セクシー女優の結婚にありがちな賛否…婚活で水商売歴を明かす人は1%?
■セクシー女優やグラドルの結婚に対する世間の反応
お笑い芸人「カミナリ」のまなぶさんが、9月に結婚式を行ったことを発表するとともに、お相手が元アイドルの成瀬理沙さんであることを公表し、話題になりました。婚姻届けを出したのは2年前で、当時は20代一般女性と発表していました。理沙さんはアイドル引退後から2017年までセクシー女優としても活動していました。まなぶさんはTwitterで結婚式で流した2ショットムービーを公開し、「理沙さんは僕の仕事にすごく理解のある方です」とご自身も理沙さんの経歴を理解していることを示唆しています。
最近では、結婚・出産後もグラビアアイドルとして活動する倉持由香さんが、「結婚しているのにグラビアをやるとか旦那さんや子どもがかわいそう」というSNSの声に対し、「『ママはお尻であなたのおむつ代やミルク代を稼いできたんだよ』って尻を張って言いたいですね!」と返したことが話題になっていました。
結婚は夫婦2人で築いていくものなので、現在や過去の職業については、両者の理解があることが一番です。セクシー女優やグラビアアイドルは芸能活動ですが、セクシーな接客業やキャバクラ、ホステスなどの経歴も、色眼鏡で見られやすい職業かもしれません。
婚活現場で、過去の経歴や職業はどのように見られるのか、どこまで明かし、どう縁談を進めていくのかについてお伝えします。
■婚活で水商売などの経歴を明かす人は1%
結婚相談所の場合、モデル事務所に登録しているくらいの人はたくさんいらっしゃいますが、現役で人前に出る芸能活動をしている人が登録されるケースは少なく、過去の経歴である場合、プロフィール上で広く公表したり、あえて明言したりということは勧めていません。
婚活は本気で結婚することを目的にしていて、未来のための活動ですから、マッチングする相手によって事前にお伝えするのか、伏せておくままにするのかを検討されるケースが多いです。
水商売の場合ですと、わざわざ経歴としてプロフィールに書く方は1%と少数派で、ある意味で目立ちます。職業を気にしない男性や、「水商売経験があるということは、気遣いできて容姿端麗なのだろう、奥さんになってくれたらうれしい」とプラス評価で考えてくれる人を見つけられれば幸せになれます。恋愛結婚で好きになった人ならいいという男性は多いですが、婚活の場合は事前にそういった経歴を知って、結婚したいと考える人は少数派ではあります。
男性によってこの辺りの受け取り方にはかなり差がありますが、若い頃はキャバクラやホステスの女性と散々遊んだものの、結婚するなら素朴な方、堅めの職業の女性がいいという方もいます。ある地方の建築会社の跡取りの男性は、若い頃は地元のキャバクラで遊びまわっていましたが、都会的な洗練された女性と結婚したいと言って、週に1回東京に通い、私の相談所で婚活をされました。士業の女性や、大企業勤務の女性と次々にお見合いをし、結果的には、家業の法務を手伝えるということで、弁護士資格をもつ女性と成婚されました。
結婚の場合、本人は良くても両親や親族から批判的に思われないか、同僚や知人友人の妻と比べてどうかなど、自分以外の評価軸を気にする方もいらっしゃいます。ですから、結婚だからと言ってすべて打ち明ける必要もないですし、言わない選択もあると私は考えます。職業だけでなく、ほぼ完治し、出産への影響も少ない婦人科の病歴をわざわざ伝えて破談になった女性もいます。伝え方やタイミングや受け取る相手男性のリテラシー次第で、余計な心配を掻き立ててしまうこともあるのです。
■本業かアルバイト経歴かによって、最適な答えは異なる
