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今年の旅トレンドをBooking.comが発表 驚くほどぴったりマッチする旅先はここだ!

岩佐史絵トラベルジャーナリスト
マインドフルネスやSDGsへの取り組みなど、自分に、地球にやさしい旅がトレンドに

世界33の国と地域に会員をもつ旅の予約サイト『Booking.com』。世界中の利用者の予約状況やアンケート結果から旅のトレンドを分析し、毎年発表しています。昨年12月に発表された2024年度のトレンドには7つの項目があり、それぞれ世相や人々の意識の変遷をあらわしていて、とても興味深い内容でした。

お話を聞く一方で、筆者はしきりに、昨年取材したとあるリゾートのことを思い浮かべていて。聞けば聞くほど、今年“来る”トレンドにマッチしているなぁと思ったので、ぜひ紹介させてください。

33か国/地域、27000人以上を対象に行われた「2024年の旅行に関する調査」から導き出した7つの旅トレンドはなかなか興味深い内容
33か国/地域、27000人以上を対象に行われた「2024年の旅行に関する調査」から導き出した7つの旅トレンドはなかなか興味深い内容

まずはBooking.comによる今年の旅トレンドとは。筆者なりにわかりやすく要約すると以下のとおり(タイトルはBooking.com発表のもの)。

1.もう1人の自分・主人公の私を楽しむ旅

旅先ではいつもの自分らしからぬ大胆な行動をしがち。新しい冒険にも積極的にトライしがち。よりいきいきと、自分らしさを追求する旅。

初めてのアクティビティにトライしたり、趣味に没頭したいから、あえてひとり旅をしたり。より自由な旅が望まれる傾向に
初めてのアクティビティにトライしたり、趣味に没頭したいから、あえてひとり旅をしたり。より自由な旅が望まれる傾向に

2.水を通じて、生きている実感に触れる旅

異常気象もあり、暑すぎるのを避けるため旅先に水辺をチョイス。

避暑地として涼しい場所が好まれるだけでなく、「水の近くにいると落ち着く」という意見も多かったそう。ハイドロテラピーやフローティングヨガなども注目されそう
避暑地として涼しい場所が好まれるだけでなく、「水の近くにいると落ち着く」という意見も多かったそう。ハイドロテラピーやフローティングヨガなども注目されそう

3.偶然に導かれる、発見に満ちた旅

なりゆきにまかせ、予定調和ではない、その時、その場だからこその偶発的な体験を歓迎しがち。柔軟な旅スタイルを希望。

AIに旅のプランを任せてみたい、と考える人が48%。PCとネット環境さえあればどこでも簡単に予約が取れる時代だからこその発想かも。せっかくだからサプライズに満ちた旅がしたい!
AIに旅のプランを任せてみたい、と考える人が48%。PCとネット環境さえあればどこでも簡単に予約が取れる時代だからこその発想かも。せっかくだからサプライズに満ちた旅がしたい!

4.五感で味わい、風土を想う食体験

これは以前からのトレンドだけれど、インターネットの普及やグローバリゼーションに伴い、人々の食に対する許容範囲は年々広がっているはず。さらに掘り下げ食文化の背景まで知りたいという旅行者が増えているそう。

古代種のサトウキビ34種を復活させ、それぞれテイストの違うラムを造っているKOHANA RUM(ハワイ)のような、掘り下げまくった文化的バックストーリーのある飲食物に興味が集まる予感
古代種のサトウキビ34種を復活させ、それぞれテイストの違うラムを造っているKOHANA RUM(ハワイ)のような、掘り下げまくった文化的バックストーリーのある飲食物に興味が集まる予感

KoHana Rum

5.憧れのひとときを、アラカルトラグジュアリーで叶える旅

かなりざっくり言えば、費用対効果の高い旅が求められているということ。または、節約しつつもお金をかけるところはかける、めりはりのある旅。

日本人の場合は円安などの要因もあり、飛行機を使わず電車で行ける国内をチョイス。渡航費を節約し、その分を宿泊施設などにまわすといったスタイルは近年のトレンドとなっている
日本人の場合は円安などの要因もあり、飛行機を使わず電車で行ける国内をチョイス。渡航費を節約し、その分を宿泊施設などにまわすといったスタイルは近年のトレンドとなっている

6.デザイン美+マインドフルネスで、美意識をアップデートする旅

ただ贅沢なだけでなく、環境に配慮するなどSDGsの観点からも納得のいく滞在先を選ぶ。ホテルなどでもラグジュアリーでありながら無駄を出さない工夫をしているところが増えていますよね。

キッズ用食器に竹製品を選ぶ高級ホテルも。竹は強度があるだけでなく、生育が早いためほかの木製食器に比べ自然にやさしい。デザインもおしゃれで食事が楽しくなりそうな、FUNFAM社の竹食器
キッズ用食器に竹製品を選ぶ高級ホテルも。竹は強度があるだけでなく、生育が早いためほかの木製食器に比べ自然にやさしい。デザインもおしゃれで食事が楽しくなりそうな、FUNFAM社の竹食器

