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【世界バレー】止められないブロードで存在感示した、全日本・島村春世が心がけていること

市川忍スポーツライター
(写真:YUTAKA/アフロスポーツ)

圧巻だった試合終盤のブロード4連続ポイント

『2022世界バレー女子大会』第2戦、世界ランク7位の全日本女子は、同18位のチェコを相手に3-0のストレート勝ちを収めた。

序盤から古賀紗理那選手(NEC)のbickやレフト攻撃を多用した全日本は、試合終盤にはライト中心の攻撃に戦術を変更。途中から入った林琴奈選手(JT)のライトからのスパイクや島村春世選手(NEC)のブロード攻撃で得点を重ね、第3セットは島村選手の4連続ポイントで相手を圧倒した。

総得点15と、勝利の立役者となった島村選手は試合後、インタビューにこう答えた。

「今日は攻撃の幅を生かそうと思って試合に臨みました。試合中は『自分たちのプレーをしよう』と声をかけました。一つひとつのプレーの質が上がれば得点は挙げられると思ったので」

大会開幕前、島村選手は自分たちの課題をこう分析していた。

「試合前半はいいのですが、後半、相手に圧倒されることが多かった。後半の集中力が課題だと思います。世界バレーまでに修正したい」

チェコ戦はまさにその言葉通り、第2セットでリードを許しても食らいつき、逆転で奪った。最後まで集中力が途切れるシーンは見られなかった。

大切にしているタイムアウト中の声掛け

タイムアウト中もチームを鼓舞し続けた。

「自分たちのバレーをしよう」

練習で積み重ねてきたことを実践すれば、自分たちのペースに持ち込める。そんな思いの詰まった言葉だ。

ネーションズリーグでも同じようにチームに声をかける島村選手の姿があった。

特定の選手に声をかけるときは、相手ブロックの状態を見て、決まりやすいコースをアドバイスする。自分の目に映ったチームメートのプレーが『いつもとちょっと違う』と感じた際には「いつもはこういう風に打っているよ」と言葉をかける。

反対にチームメートから「ブロックのタイミングを見ていてほしい」「気づいたことを言ってほしい」と頼まれることもあるという。

写真:ロイター/アフロ

島村選手は続ける。

「自分たちが波に乗っているときは自発的に声が出ているし会話も多いのですが、相手に(試合展開で)押されている場面では、どうしても会話が少なくなってしまいます。だからこそ雰囲気を明るくできるよう、『ここ、頑張りどころだよ』という思いを込めて声をかけています」

強いチームにはキャプテンやエースを陰で支える選手が必ず存在する。全日本女子でその役割を担うのが島村選手だ。

「中国と戦うのは難しいし、苦しい試合展開になると思います。でもチーム力で勝ちたい」

力強く意気込みを語った。

世界ランク4位の中国との戦いは28日。その戦いぶりに注目したい。

スポーツライター

現在、Number Webにて埼玉西武ライオンズを中心とした野球関連、バレーボールのコラムを執筆中。「Number」「埼玉西武ライオンズ公式ファンブック」などでも取材&執筆を手掛ける。2008年の男子バレーボールチーム16年ぶり五輪出場を追った「復活~全日本男子バレーボールチームの挑戦」(角川書店)がある。Yahoo!公式コメンテーター

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