【新型コロナ】世界のワクチン接種の進み具合とは インドのワクチン提供で物議も
新型コロナウイルスのワクチン接種が世界中で進められているが、現在どの国でどこまで実施されているのだろうか。
世界保健機関(WHO)の調べによると、開発中のワクチンは230を超える。各国の医療当局から認可を受けたワクチンは6つ。
100人当たり何人が接種を受けたかのランキングによると、トップはイスラエルの14.4人。これにバーレーンの3.62人、米国の1.39人、英国の 1.38人が続く(1月4日、ウェブサイト「アワ・ワールド・データ」が集計)。
ワクチンの接種回数はこれまでに世界中で1300万回おこなわれており、トップは米国(456万回)、中国(450万回)、イスラエル(122万回)、英国(約94万回)の順となった(同サイト調べ)。
ワクチン接種回数で英国とEU加盟国に差
今年から欧州連合(EU)を完全離脱した英国では、昨年12月上旬からいち早くワクチン接種を開始した。当初は米ファイザーと独ビオンテックによるワクチンで、4日からは英アストラゼネカとオックスフォード大学が開発したワクチンである。
EUは域内全体としてワクチンを購入し、当局の検査を経て接種というプロセスとなったため、英国より開始が出遅れてしまった。
ここに来て、特に批判の対象となっているのがフランスだ。
英国とほかの欧州諸国でワクチンを受けた人の数を比較すると、12月31日時点で英国が約94万人、ロシア(非EU国)が80万人、EU加盟国のドイツが約26万人、イタリアが約12万8000人、ギリシャが9582人であるのに対し、フランスは516人と極端に少ない。
フランスメディアの報道によると、接種のスピードが遅れているのは年末で人手不足であったこと、もともとワクチンに対して懐疑心が強い国であるために接種を受ける人から合意を得る手続きが複雑であることなど。合意関連書類は45ページにも上るという。
英国のワクチン接種者は、5日の政府発表によると、約130万人となっている。
最大のワクチン生産国インド
インドでは、3日、医薬品規制当局がアストラゼネカとオックスフォード大学開発のワクチンと、インドのバーラト・バイオテックが開発したワクチンの2種類を承認した。
インドの感染者は1000万人を超えており、米国に次いで世界2番目に多い深刻な状況となっているが、野党や医療関係者の一部からワクチン承認について批判の声が挙がった。
というのは、バーラト社のワクチン「コヴァクシン」が、有効性を示すデータがない状態で承認されたからだ。まだ大規模な臨床試験が行われていないという。
インドの医療監督機関「全インド医薬品活動ネットワーク」は、「研究が不完全なワクチン」を承認した「科学的論理を理解できない」と反論している(BBCニュース、1月4日付)。
日本は
NHKの報道によれば(1月2日付)、ワクチンの接種開始は来月から。「2月下旬をめどに医療従事者、3月下旬をめどに高齢者、その後、基礎疾患のある人などを優先する」方向で進んでいるという。
厚生労働省の関連情報は以下をご参考に。