FUNFAM

7.よりよい明日へとつながる旅

自己改善のための旅。リラックスしてストレス解消したり、失恋や人生の節目で気持ちを切り替えたり。環境を変えることでよく眠れるようになるという「スリープツーリズム」もこれから“来る”そう。

”快眠”に力を入れるホテルは多いが、快眠を目的に旅をするという視点が今年のトレンドに。Westin系のホテルには快眠を促すラベンダーの香りのスプレーが置いてある
”快眠”に力を入れるホテルは多いが、快眠を目的に旅をするという視点が今年のトレンドに。Westin系のホテルには快眠を促すラベンダーの香りのスプレーが置いてある

……というのが、今年のトレンド。そして、それらにがっつりマッチしていると筆者が思うリゾートとは、昨年取材で訪れた伊勢志摩の『COVA KAKUDA』(コーバ カクダ)です。そのぴったりぶりを紹介しましょう。

◆リゾート概要

COVA KAKUDAは英虞湾に面した小さなラグジュアリーリゾートで、2023年6月にオープンしたばかり。客室は全室ヴィラタイプでわずか4部屋という小規模な施設です。食事からアクティビティまですべてオールインクルーシブ(宿泊料金に含まれている)という、日本ではまだ少ないタイプの宿泊スタイルもさることながら、小規模ゆえに至れり尽くせりのラグジュアリーな滞在を約束してくれるところが大きな魅力です。

1.もう1人の自分・主人公の私を楽しむ旅

こちらの自慢はサウナ。独立したサウナ小屋が2軒あり、その目の前には英虞湾が。サウナから出て直接海に飛び込む体験なんて、こわくてできない……と思っていても、ここにきたらやってみたくなるはず。知りたい! やってみたい! をスタッフと相談して叶えていける。

リゾート自慢のサウナは2室。海に直接アクセスしているので、水着を持参すれば、ほてった体をそのまま海に飛び込んで調える体験も可能。調いまくるにちがいない
リゾート自慢のサウナは2室。海に直接アクセスしているので、水着を持参すれば、ほてった体をそのまま海に飛び込んで調える体験も可能。調いまくるにちがいない

2.水を通じて、生きている実感に触れる旅

英虞湾に面したCOVA KAKUDA。里海や里山の健康をもテーマにしていることもあり、 水辺であるだけでなく、そこで生きている人里山と里海の理想的なサイクルを実感させてくれるリゾートです。

クルーズ船で英虞湾を散策することも可能。ほかに、カヌーやSUPなどウォーターアクティビティも充実している。英虞湾のリアルに触れることができるのが特徴
クルーズ船で英虞湾を散策することも可能。ほかに、カヌーやSUPなどウォーターアクティビティも充実している。英虞湾のリアルに触れることができるのが特徴

3.偶然に導かれる、発見に満ちた旅

ここではあらかじめアクティビティを決めることもできますが、スタッフが季節や天候などを鑑みて一番楽しいアクティビティをお勧めしてくれます。この時期、この時間だからこそのお楽しみはとても刺激的!

焚火体験の最中、リゾートで育てているヒオウギ貝がちょうど食べごろなので! と食べる分だけ収穫。貝の養殖の様子を見たこともなかったし、なによりヒオウギ貝の天然のカラーにびっくり
焚火体験の最中、リゾートで育てているヒオウギ貝がちょうど食べごろなので! と食べる分だけ収穫。貝の養殖の様子を見たこともなかったし、なによりヒオウギ貝の天然のカラーにびっくり

自分で熾した焚火で蒸し焼きにしたヒオウギ貝を試食。火を入れるとさらにこの発色! ぶりんぶりんの歯ごたえ、ホタテのようなうまみがぎっしり。なんの味付けもしないのに海水のミネラルを含んだ芳醇な味わい
自分で熾した焚火で蒸し焼きにしたヒオウギ貝を試食。火を入れるとさらにこの発色! ぶりんぶりんの歯ごたえ、ホタテのようなうまみがぎっしり。なんの味付けもしないのに海水のミネラルを含んだ芳醇な味わい

「今夜は星がきれいですよ」と夕食後にスタッフが誘ってくれ、星空観察へ。ポインタと天体望遠鏡を用いたかなり本格的なアクティビティで、プラネタリウムさながらの感動体験
「今夜は星がきれいですよ」と夕食後にスタッフが誘ってくれ、星空観察へ。ポインタと天体望遠鏡を用いたかなり本格的なアクティビティで、プラネタリウムさながらの感動体験

4.五感で味わい、風土を想う食体験

地元出身のシェフによる、旬の食材を最高においしい方法で調理&提供。食材を知り尽くすジモティならではの熱心さで調理に臨むシェフとのお話は、学びと感動に満ちています。

