。僕らからすれば青の似合う選手だし、馴染んでいないとも思いました。ただ、17番を付けて、相手チームですが、その背中を見れたのは嬉しかったです。相変わらず、名前の通り、ガンバの中では神ですね。みょうさんは。私生活の面でも、ピッチ内でも、背中を見せ続けてくれた人ですし、今のガンバの基盤を作ってくれた人だと思っています。

●名古屋グランパス/明神智和

出場の際に、たくさんの声援をいただいて嬉しかったです。試合前にも、コールをいただいたので。ただ…個人的には非常に嬉しかったし、いい思い出にもなったんですが、チームとしてはこういう結果で終わってしまったので、悔しい気持ちもやはりあります。名古屋でのシーズンが始まって1ヶ月ほどが経ち、当然、気持ちの切り替えはしっかりできていますが、純粋に新スタジアムでプレーできたのは嬉しかったです。(改めてスタジアムの雰囲気にはどんなことを感じましたか?)お客さんもいっぱい入っていたし,本当にすごいスタジアムだなと感じました。

フリーランス・スポーツライター

雑誌社勤務を経て、98年よりフリーライターに。現在は、関西サッカー界を中心に活動する。ガンバ大阪やヴィッセル神戸の取材がメイン。著書『ガンバ大阪30年のものがたり』。

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