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NY原油5日:米原油在庫減少も、シーズンオフの過剰在庫警戒で反落

小菅努マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト
(写真:アフロ)

NYMEX原油9月限 前日比0.59ドル安

始値 45.96ドル

高値 46.70ドル

安値 44.83ドル

終値 45.15ドル

米原油在庫は減少したものの、これを手掛かりに安値是正を進めるような動きはみられず、反落した。

アジア・欧州タイムはやや安値是正の動きが優勢になるも、米エネルギー情報局(EIA)の週間需給統計発表後は一気に1.5ドル前後の急落となり、マイナス圏に沈んでいる。その後も反発力は限定され、45ドルの節目を巡る攻防になっている。

EIA発表の原油在庫(7月31日時点)は、前週比-441万バレルの4億5,528万バレルとなった。マーケットでは200万バレル前後の減少を予想していた向きが多かったが、米国内産油量がやや伸び悩んだこと、製油所向け需要が堅調だったこともあり、比較的大きな規模の在庫取り崩しが行われている。ただ、既に8月入りする中、今後は製油所が秋の定期修理に突入することになり、製油所向け需要がピークを打つのは時間の問題になりつつある。このため、寧ろ前年同期を9,000万バレル近く上回る過剰在庫が原油相場の上値を圧迫している。

なお末端のガソリン需要は高水準を維持しているが、季節要因から需給緩和圧力が強まり易くなる中、原油相場の地合は一段と悪化し易い。本日は為替相場がドル安方向に振れたことが下値サポート要因になったが、なお需給リバランスを進める必要性の高いマーケットであり、ボトム確認には慎重スタンスが要求される。直近安値42.63ドル(3月17日)を打診する流れは維持されよう。

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マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト

1976年千葉県生まれ。筑波大学社会学類卒。商品先物会社の営業本部、ニューヨーク事務所駐在、調査部門責任者を経て、2016年にマーケットエッジ株式会社を設立、代表に就任。金融機関、商社、事業法人、メディア向けのレポート配信、講演、執筆などを行う。商品アナリスト。コモディティレポートの配信、寄稿、講演等のお問合せは、下記Official Siteより。

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