伊勢に来たら松阪牛はやっぱりマスト! 地元の旬の食材を用い和がメインながら、洋のテイストをうまく取り入れた料理の数々は筆舌に尽くしがたい美味の連続
伊勢に来たら松阪牛はやっぱりマスト! 地元の旬の食材を用い和がメインながら、洋のテイストをうまく取り入れた料理の数々は筆舌に尽くしがたい美味の連続

リゾートから15分ほどのところに実家があるという総料理長 松本守氏。まさに風土に根付いた食文化を楽しむ体験を提供してくれる
リゾートから15分ほどのところに実家があるという総料理長 松本守氏。まさに風土に根付いた食文化を楽しむ体験を提供してくれる

5.憧れのひとときを、アラカルトラグジュアリーで叶える旅

国内(近場)で最高に贅沢なひととき。また、有名な5つ星リゾートではないけれど、ここでは景色のよさや施設の充実もさることながら、食事、アクティビティ、スタッフの心遣いと小規模なリゾートらしく微に入り細を穿つケアが行き届いていて、真のラグジュアリーを堪能できることはうけあいです。

わずか4室、それほど広い敷地ではないけれど、どこへ行くにもスタッフがすぐにやってきてカートで送ってくれる。もちろん、自分で歩きたいときは放っておいてもくれるというところがうれしい
わずか4室、それほど広い敷地ではないけれど、どこへ行くにもスタッフがすぐにやってきてカートで送ってくれる。もちろん、自分で歩きたいときは放っておいてもくれるというところがうれしい

地元の真珠養殖場をクルーザーに乗って訪ねるアクティビティ。さまざまなアクティビティに参加すればするほど費用対効果が高くなっていくのがオールインクルーシブのうれしいところ
地元の真珠養殖場をクルーザーに乗って訪ねるアクティビティ。さまざまなアクティビティに参加すればするほど費用対効果が高くなっていくのがオールインクルーシブのうれしいところ

6.デザイン美+マインドフルネスで、美意識をアップデートする旅

ただ贅を尽くすのではなく、アクティビティや食事、すべてにちゃんと意味があるのがこのリゾートの特徴。たとえば、独立したひとつひとつのヴィラは実は廃業した工場(こうば)をリノベーションしたもの。土地の文化を伝えるのに一役かっています。

天井が高くがらんとした印象の広い室内。全面に窓があり開放的で、かつ床暖房もありとても快適な空間。かつて工場で働いていた人たちと同じ景色を見ているのだな、と思うとエモい
天井が高くがらんとした印象の広い室内。全面に窓があり開放的で、かつ床暖房もありとても快適な空間。かつて工場で働いていた人たちと同じ景色を見ているのだな、と思うとエモい

7.よりよい明日へとつながる旅

英虞湾の奥の入江に位置しており、波の音などほとんどなく夜中も驚くほど静か。サウナで調い、最高の食事をしたあとには降り注ぐような星を眺めて、眠たくなったら静かな環境でただ眠るだけ。自然に癒されるという最高のリラクゼーションが明日の活力を養います。

客室の目の前は海。夜は月明かりのみ、朝は日の出によって徐々に明るくなるというこの自然がもたらすシチュエーションが体のリズムを正してくれる。あえてカーテンは閉めないのもおすすめ
客室の目の前は海。夜は月明かりのみ、朝は日の出によって徐々に明るくなるというこの自然がもたらすシチュエーションが体のリズムを正してくれる。あえてカーテンは閉めないのもおすすめ

実はこのリゾート、地元老舗企業の覚田真珠 株式会社による運営。衰退する真珠養殖と、その原因となる英虞湾の環境変化などを憂い、里山・里海の健康を取り戻し地元の雇用を促すことなどを目的として設立されています。アクティビティを通して楽しみながらも、真の英虞湾の姿を知ってもらうという意図もあって、遊びだけでなく学びにも満ちているのが大きな特徴。そういう意味でも「よりよい明日」を目指しているリゾートではないでしょうか。

いかがでしたか? みんながしたい「こんな旅」のトレンドにぴったりなリゾート『COVA KAKUDA』。筆者のなかでも「また行きたい宿泊施設」の上位にランクインしている、おすすめリゾートです。今年の旅のヒントに、ぜひ!

◆COVA KAKUDA

住所:三重県志摩市志摩町片田1397-14

TEL:0599-52-0231

料金:12万1000円~/1名(※1室2名利用の場合、税・サ込)

トラベルジャーナリスト

旅活歴は四半世紀以上のフリーランス トラベルジャーナリスト。3か月ごとに拠点を変えながらのノマドライフを夢見て、「この町に住んだなら」を妄想しつつ旅を続けます。その土地のリアルな文化を知ることで、旅はぐっと楽しくなるもの。じんわり心地よい旅先探訪中に出合ったいろいろをご紹介します。

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