日本の長期金利が0.8%台と10年ぶりの水準に上昇、それによる影響とは
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ここにきて日本の長期金利(10年国債の利回り)に上昇圧力が掛かっている。4日の10年372回債の利回りは0.805%と2013年8月以来の水準を付けた。10年ぶりの水準に上昇してきた。ちなみに2013年4月に日銀は量的・質的金融緩和を導入している。
4日には2年債利回りが0.06%と2015年2月以来の水準に、5年債利回りは0.340%と2013年7月以来の水準に、20年債利回りが1.575%と2014年1月以来の水準に、30年債利回りは1.815%と2013年9月以来の水準にそれぞれ上昇していた。
イールドカーブでみるとベアスティープ、つまり国債が売られながら、より長い期間の国債の利回りが大きく上昇する格好となっていた。
今回の日本の長期金利上昇の要因としては、米国の長期金利の上昇があった。米長期金利は4日に4.88%と2007年8月以来、約16年ぶりの水準に上昇していた。
さらに国内の物価の高止まりもあり、日銀が7月に長期金利コントロールの上限を0.5%から、実質的に1.0%に引き上げたことも要因となる。日銀は時間を稼ぐため、また円安対応も意識して、1.0%に引き上げ、それまでは無理矢理に長期金利を指値オペで抑え込むと言う姿勢を示さなかった。臨時オペ等はあったが。
日本の長期金利の上昇を受けて、今月募集される個人向け国債の10年変動タイプの初期利子が0.51%(税引前)と2013年11月発行分(0.51%)以来の水準に上昇してきた。10年変動タイプの本領発揮といったところだが、5年固定も0.33%(税引前)と2012年1月発行分(0.33%)以来の水準となっている。当然、預貯金金利に比べればかなりの優位性が生じてきた。
ただし、長期金利の上昇によって、住宅ローンの固定金利が引き上げられることになるため、住宅購入を検討している人にとっては気になるところとなろう。