ドイツ政府、ウクライナ軍に対空戦車「ゲパルト」50台提供:上空からのロシア軍の攻撃阻止へ
ドイツ国防大臣「今、まさにウクライナ軍が上空からの防衛に必要としている兵器です」
ドイツ国防省は2022年4月にウクライナ軍にドイツのクラウス・マッファイ・ヴェクマン社が製造している対空戦車「ゲパルト」50台を提供することを発表した。国防大臣のクリスティーネ・ランブレヒト氏は「今、まさにウクライナ軍が上空からの防衛に必要としている兵器です」とコメントしていた。
2022年2月にロシア軍がウクライナに侵攻してからロシア軍によるウクライナへの攻撃やウクライナ軍によるロシア軍侵攻阻止のために、攻撃用の軍事ドローンが多く活用されている。また民生用ドローンが監視・偵察のために両軍によって多く使用されている。
ロシア軍はロシア製のドローン「KUB-BLA」で攻撃を行っている。ウクライナ軍はトルコ製のドローン「バイラクタルTB2」やウクライナで開発した軍事ドローン「PD-1」でロシア軍の装甲車を上空から破壊している。ウクライナ軍による軍事ドローンでの上空からのロシア軍への攻撃はロシア軍にとっても大きなダメージとなっており、ロシア軍のウクライナ侵攻に大きな足かせとなっている。このようにロシアとウクライナの紛争で軍事ドローンによる攻撃が続いている。
そのため上空からの攻撃に対する防衛は非常に重要であり、ミサイルだけでなく攻撃ドローンへの対策も安全保障の観点からも急務である。上空のドローンを機能停止したり、上空で爆破するためのシステムや兵器ももウクライナ軍には提供されている。上空のドローンを迎撃するのは、電波を妨害(ジャミング)してドローンの機能を停止させるいわゆる"ソフトキル(soft kill)"と、対空機関砲のように軍人が持って上空のドローンを爆破させる、いわゆる"ハードキル(hard kill)"がある。
民生品の監視・偵察ドローンは攻撃してこないので、ソフトキルや軍人が対空機関砲などで撃墜することも容易だが、かなりのスピードで突っ込んできて爆破するような軍事ドローンは人間の軍人が迎撃するのは非常に危険である。そのため対空戦車の方が適している。
▼ロシアが使用している攻撃ドローン「KUB-BLA」
対空戦車「ゲパルト」
▼ウクライナ軍への対空戦車「ゲパルト」提供を伝えるドイツのニュース