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婚活でLINE未読はあり?人気俳優の〝連絡無精〟で考える、LINE苦手な人の最適解

植草美幸結婚相談所代表・恋愛・婚活ジャーナリスト 植草美幸
(写真:アフロ)

◆俳優の菅田将暉さん〝未読キャラ〟暴露。連絡無精でも夫婦円満?

フジテレビ系トーク番組で俳優の菅田将暉さんが共演者から〝連絡無精〟を暴露され、「1万件超の未読LINEがある、数か月から数年後に返信することもある」と明かし、周囲を驚かせる場面があったそうです。菅田将暉さんといえば、2021年に小松菜奈さんと結婚し、今年3月には第1子が誕生。仲睦まじい姿を見せてきました。

芸能人の場合、仕事はマネージャーが管理している場合が多く、人気俳優は忙しさも異次元なので同列には語れませんが、現代においてLINEはインフラの一部。一般的な社会人としては数か月も未読スルーとなると、コミュニケーションやマナーの面で疑問符が付くかもしれません。ただ、冒頭の話題についてスポーツ新聞は、「小松さんは菅田さんのように連絡無精のほうが気楽だったようだ」とも書いていました。

「連絡無精のほうがいい」「LINEのやりとりが少ないお相手と付き合ったら気が楽だった」というのは、婚活現場では比較的男性に多い傾向です。大まかに言うと、男性からは「文章作成が面倒、忙しいのにドンドン送られてきて困る」という頻度に関する声が多く、女性からは「相手のLINEがおじさんっぽい、怖い。頻度や内容に気持ちがなさそう」など、内容や印象に関する不満を多く聞きます。

そもそもLINEは波長が合う人同士が使うと快適ですが、相性によってはモヤモヤのもとになりやすいもの。また、共に待つ人同士・連絡無精同士だった場合、話が進まず婚活自体も停滞してしまいます。

LINEはとっさの言葉選びが必要だからこそ、お見合いなどで数回会ったばかりの相手とやりとりするのは意外と難しくちょっとした失敗がマイナス評価につながりやすいもの。

今回は婚活でのLINE連絡の頻度や優先順位の考え方、現場でのアドバイスを中心にお伝えします。

◆婚活で最適なLINEの頻度とは?

婚活の場合、職場・学校の人間関係とは違い、プロフィールを見た程度のほぼ初対面の相手とLINEでやりとりすることになります。仲を深める前に、LINEで余計なマイナス印象を作らないことが重要です。

LINEの頻度や優先順位に関しては、正直、双方の温度感の掛け合わせ次第です。つまり、相手のことが好きならすぐに、たくさん連絡が欲しい。でも、まだ好きになっていない相手から頻繁に連絡が来れば疎ましいというのが本音。

結婚相談所では「何日も連絡が取れない、返事がない」となれば、仲人を通じて「お相手から連絡が取れないと問い合わせが来ています。交際終了をご希望ですか?」等の連絡をさせていただくことになります。ただ、未読スルーとまではいかないものの「LINE返信の頻度が合わない・連絡が遅い・やりとりが進まない」というお悩みはよくあります。

一方は相手を気に入っているのですが、相手にとっては大勢のうちのひとりで、優先順位が高くないので後回しにされてしまう。一方は婚活への熱意が高く、積極的に連絡を取ろうとする。でも、お相手は仕事優先で婚活相手への連絡は最低限にしたいと思っている。そんな温度感の差で、「返事が来ない……」と消沈してしまうということは、男女ともにあります。

◆婚活LINEで連絡事項の「譲り合い」はNG

連絡無精がゆえに、デート直前になっても場所や時間が決まらない……という場合は特に困ります。電話やLINEのやりとりが進まず、初めてのデートがお見合いから1カ月後になってしまうケースもあるほどです。

実際の例では、女性側から「私がリードして20日にデートしましょうと決めたのに、相手からは19日になっても何の連絡も来ていないのですが、どうなっているんですか?」とご立腹で問い合わせがありました。男性に状況を聞いてみると、「女性から“20日にしましょう”と誘っていただいたので、“大丈夫です”と返事をしましたよ。後日、誘ったほうからお店や時間の連絡があるんだろうと思っていたので……」と言うのです。連絡事項の「譲り合い」をしてしまったことがトラブルのもと。どちらも言い分はあるものの、結局は相手がやってくれるだろうと思って放置してしまった。どちらかが「場所や時間はどうします?」と積極的に聞けば、トラブルを回避できたのです。

◆LINEの頻度が違和感に繋がる

最近の婚活現場でのコミュケーションとしては、LINEの内容も、家事や暮らし・食生活を感じさせる日常のやりとりが、成婚に繋がりやすくなっています。結婚相談所によっては、1日1回以上LINEしましょうとアドバイスするところもあるようです。

