冷風扇を買うべきではない3つのワケ
夏の暑い時期になると家電量販店をはじめ、ネットショップなどでも売り切れ続出する冷風扇。
家電量販店の店員側からすると、買う意味が分からないとまでは言わないですが、購入している人はCMなどに騙されているなぁという印象です。
今回は冷風扇を買うべきではない理由を3つ紹介いたします。
そんなに涼しくない
CMなどでは「-10度の風」や「エアコンが苦手な方」にというコピーなどで販売されています。コピーではエアコンの替わりになるような涼しくなる家電という印象を与えますが、現実は違います。
「-10度の風」は確かに涼しそうですが、よくよく見ると「室温差-10度」という表記があります。
エアコンをつけない真夏の部屋の室温が40度の時は、風温が約30度までにしかなりません。機種によっては保冷剤などでより冷たい風が出せるという機種もありますが、冷たい温度を持続できる時間は限られています。
エアコンは熱交換器というもので除湿して空気の温度を下げますが、冷風扇は水の気化熱を利用するだけなので、継続して涼しい風を出すのは難しいです。
仕組みとしては、水の溜まった洗面器に扇風機の風を当てるようなものなので、実際に試して涼しいか確認してみてください。
部屋の湿度が上がるので暑くなる
これが知らない人が多い事実です。
冷風扇は水を使っており、その水が気化する時の熱を奪う性質を利用した機種です。ということは湿った空気が散布されることになります。
夏はもともとジメジメしており、非常に湿度が高く過ごしにくいですよね。冷風扇を利用することで湿った空気を部屋全体に広げることで、部屋の湿度が上がります。
湿度が上がると体感温度も上がることで暑く感じます。
さらに、湿度が高い環境では体温を下げるために汗をかいても汗が蒸発しにくく、涼しいと感じにくくなります。
より暑く感じて、涼しさも奪われてしまうので熱中症などの危険性が大きく上がります。冷風扇はエアコン替わりに使おうとしても、逆に熱中症のリスクがあるのです。
内部が汚れる
これはお手入れの仕方にもよりますが、水をタンクに入れて放置して使うことになるので、タンクが汚れます。
毎日すすいだり、乾かしたりすればそのリスクは軽減できますが、毎回やるのは面倒です。
タンク内でカビなどが発生した場合、風に乗ってその菌が部屋中に放出されるので、清潔ではありません。
もし使っている場合は、取扱説明書の指示のもとお手入れするのがおすすめです。
ということで今回は、冷風扇を買うべきではない3つの理由を紹介いたしました。
①エアコンほどの涼しさは期待できない
②湿度が上がるので、部屋は暑くなる
③お手入れしないと不潔
という理由で、購入することはおすすめしません。
それでもどうしても購入したいという方は、まず扇風機と水を入れたもので試してみるのがおすすめです。
家電量販店で働いていると「全然涼しくない!」「部屋が暑くなる」などのクレーム(?)もたくさんあったので、消費者の期待が大きすぎる商品であるだけに、失望する人も多いのだと感じました。