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松坂はもっと早く手術を受けるべきだったのではないか?

豊浦彰太郎Baseball Writer

ソフトバンクの松坂大輔は、18日に関東の病院で右肩を手術した。「右肩関節関節唇および腱板クリーニング、ベネット骨棘切除、後方関関節包解離術を受けた」という。

今季は、4年12億円+出来高の大型契約で日本球界復帰を果たしたが、春先から右肩の不調を訴えリハビリを続けていた。各スポーツメディアの報道によると、ブルペン投球の再開の目処も立っていなかったらしい。

ここまでは事実。そして、ここから先は憶測だ。

8月中旬のこの時期に手術を受ける決断を下したということは、復帰までに要する期間(6ケ月)を勘案してのことではないか。順調に行けば来年2月中旬のキャンプたけなわの時期に復帰が望めるのだ。逆に言えば、これ以上治療方針の方向性に関する判断を先延ばしにすると、来季もフルに活躍することは難しくなる。それを念頭においての、苦渋の決断だった可能性は高い、とぼくは見ている。

だとすると、別の疑問も沸く。もっと早く手術を決断することは無理だったのか?もちろん、ぼくに医学的知識はゼロだが、報道によると痛みは春先からのものだ。ここにきて急速に悪化し、手術を要するレベルまで進行したということではないだろう。ならば、もっと早い時期の手術はより早期の復帰を可能にするはずだ。極論すれば、3月の段階で手術を受ければ今季内の復帰も可能だったのではないか。仮に今季中は無理だったとしても、より来季に向け、十分なリハビリ期間が確保できる。

大きな契約を手にしながら「入団即手術」はあまりに心苦しいだろうことは想像に難くない。しかし、外科手術に頼らねばならぬなら、いたずらに月日を費やすことなく早期にその旨を表明し、たとえ罵声を浴びせかけられることになろうとも療養に努めるのが真のプロの姿だろう。

こういうことを述べるのも。アメリカ時代から松坂は「故障を抱えた状態で無理をして状態を悪化させる」「手術後の復帰を焦り結果的に完治が遅れる」という傾向にあったからだ。これが杞憂であることを望みたいが、過去の事例に照らし合わせると、その懸念もぬぐい去れないのだ。

Baseball Writer

福岡県出身で、少年時代は太平洋クラブ~クラウンライターのファン。1971年のオリオールズ来日以来のMLBマニアで、本業の合間を縫って北米48球場を訪れた。北京、台北、台中、シドニーでもメジャーを観戦。近年は渡米時に球場跡地や野球博物館巡りにも精を出す。『SLUGGER』『J SPORTS』『まぐまぐ』のポータルサイト『mine』でも執筆中で、03-08年はスカパー!で、16年からはDAZNでMLB中継の解説を担当。著書に『ビジネスマンの視点で見たMLBとNPB』(彩流社)

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