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東京ゲームショウ テーマの割れる報道が示す「見どころ」の多さの意味 #専門家のまとめ

河村鳴紘サブカル専門ライター
「東京ゲームショウ2024」の様子=筆者撮影

 世界有数のゲーム展示会「東京ゲームショウ2024」が26日から、幕張メッセ(千葉市美浜区)で開かれています。新聞社やテレビ局など、大手メディアの報道を踏まえて、「見どころ」を考えます。

ココがポイント

ことしはAIによる高度な画像処理機能を搭載した新型のゲーム機や、生成AIを使ったゲームが目立っています。
出典:NHK 2024/9/26(木)

利用者は自分にあったハードを選んで遊ぶので、PS5が値上がりしてもソフトが急に売れなくなることはない
出典:産経新聞 2024/9/26(木)

新しいアイデアを一から作るのが目的ではない。すでにある知的財産を使って、それをどのように世界に発信していくかだ
出典:テレ朝NEWS 2024/9/26(木)

セガはゲーム以外のコンテンツに「ソニック」を活用する戦略(中略)その結果、ライセンス収入はこの5年で10倍以上に拡大
出典:TBS NEWS DIG 2024/9/26(木)

エキスパートの補足・見解

 メディアが展示会についての記事を書くとき、読者に分かりやすくするためにテーマをしぼり、将来を見据えた業界のトレンドを整理・分析することが求められます。そのため、記事の内容が似ることもあります。

 しかし今回の報道は、新しいゲーム機(PS5 Pro)、生成AI、海外からの日本市場への参入、日本企業の海外展開とテーマがまちまち。圧倒的な目玉がないともいえますし、ポイントがいくつもあるともいえます。

 ただし、これらのテーマは将来的に、互いに結び付く可能性があります。ゲームの開発費高騰を生成AIによって軽減する可能性もそうですし、生成AIがVRやインディーゲームの成長に貢献することも考えられます。また世界的な競争が激しくなる一方、市場規模が拡大し、売り上げを伸ばす好機にもなりえます。

 一昔前であれば、携帯ゲーム機やスマホゲームなど、各社は流行ものに偏ることもしばしばありました。しかし今では各社が自社の強みを生かし、将来を見据えて戦略を練っています。日本と海外、家庭用ゲーム機とスマホゲームとPC、大型タイトル・名作とインディーゲーム……というように、どのジャンルも厚みが増しています。

 むしろ、多くのコンテンツがそろう中で、自社のコンテンツを埋没させないための工夫が問われます。各社の戦略が来年以降どうなっていくのか注目です。

サブカル専門ライター

ゲームやアニメ、マンガなどのサブカルを中心に約20年メディアで取材。兜倶楽部の決算会見に出席し、各イベントにも足を運び、クリエーターや経営者へのインタビューをこなしつつ、中古ゲーム訴訟や残虐ゲーム問題、果ては企業倒産なども……。2019年6月からフリー、ヤフーオーサーとして活動。2020年5月にヤフーニュース個人の記事を顕彰するMVAを受賞。マンガ大賞選考員。不定期でラジオ出演も。

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