頻繁なやり取りによって起こりやすい失敗LINEにも触れておきましょう。

・打ち解けていないのに、冗談で怖いスタンプや、偏った趣味のスタンプを送ってしまう

・「おはようございます。今日も天気いいですね!」など、中身のないLINEを毎日送って相手を困らせてしまう

・「やっと仕事終わった。外回りで疲れたよ~」など愚痴を書いてしまう

これらはすべてNGです。出会ったばかりで共通の話題が少ない時期に、なるべく毎日送らなくては……と焦るあまり、つまらない内容や印象を悪くする内容を送ってしまう人がいます。

LINEが苦手な人やコミュニケーションに不安がある人には、「デート1~2回目までは、LINEは3日に1回、連絡事項+好印象メッセージのみにしましょう」とお伝えしています。お互いが惹かれ合っていることが確定するまでは、1週間後にデートの約束をしたら、直前に1回ラリーをする程度。1~2回目のデートまでは3日に1回くらいで十分です。

内容も、連絡事項の最後に、「素敵な1日になりますように」「ゆっくりお休みください」などねぎらいの言葉を入れるだけにとどめます。

また絵文字やスタンプは、ズレた絵文字やスタンプを使うとマイナス評価になることもあるので、連絡事項のあとに「よろしくお願いします」「ありがとうございます」などの敬語スタンプを送る程度にとどめましょう。お見合い1回デート1回くらいではなかなか分かりませんが、デート3回以上になれば、お互いの距離感やスタンスもわかってくるはず。

しっかり話して仲良くなってしまえば、LINEでの印象は表面的なことだと気づけますから、そうなれば気疲れしません。ただ交際・結婚を目指して手探りの段階なら、マイナス評価を減らすよう上手に使いましょう。

そしてもう一つ。連絡無精な人は、シチュエーション別の名前なしの定型文を作ってコピー&ペーストすることもおすすめです。放っておくとまったく連絡しなかったり、馴れ馴れしいメッセージを送ってしまったりする人は、事前の準備で回避しましょう。

例えば、デートの後は必ずLINEすると決め、帰りの電車で定型文をコピペですぐ送るルールにします。おすすめは、「楽しい時間をありがとうございました、次回はいつにしましょうか? 僕は○日を希望しています。またお会いできることを楽しみにしています」。

本来は、お相手の名前を入れる、具体的にデート中の話題やのエピソードを組み込んで褒める……などのテクニックを使いたいところですが、先ずは基本から。慣れない人がコピペに名前を入れると間違えるので注意してください。

◆LINE頻度や連絡無精が気になったら、顔を合わせてすり合わせを

もし、お相手とLINEの頻度が合わないと思ったら、会ったときに顔を見ながら話し合いましょう。変に感情的になったり、被害妄想を膨らませたりすることなく、まずは相手に今の頻度についてどう思うか聞いてみます。

「LINEの頻度はどの位がよいですか?」「僕は連絡無精で、あんまり返せなくて……」「そうしたら、3日に1回くらいがいいですよね!」というふうに、シンプルに確認作業をします。不平不満をLINEで伝えると勘違いや誤解が生じやすいので、直接会ったときに感情を入れずにフラットに。

そうすれば「気持ちがなくなった?」と不安になることもなく、お互いが心地よい状態にすり合わせできます。原則、他人を無理やり変えることはできませんが、話し合うことはできますから。

最近はマッチングアプリを使用している人も増え、コミュニケーション能力の低下が指摘されています。マッチングアプリの後腐れのない出会いでは、未読スルーのまま自然消滅することが頻繁で、お互いのすり合わせをする必要がない一方、思ったことを伝えられない、向き合えない人たちが増加しているようです。

LINEの頻度も優先順位も、結局は相性。一生のパートナーならなおさら、お互いが心地よいLINE頻度を探っていきましょう。

結婚相談所代表・恋愛・婚活ジャーナリスト 植草美幸

千葉県出身。青山学院大学卒業。結婚相談所マリーミー代表、恋愛・婚活アドバイザー。1995年に、アパレル業界に特化した人材派遣会社、株式会社エムエスピーを創業。そこで培ったコーディネート力を活かし、2009年、結婚相談所マリーミーをスタート。以後10年以上にわたり年間約1,000組の恋愛・結婚に対するアドバイスを行い、業界平均15%と言われる成婚率において、約80%の成婚率(※)を記録している。『結婚の技術』『婚活リベンジ!』など、著書は計14冊。メディア出演の他、地方自治体をはじめとした講演依頼も多数。(※) 成婚退会者数÷全体退会者数で算出。

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