本業なのか、アルバイトなのかによっても、受け入れる側の印象は変わります。例えば、家計が苦しく学費を自分でまかなうために週2~3回のアルバイトとしてキャバクラ勤務をした、ということであれば、あえて言う必要がない場合もあります。逆に、本業で長年水商売をしていた方の場合、職業は「今までどうやって生きてきたのか?」という人生観や生き方にかかわってきますから、隠すよりも、理解を得られるお相手とマッチングしたほうがお互い幸せです。
実際、20年近く水商売を本業としてきた、37歳の現役ホステスさんの婚活のお世話をしたことがあります。最初はホステス経験を明言せずに、エリート医師ともマッチングし、LINEテクニックでメロメロにしていたのですが、お相手の学歴や肩書、親族などのバックグラウンドを知るうちに、打ち明けると引かれてしまうかもしれないという恐れが高まり、結局お別れしました。
その後、はじめからホステスの経歴を明かしてマッチングしたのが、建築会社の代表を務める男性でした。今まで会ってきたエリート男性とは、身なりもしゃべり方も違いましたが、一言でいうとワイルド! でも、そんな彼だからこそ、彼女は自分の経歴や過去を隠すことなく、正直な自分でいることができたのです。
逆に、こんな事例もありました。大学生の時に3年間キャバクラでアルバイトしていたことのある、33歳キャリアコーディネーターの婚活女性がいました。派遣社員ながら、職場ではチーフを務め、真摯に仕事と向き合っていました。マッチングした男性は40歳、経営者でしたが育ちがよく、スナックやキャバクラの接待経験などもない、おぼっちゃまタイプ。3回目のデートでお酒を飲んだところ、彼女が自分のキャバクラ経験を面白おかしく話してしまったのです。彼女はお酒が大好きで、飲むと上機嫌になって手を叩いてゲラゲラ笑ったり、ボディタッチをしたりという悪い癖が出てしまいました。男性は、複数の女性と仮交際中の段階でしたから、「清楚で上品そう」という理由で他の女性と縁談を進めることを選びました。逆に言えば、33歳の彼女の「明るくて楽しい子」という良い印象が、「素行が悪そう、品がない」というイメージに結び付いてしまい、男性はトーンダウンしてしまったのでしょう。
■打ち明けるなら、タイミングは「結婚前提」の真剣交際時
最後に、ご自身の過去の職業や経歴で気になるところがある場合、どうするかまとめておきましょう。
まずは経歴はさておいて、自分が将来どんな結婚生活をしたいのか、ということからお相手の条件を絞り、そこにマッチングする自分の見せ方を取捨選択し、自分のプロフィールを作ってみましょう。例えば、お育ちのいいお相手と出会いたいならば、あえて気になる経歴を強調する必要はないでしょう。幼少期や学生時代、ご実家やきょうだいの様子、働き方や暮らしぶりの中から、客観的な観点で、自分のプロフィールを作りましょう。
ただ、性的な職業であったり、長年働いたことにより過去の経歴が人生観に深くかかわったりしている場合は、あらかじめ明らかにして、受け入れてくれる人とマッチングするのもひとつの手。ですが、マッチングアプリなど遊びの出会いが可能な場所だと、「結婚はしたくないけれど、遊びたいだけ」という体目的の相手とのマッチングに結び付きやすいので、そういった場所では経歴を明らかにしないほうが賢明でしょう。
出会った相手と交際初期の段階では、日常会話や行動範囲、友人関係を見て、この人なら理解してくれるだろう、ということを見定めていきます。婚活で言う真剣交際、つまり結婚を前提にお付き合いとなったときに、伏せたままにするか、打ち明けるべきかを考えます。さらに、打ち明けることでお相手が思い悩んだり、引いてしまったりするかどうか。そして、それでも伝えたいのかどうかを、もう一度考えてみるのがいいでしょう。
違う世界で生きてきた人同士が出会えるのが婚活の魅力ではありますが、結局はマッチングがズレていると無理が生じたり、どちらかが受け入れがたいと感じてしまうものです。芸人さんやセクシー女優さんの場合は、ともに華やかながら浮き沈みの激しい厳しい世界を知っているからこそ、うまくマッチングし、お互いを理解し合えたのでしょう。