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フリーマンが近づいているのは、アクーニャJr.とは違う「30-60」。到達すれば、こちらも史上初

宇根夏樹ベースボール・ライター
フレディ・フリーマン(ロサンゼルス・ドジャース)Aug 28, 2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 今シーズン、ロナルド・アクーニャJr.(アトランタ・ブレーブス)は、1シーズンに30本塁打以上と60盗塁以上を記録した、史上初の選手となった。

 一方、2年前までブレーブスでアクーニャJr.とチームメイトだったフレディ・フリーマン(ロサンゼルス・ドジャース)は、アクーニャJr.とは違う「30-60」を達成する可能性がある。

 9月7日、フリーマンは、シーズン52本目の二塁打を打った。一塁側のラインの内側に落ちた後、ファウル・ゾーンに転がった打球を、ボール・ボーイが拾ってスタンドへ投げ入れてしまったが、このアクシデントがなく、ライトが処理していても、二塁打になっていただろう。

 今シーズン、フリーマンは、25本のホームランを打っている。レギュラーシーズンが終わるまでに、あと5本のホームランと8本の二塁打を打つと、30本塁打と60二塁打となる。こちらも、同じシーズンに揃って記録した選手はいない。

 ただ、ドジャースは、139試合を終えている。レギュラーシーズンの残りは23試合だ。フリーマンが、30本塁打以上と60二塁打以上の両方に到達するのは、難しいかもしれない。

 どちらか一方の場合――もちろん、どちらにも届かず、30本塁打未満と60二塁打未満ということもある――20本塁打以上(30本塁打未満)と60二塁打以上なら、1934年に26本塁打と63二塁打のハンク・グリーンバーグに続く、史上2人目となる。1シーズンに60本以上の二塁打を打った6人のうち、あとの5人は20本塁打に届かなかった。

 30本塁打以上と50二塁打以上(60二塁打未満)は、延べ25人が記録している。

筆者作成
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 25人中11人は、40本塁打以上と50二塁打以上だ。なかでも、1995年のアルバート・ベルは、ホームランも二塁打も50本以上だった。

 2019年に30本塁打以上と50二塁打以上を記録した2人は、当時、ボストン・レッドソックスでともにプレーしていた。彼らのうち、ラファエル・デバースは、現在もレッドソックスの選手だ。ザンダー・ボガーツは、今シーズンからサンディエゴ・パドレスでプレーしている。

 なお、アクーニャJr.は、9月7日に、シーズン33本目と34本目のホームランを打った。現時点の盗塁は63だ。こちらは、ホームランと盗塁の「40-60」や「30-70」、あるいは「40-70」もあり得る。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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